ZFの電動アクスルを採用し後部までフルフラットの室内を実現 海外のEVバスと遜色のない高い完成度の予感 【THE 視点】いすゞ自動車は10月25日、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)において、新型のEVバス「エルガEV」を発表した。予告がなかっただけに、サプライズのワールドプレミアとなった。 長さ11,545×幅2,485×高さ3,330mmの大型路線バスで、乗車定員は最大80人。モーターの性能は125kW(170ps)×2/最大トルクは480Nm(49.0kgm)。バッテリーは全てフロントルーフに搭載され総容量は220kWhとなっている。普通充電・急速充電(CHAdeMO)を採用するが、充電時間や航続距離等は非公表。 車内は通路が後ろまで段差なしの低床のローフロア(LF)なのも特徴だ。LFの実現には、モーターが大きく関係していると考えられる。モーターメーカーは非公表だったが、リアアクスルにはZFと刻印されたことから、先に発売されている「エルフEV」と同様モーターもZFを採用したと思われる。しかも「AVE130」という型と出力が一致する2モーター仕様。メルセデス・ベンツのEVバスなどにも採用実績があるユニットだ。 このモーターの特徴は、左右のブレーキ・アクスルにモーターが組み込まれており、中央部分が出っ張りのない構造。このおかげで低床の段差がないローフロアが実現したわけだ。 バッテリーをルーフに搭載したこともローフロアと広々とした車内の実現に一役買っている。しかもこのバッテリーは水冷式を採用しているという。メーカーは非公表だが、「エルフEV」が韓国LG製を採用しているため踏襲したのだと推測する。 筆者は、先日ベルギーで行われたバスワールドに視察に行っているが、日本に戻り今回発表となった「エルガEV」をみて、海外製のEVバスと遜色ない作りだと感じた。いすゞがようやく国産EVバスを発表したことに嬉しさを感じた。 なお生産はいすゞと日野の合弁のバスメーカー「ジェイ・バス」が行なうという。もしかしたら、現行の路線バス同様に「日野・ブルーリボンEV」としてOEMデビューもあるかもしれない。 発売は2024年度中と発表されているが、価格は未定とのこと。早く試乗したいものである。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★メルセデス・ベンツ、「Gクラス」のEVを発表 ……「コンセプトEQG」を「JMS」で発表した。オフローダーの「Gクラス」のテイストをそのままEVに落とし込み、4モーター式のAWDや2段変速ギアといった強力なパワートレインを備えている[詳細はこちら<click>]。 ★★カワサキ、ハイブリッドの「ニンジャ」を国内導入へ ……「JMS」の会場でEVバイクの「ニンジャe-1」とハイブリッドの「ニンジャ7ハイブリッド」を初公開した。ハイブリッドモデルは国内導入の準備を行なっているという。 ★★マツダ、ロータリー搭載のスポーツEVを発表 ……コンセプトモデル「マツダ・アイコニックSP」を「JMS」で発表した。2ローター式のロータリーエンジン(レンジエクステンダー)を搭載したEVとなる。次世代の「RX-7」と捉えて良いだろう。 ★★トヨタ、2台のEVコンセプトカーを発表 ……スポーツモデル「FT-Se」とSUV「FT-3e」を「JMS」で発表した。「FT-3e」は、コンパクトなボディを持つスポーツEVで、次世代の「86」を想起させるものとなっている。 ★★レクサス、2026年導入予定の次世代EVを発表 ……「JMS」で次世代EVのコンセプト「LF-ZC」と「LF-ZL」を発表した。「ZC」は2026年導入予定の次世代のバッテリー式EV、「ZL」は新型のソフトウェア「アリーンOS」を搭載したフラッグシップコンセプトモデルとなる。 ★★インフィニティ、2台のEVコンセプトカーを発表 ……日産自動車の高級ブランド・インフィニティは、「ヴィジョンQe」「ヴィジョンQXe」を「JMS」で発表した。「Qe」はセダンタイプで「QXe」はクロスオーバーとなる。 ★★BMW、「iX2」を日本発表 ……「JMS」で「iX2 xDrive30」を発表・発売した。最高出力200kW(272ps)/最大トルク494Nm(50.4kgm)のAWDで、航続距離は最大449kmとなる。価格は742万円。 ★★日産、コンセプトEV第5弾はスーパースポーツ ……「JMS」の会場で第5弾となるコンセプトEV「ハイパーフォース」を発表した。最高出力1,000kW(1360ps)のAWDで、サーキット走行ももちろん視野に入れている。丸目4灯のテールランプを採用していることから、「GT-R EV」と考えられる。 ★★三菱、クロスオーバーのEVコンセプトを発表 ……「JMS」の会場でクロスオーバーMPV「MITSUBISHI D:X Concept」を発表した。ミニバンタイプの車体で、「デリカ」のEV版とイメージできる。 ★ボルボ、新型EV「EM90」を11月12日に発表 ……「EM90」がMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル)になると発表した。高級リビングルームをイメージした車内になるという。 ★スバル、「ソルテラ」を改良 ……運転支援機能「スバル・セーフティ・センス」の機能を拡充。渋滞時支援/レーンチェンジアシストなどを追加した。また、オーバルステアリングホイールも新採用した。 ★トヨタ、「bZ4X」を一般販売開始 ……一般販売を11月13日から開始する。購入は現金一括や残価型割賦に対応する。合わせて一部改良も発表された。低外気温下における充電時間を最大30%削減する。 ★エネチェンジ、「おでかけEV」と連携 ……ナビゲートが運営する充電スポット検索アプリ「おでかけEV」に、「エネチェンジクラウドEV」のEV充電スポット情報をAPI連携した。「おでかけEV」は、ドライブ計画時の利用や「チェックイン」でポイントが貯まるアプリ。 ★ステランティス、EVのバッテリーリサイクル事業を強化 ……原子力関連事業のオラノと協業する。EVの使用済みバッテリーからレアメタル類を回収し再利用するバリューチェーンの構築を目指す。 ★新興のMIHコンソーシアム、小型EV「プロジェクトX」を発表 ……台湾・フォックスコンが主導するMIHコンソーシアムは、「JMS」でEVの小型モビリティを発表した。「プロジェクトX」は2〜3人乗りのEVでバッテリーは交換式となる。 ★テラモーターズ、「CAVE OKINAWA」にEV用充電器を導入 ……沖縄県の洞窟・鍾乳洞の探検ツアーを運営する「CAVE OKINAWA」の利用者向け駐車場に充電器を導入する。充電器は最高出力6kWタイプで、2024年度中に3基が設置予定。 ★グローバル電子、カナダの充電器メーカーと代理店契約 […]
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