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TEXT:TET 編集部
マイバッハのブランドで初となる電気自動車! 「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」が登場

マイバッハならではの極上の乗り心地を提供 2024年8月1日、メルセデス・ベンツ日本合同会社は、メルセデス・マイバッハブランドから初の電気自動車「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」を発売した。価格は税込み2790万円。 マイバッハ EQS SUVはEQS SUVをベースに、高級感のある専用のフロントマスクやツートーンペイント、アルミホイールなどを採用。ひと目でマイバッハとわかるエクステリアとなっている。 軽い力で確実にドアを閉めることができるドアクロージングサポーター、ディスプレイ操作でドア開閉ができる電動コンフォートドアなど、快適性や利便性を高める機能を採用。 インテリアは上質な素材を大胆に使用したウッドパネルや植物由来原料で加工したナッパレザーシート、MBUXハイパースクリーンやMBUXリアエンターテインメントシステムを標準装備し、ラグジュアリーかつ快適な移動空間を実現した。 また、Burmester 4Dサラウンドサウンドシステムにより、迫力あるサウンドを提供。Dolby Atmosにも対応した15 のスピーカーが4次元サウンドを生み出す。助手席および後席の乗員も、4Dサウンドをヘッドフォンのオーディオコンテンツで体感することができる。 オプションのファーストクラスパッケージを選択すると、後席をさらに快適な空間にすることが可能。ウッドトリムを用いたセンターコンソールは、マイバッハEQS SUVのファーストクラスパッケージのために再規格されたデザインだ。独立した左右後席の間には、専用シャンパングラス収納部と脱着可能な大型クーリングボックスを装備。センターコンソールには格納式テーブルと温度調整機能が備わったカップホルダーが配置されている。標準装備されているシートベンチレーターに加え、ファーストクラスパッケージを追加することでセンターアームレストヒーターも装着される。 走りに関しては前後アクスルに電動パワートレイン(eATS)、電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)を採用。PSMはACモーターのローター(回転子)に永久磁石が取り付けられているため、ローターには通電の必要がない。電気モーターは三相の巻線をふたつ備える六相式を採用しているため、きわめて強力。最高出力は658馬力[484kW]、最大トルクは955N・mを発生。WLTCモード一充電走行距離は640kmだ。トルクシフト機能によってフロントとリヤの電気モーター間で駆動トルクの連続可変配分が行われるため、前後駆動力配分はつねに効率的かつ最適化されている。 足まわりには連続調整ダンパーADS+を備えたAIRMATICエアサスペンションを標準装備。最大 35mm車高を上げることができる。 大きなボディ、長いホイールベースを持つマイバッハ EQS SUVだが、リア・アクスルステアリングが標準装備されているため、コンパクトカー並みに容易に扱うことが可能。最小回転半径は 5.1mだ。リア・アクスルステアリングはステアリング操作だけではなく、ブレーキやサスペンションなどの車両ダイナミクスコントロールに統合制御されている。

TAG: #マイバッハ #発売
TEXT:TET 編集部
大胆にして流麗で超豪華! キャデラックのラグジュアリーコンバーチブルEV「ソレイ」が未来のビスポークデザインを示す

モダンなデザインをオープンエアのフォルムで提供する キャデラックが新たなコンセプトカー「ソレイ(SOLLEI)」を発表した。このモデルは、ラグジュアリーコンバーチブルEVの究極のデザイン表現として、キャデラックの未来のビスポークデザインの可能性を広げることを目指して開発されている。 デザインと機能 「ソレイ」は、キャデラックのアイコニックな55インチのピラー・トゥ・ピラースクリーンを搭載し、威風堂々としたインテリアとエクステリア・ライティング・コログラフィ、そして直感的なフロントとリヤのコマンドコンソールを装備した2+2シートのコンバーチブルEVだ。 車名の「ソレイ」は太陽(「SOL」)とレジャー(「LEI」)に由来し、キャデラックのゆったりとしたオープンエアを楽しむライフスタイルからインスピレーションを得てデザイン表現がされている。 「ソレイ」は、キャデラックのコンセプトカーとしては初めてバイオテクノロジー企業のマイコワークスと共同開発した革新的なバイオベース素材を採用している。マイコワークス社のファイン・マイセリウム™は、菌糸体(キノコの根の構造)から作られた素材で、再生可能な自動車資源として注目されているもので、コンソールの充電マットやドアポケットに使用し、キャデラックの持続可能性への取り組みを体現している。 エクステリアの見どころ 「ソレイ」のエクステリアデザインは、キャデラックの伝統的で大胆なプロポーションを引き継ぎつつ、流麗でダイナミックなボディラインを描いている。低く伸びやかなボディは、ワイドなスタンスと長いクーペドアによって強調され、広いリヤシートへのアクセスを容易にしている。 途切れの無いサーフェスと伸びやかなAラインは車体の長さを際立たせ、低いテールデザインと相まってダイナミックでありながら流麗なプロポーションを生み出している。ミッドボディラインはヘッドライトからテールランプをシームレスに繋げ、調和のとれたデザインとして統一されながら、ドアハンドルをボタン式にすることで、すっきりとしたボディラインに仕上げている。 それらの大胆かつ流麗なエクステリアを際立たせるボディカラーは、1957年と1958年のキャデラックモデルに採用された「マニラ・クリーム」が用いられ、職人の手作業による塗装が施されている。

TAG: #EVコンバーチブル #キャデラック #コンセプトカー #ビスポーク
TEXT:TET 編集部
原付に乗っているなら要注目! ホンダの電動二輪「EM1 e:」 都内在住者を対象に500名の大規模モニター募集

2か月間のモニターで電動二輪車の使い勝手をリサーチ 2050年のカーボンニュートラル実現を目指すホンダは、四輪にとどまらず二輪においても2040年代にすべての製品でのカーボンニュートラル実現を目指している。 その第一歩として、使用環境がある程度限定される商用ユーザーに向けて、「BENLY e:」をはじめとしたHonda e: ビジネスバイクシリーズを2019年から投入。2023年には「GYRO CANOPY e:」が発売されたことで、現在は3モデルがラインナップされるに至っている。 それまで法人向けの販売に留まっていた同シリーズも、2023年6月からは一般向けに全国のホンダ二輪EV取り扱い店で発売が開始されるなど、バイクの電動化を着々と進めてきた。そして2023年8月24日には、一般向けに原付免許で運転が可能な電動二輪パーソナルコミューター「EM1 e:」が満を持して発売された。 電動バイクには最高速によってEB(電動自転車、最高速度25km/h以下)、EM(電動モペット、最高速度25~50km/h)、EV(電動車、最高速度50km/h以上)という3つのカテゴリーがある。ホンダによれば、グローバルでの市場需要規模は約5000万台で、その大半を中国のEMとEBが占め、他国でも徐々に市場が拡大しているというから、ホンダが日本でいうところの原動機付自転車、スクーターに相当するEMを二輪の電動化に向けたファーストステップに選んでいることにも納得ができる。 その一般向けEM車両の1号機が「EM1 e:」というド直球なネーミングであることも微笑ましい。 その「EM1 e:」だが、現在東京都内に在住している方を対象として、モニター募集を8月18日まで専用サイトで受け付けている。動力用電源に「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」と呼ばれる交換式バッテリーを用いたEM1 e:を、約2か月間にわたって500名のモニター参加者へ貸出することで、電動二輪車の日常における使い勝手について意見や要望を収集するのが目的。 そして、今後の製品の使いやすさや機能の向上などにつなげ、さらなる電動二輪車の普及に向けて取り組んでいくと、ホンダの国内における二輪総合販売会社であるホンダモーターサイクルジャパンは説明している。 巷では電動キックボードをはじめとした電動パーソナルモビリティに対し、その複雑さゆえに理解されづらい交通ルールとマナー違反が相まって、厳しい目が向けられている。一方で免許制かつ従来から使用されてきた原付スクーターの枠組みで乗れる電動二輪のEM1 e:なら、日頃エンジン車の原付に乗っているユーザーにとっても受け入れやすいモビリティではないかと思う。 2025年11月以降には50ccエンジンに対して新たな排ガス規制が適用されることが濃厚視され、原付バイクもいよいよ生産終了かと取り沙汰されている。大げさかもしれないが、終焉を迎えようとする原付に対し、未来を見据えるEMへひと足先に触れ、今後のプロダクト開発の一端を担うのもモビリティ好きの在り方ではないだろうか。興味のある読者はぜひモニターに応募してもらいたい。 <EM1 e: モニター募集概要> ・貸出期間 EM1 e:を引き渡された日から60日間 ・募集期間 2024年8月5日(月)から8月18日(日) ・当選案内 2024年8月下旬 ・募集人数 500名 ・応募要件 EM1 e:を運転できる免許を保有している方 モニター契約締結日時点で住民登録地が東京都(島しょ部除く)にあり、お住まいの方 別途、ホンダモーターサイクルジャパンが定める応募要件を順守いただける方 詳細およびモニター申し込みについてはHondaホームページ内「EM1 e: モニターキャンペーン サイト」を確認していただきたい。 https://www.honda.co.jp/moto-monitor/EM1e/

TAG: #EM1 e: #ホンダ #電動バイク #電動モビリティ
TEXT:TET 編集部
BMW/MINIディーラーに150kW級の超急速充電器を設置! powerXアプリで実質「全EVユーザーが無料利用」の大盤振る舞い

CHAdeMOを全EVオーナーに開放 大型蓄電池の製造・販売やEVチャージステーションのサービス展開を行っているパワーエックスは、モトーレン神戸が運営するBMW正規販売店「Kobe BMW ハーバー神戸支店/MINIハーバー神戸」に、蓄電池型の超急速EV充電器を設置したことを発表した。これは、BMW・MINI販売店では初の設置事例となる。今後は全国各地のBMW・MINI販売店のうち、数十店舗に同様の充電器を設置していく予定だというが、注目すべきはその利用対象者がBMW・MINIオーナーに限定されないということだ。 設置されたパワーエックス製の蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger Standard」は、通常時の連続最大出力でも120kWという高スペックだが、ブーストモードを使用すればさらに30kW出力が高まり、最大150kWの出力を10分間にわたって得ることができる。充電可能台数は2台だ。 先述の通り、今回「Kobe BMW ハーバー神戸支店/MINIハーバー神戸」に設置された蓄電池型超急速EV充電器を皮切りに、今後、全国BMW・MINI販売店に設置が進められるパワーエックスの充電器。利用はBMW・MINIのEVオーナーに限定するのではなく、CHAdeMO規格の充電に対応したEVを所有するすべてのオーナーに開放されるのが嬉しい。 利用にあたってはパワーエックスが運営するそのほかのチャージステーションと同様に、「PowerXアプリ」の使用が前提となる。充電料金は充電した電力量に応じた従量課金制が採用されているものの、当面の間は「Try! PowerX」と呼ばれる利用促進キャンペーンにより、充電料金が実質無料となっている点が見逃せない。さらに、PowerXアプリに備わる事前利用予約機能で効率的に充電器を利用できるので、財布にも時間にも優しいのが特徴だ。 パワーエックスは今年5月に「麻布台ヒルズ」へ同型の蓄電池型超急速EV充電器を設置し、「BMW Destination Chargingプロジェクト」の一環として運用を開始している。今後はBMW・MINI販売店への充電設備の導入を通じて、EVユーザーにとって便利で安心できる充電インフラの整備に貢献していきたいとしている。

TAG: #BMW #MINI #パワーエックス #超急速充電器
TEXT:TET 編集部
2025年にEVメーカーへ変貌を遂げるジャガーに大きな弾み! フォーミュラEの製造部門とチーム部門のダブルタイトル獲得

2台の強さと速さが光ったシーズン10 2024年3月、東京ビッグサイトの周辺を舞台に日本初の四輪公道レースとして開催され、大きな注目を集めた電気自動車を使用したモータースポーツ「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」のシーズン10も、7月21日に最終ラウンド「ロンドンE-Prix」での2レースで、1月から続いたシーズンの各タイトルに決着がついた。 例年以上の接戦となったシーズン10(2024年1月13日から2024年7月21日まで)からは、開発が許されているリヤのモーターやギヤボックス、ディファレンシャルギアといったコンポーネントの製造メーカーに対し「マニュファクチャラータイトル」が新設され、2025年からオールエレクトリックブランドへ生まれ変わることを宣言し、今シーズンはジャガーTCSレーシングとエンビジョンレーシングの2チーム計4台に供給していたジャガーが、合計455ポイントを獲得して初代チャンピオンに輝いた。 同時にジャガーのワークスチームである「ジャガーTCSレーシング」は、ふたりのニュージーランド人ドライバーを擁し、全16レース中4勝、14回の表彰台フィニッシュに加え、レース中の最速タイムを7レースで記録、予選でも4回のポールポジションを獲得。強さと速さを兼ね備えたチームは、2位のチームに36ポイント差をつけ計368ポイントを獲得しチーム・ワールド・チャンピオンシップも制覇してみせた。 なお、ジャガーがモータースポーツの世界タイトルを獲得するのは、1991年のスポーツカー世界選手権(SWC)以来33年ぶりの出来事である。 今シーズン2台のマシンのシートを託されたミッチ・エバンスとニック・キャシディは、ともにニュージーランド出身のドライバーで、お互いをよく知る2ふたりだ。そのコンビネーションが存分に発揮されたのが、4月に行われた第8戦モナコE-Prix。 レース中に一時的なパワーアップが可能になるアタックモード。このモードはレース中にコースの外側に設けられたアタックゾーンを通り、1回起動させなければならないのだが、その分タイムロスが生じ後続マシンの急接近を許す。そのアタックモードの使用に際し、ふたりのニュージーランド人ドライバーは互いに後続を巧みにブロックし、僚友が十分なマージンを持ってコースに復帰できるよう手助けするチームプレイを見事に完遂してみせたのだ。 その結果、チームはワンツーフィニッシュを果たし大量ポイントを持ち帰ることに成功、選手権を大きくリードした。まさにモナコE-Prixの1戦は、今シーズンのチームチャンピオンを象徴するレースとなった。 ドライバーランキングでもミッチ・エバンスがモナコE-Prixでの優勝を含むシーズン2勝を挙げランキング2位、長年日本で活躍した僚友のニック・キャシディもシーズン2勝を挙げランキング3位を獲得。キャシディはエバンスを上まわる8度の表彰台獲得を記録したものの、レース中の不運にも泣かされることが多く、東京E-Prixの前後3レースでわずか4ポイントしか獲得できなかったのは痛手だった。 両ドライバーともドライバータイトルを射程圏に入れながら臨んだ最終ロンドンE-prixでは、エバンスは2レースで2位と3位を獲得しながらも、タイトルには惜しくも手が届かなかった。

TAG: #ジャガー #フォーミュラE #モータースポーツ
TEXT:TET 編集部
全長8m級の中型観光バスにもEVの波がくるか? EVモーターズジャパンが名鉄観光バスにEVバスを納入

環境負荷低減だけではない副次的なメリットも 福岡県北九州市に本社を構えるEVモーターズ・ジャパンは、全長10.5mの主要幹線向け路線バスから、全長8.8mの中型路線バス、さらには全長6.99mのコミュニティバスに、全長12mの観光バスまで、多種多様なEVバスをラインアップしている。 そのEVモーターズ・ジャパンから、このほど全長8.8mの中型観光EVバス(F8 series6-Coach)を1台、愛知県名古屋市の名鉄観光バスへ納車したことが発表された。 導入先の名鉄観光バスは、これまでもエコドライブの実施やアイドリングストップの励行など、環境負荷の低減に取り組んできた企業ではあるが、EVモーターズ・ジャパンから観光バスタイプのEVバスが発表されるやいなや、全国に先駆けて導入できないか興味を持ったのだという。 むろん環境対策だけで導入に至ったわけではなく、コスト削減メリットなど複合的な要素に基づいて判断がなされているのだが、導入することで意外なメリットが生まれたのだという。それは、今回の中型EV観光バスの導入は同社にとって初のEVバス導入にあたり、すなわち内燃エンジンを搭載したバスしか知らない同社社員にとって新たな挑戦となる。それにより社員のモチベーションが向上する副次的な効果をもたらすのだと名鉄観光バスは説明する。 いくら環境負荷の小さいEVバスとはいえ、それだけで導入できるほどバス会社も潤沢な予算があるとは言えない。スペックは重要だ。 導入された中型EV観光バスは、社内公募によりフランス語で「空(そら)」を意味する「CIEL(シエル)」と名付けられ、主に近郊の観光輸送をはじめ、イベントや行事で使用されることが想定されている。それには210kWhのバッテリー容量に、エアコンオフの状態で定速40km/h、負荷重65%で走行した場合の航続距離が280kmというこの中型EV観光バスのスペックは、必要十分と同社は判断したようだ。 EVモーターズ・ジャパンは、2025年の大阪・関西万博向けに大型EV路線バス「F8 series2-City Bus 10.5m」と小型EVコミュニティバス「F8 series4-Mini Bus」を計100台受注しているほか、東京都渋谷区のコミュニティバスにも採用された実績がある。しかし、今回は路線バスよりも柔軟な運用が求められる観光バスだけに、EVバスの真価が問われるかもしれない。今後のEV観光バスの普及につながるかに注目したい。

TAG: #EVバス #名鉄観光バス
TEXT:TET 編集部
次期ポルシェ・カイエンはフル電動モデルに! 内燃エンジン&ハイブリッドもポルシェは諦めない

フル電動モデルの実走行テストを開始 2024年7月26日、ポルシェはカイエンについて、今後3種類のパワートレインをラインアップすることを発表した。 第4世代のカイエンはフル電動モデルとなる。プロトタイプによる実走行テストはすでに始まっており、発売日までに厳しい条件のもと、数百万キロの走行を行う予定だ。 ポルシェAGのCEO オリバー・ブルーメは、「2025年頃には、第4世代のエレクトリックSUVがこのセグメントのスタンダードになるでしょう」と語っている。 ポルシェはエレクトロモビリティに積極的に取り組んでおり、オリバー・ブルーメによると、「私たちの製品戦略では、顧客の需要や世界の各地域におけるエレクトロモビリティの普及に応じて、2030年には新車の80%以上をフル電動化することが可能となる」という。 ベストセラーモデルであるカイエンの第4世代の導入は、完全な新規開発モデルとして、ポルシェにおけるエレクトロモビリティの拡大に大きく寄与することが目的だ。 カイエンのフル電動モデルは、800Vアーキテクチャを採用したプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)をベースに開発が進められている。 ポルシェAGの研究開発担当役員であるミヒャエル・シュタイナーは、「PPEアーキテクチャの柔軟性により、高電圧システム、パワートレイン、シャシーの各分野における最新技術を統合することができます。私達は、電動化の可能性を活用し、カイエンをさまざまな面、例えば走行性能の面で、まったく新たなレベルに引き上げます」と述べている。 開発目標には、ポルシェの特徴である走行特性に加え、大容量で安定した充電、高効率、そして高いレベルの快適性と日常的な使いやすさが掲げられている。 また、2030年代には、内燃エンジンモデルとハイブリッドモデルをラインアップする予定だという。これらは第3世代のカイエンに改良が施され、第4世代のフル電動化モデルと並行して販売されることになる。 現行カイエンについても今後、多額の技術投資によって開発が進められる予定だ。その中心はV8エンジンの効率向上で、将来の法規制にも対応できるよう技術的対策が施される。

TAG: #SUV #パワートレイン
TEXT:TET 編集部
メルセデス・ベンツ日本と千葉市が手を組んだ! 包括的な連携に関する協定を締結

EQE 350 4MATIC SUVを無償貸与 2024年7月24日、メルセデス・ベンツ日本(MBJ)ならびにメルセデス・ベンツ・ファイナンス(MBF)は、千葉市と包括的な連携に関する協定を締結した。 2024年1月、MBJ/MBFは本社を千葉市に移転。国家戦略特区であり国の「脱炭素先行地域」に指定されている千葉市に本社を構えることで、カーボンニュートラルに向けた取り組みやEVの普及活動の加速化を図っている。 今回の連携を機に、MBJ/MBFと千葉市はさまざまな分野で協業を進める。 脱炭素社会実現に向けて、MBJは千葉市へEQE 350 4MATIC SUVを1台無償貸与。また、イベントなどでの啓発や充電器設置の促進を通して、EVの普及を促す。 災害レジリエンスの向上については、EVなどを活用した災害時の体制整備や災害利用の啓発を推進。 幕張新都心をはじめとした千葉市のまちづくりに関しては、双方の事業や資源の連携によって、さらなる街の賑わいの創出や未来を担う人材の育成を図る。 文化・スポーツ面では、MBJが行う文化・芸術支援活動やスポーツ・スポンサーシップ活動を通じた取り組みなどによって、地域の活性化に取り組んでいく。

TAG: #千葉市 #協定
TEXT:TET 編集部
EVバスを導入したい自治体や事業者の救世主となるか!? ヒョンデ中型EVバスを2024年末までに国内投入

ヒョンデが「中型」EVバスを導入する理由 Hyundai Mobility Japan(以下、ヒョンデ)は、日本市場のニーズに合わせた中型のEV路線バス「ELEC CITY TOWN(エレク シティ タウン)」を日本の正規販売店を通じて、2024年末から販売を開始すると発表した。 ヒョンデは日本市場で2009年から大型観光バス「Universe(ユニバース)」を販売し、各地のバス事業者に納入してきた実績がある。また、近年のヒョンデは積極的にZEV(ゼロエミッションビークル)の開発を推進し、2022年にはEVの「IONIQ 5(アイオニック5)」とFCEV(燃料電池自動車)の「NEXO(ネッソ)」を日本市場で発売。商用車部門でも、2017年にEV路線バスの「ELEC CITY(エレク シティ)」シリーズを韓国で発売して以来、アップデートを重ねながらEVバスのラインアップを拡充させている。 そしてヒョンデは、2024年末にEV路線バスの「ELEC CITY」 シリーズの中型バスに相当する「ELEC CITY TOWN」を日本で発売する。韓国では環境対策としてEVやFCEVといった次世代バスの導入が積極的に進められており、とくに2020年以降は急速に登録台数が増加し、街で次世代バスを目にする機会が増えているという。韓国市場においてはいくつもの次世代バスメーカーが存在するものの、そのなかでもヒョンデは先進技術を持ったトップメーカーとして、大きなシェアを獲得しているそうだ。 地球温暖化対策としてCO2削減が世界的な課題となるなか、日本でも公共交通機関を運営する自治体や事業者においてもさまざまな取り組みが求められている。従来、バスの動力源といえばディーゼルエンジンが唯一の選択肢だったが、技術革新によりバス運行で求められる条件を満たせるEV路線バスが開発されるようになった。 今回、ヒョンデが国内に投入する中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN」は、郊外路線やコミュニティバスなど一定数の需要が見込めるマーケットだ。その一方で、日本においては有効な国内外のメーカーラインアップは限られている。公共交通機関を運営する自治体や事業者などにとって、環境問題に対応できる車両の導入は喫緊の課題ではあるものの、使用環境に適したバスの選択は難しい状況にあった。そこでヒョンデは中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN」を国内に投入し、身近なバス路線からCO2削減、環境問題への課題解決に貢献し、国内需要に応えていく構えだ。

TAG: #EVバス #hyundai #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
ホンダの電動ロボット芝刈機/草刈機「ミーモ」シリーズが大幅改良! 国内で年間500台のセールスを目指す

意外と長い「ホンダの芝刈機」の歴史 ホンダといえば四輪/二輪メーカーの枠に留まらず、「技術で人を幸せにする」という理念のもとに、汎用エンジンにより人々の生活をサポートする「パワープロダクツ」を多く生み出している企業だ。耕運機や発電機、船外機などがその一例であり、1970年代半ばには全世界で850万台ほどの市場規模を持っていた芝刈機の製造開発に着手したのもそのひとつだ。 1978年8月にホンダ初の歩行芝刈機「HR21」を発売し、年間33万台の好セールスを記録して以来、連綿と続くホンダの芝刈機。歩行型だけでなく、乗用タイプも広く普及している。また、変わった取り組みとして、乗用型芝刈機のギネス最速記録に挑み、時速187.6km/hの新記録を叩き出し、その後にも0-160㎞/hの加速タイムでギネス記録を獲得するなど、ユーモラスなプロモーション活動を行うことでも有名だ。 日本ではイメージがわきにくいが、ホンダによれば、欧州では自宅の庭の芝を綺麗に刈り、手入れの行き届いた庭を自慢しあう風潮があるそうだ。しかし、時代の流れとともに、庭の手入れにかける時間を家族との時間や庭で楽しむ時間そのものに充てたいというニーズが高まりをみせたことから、1995年に自動で庭の芝刈り作業を行うロボット芝刈機が登場。以来、改良を続けながら、2013年には全自動ロボット芝刈機の「Miimo(ミーモ)」を誕生させ、今日では競合ライバル機種を引き離して市場シェアを獲得しているのだとか。 そんなロボット芝刈機/草刈機の「ミーモ」シリーズに、改良モデルとなる芝刈機タイプの「ミーモ HRM2500 Live」と、草刈機タイプの「グラスミーモ HRM4000 Live」が発売された。 遠隔操作と複数台同時使用時の利便性向上 電動ロボット芝刈機/草刈機のミーモは、芝に設置された「エリアワイヤー」とよばれる作業エリアを識別するための信号を受信しながら、設定したプログラムに従って自動で芝刈を行う電動ロボット芝刈機/草刈機だ。 2017年に初代モデルである「ミーモ HRM520」を発売して以来、芝刈・草刈作業の省力化、効率化を実現する製品として高く評価され、公園などの公共施設や幼稚園、学校に加え、企業でも幅広く導入されているそうだ。 従来モデルで好評だった刈取性能や走破性はそのままに、新モデルではエリアワイヤーを識別する信号を1種類から4種類に増やし、隣接する複数の作業エリアを識別できるようになった。これにより、従来は2台以上のミーモ・グラスミーモを同時に使用する際に発生していた刈り残しが発生せず、より広範囲の芝刈り・草刈りを手間なく行いたいというニーズに対応する。 また、従来はグラスミーモのみに採用していた遠隔操作・監視機能を、新モデルでは新たにミーモにも標準搭載。専用アプリ「ミーモニター」をスマートフォンやタブレット端末などにインストールすることで、ミーモ・グラスミーモ本体と通信することができ、リアルタイムで作業状況の確認や作業指示、さまざまな設定変更が可能になる。 さらに、芝の養生などを目的として侵入頻度を下げる場所を設定する「スマートアイランドゾーン設定」や、天気データと連動して作業スケジュールを自動変更する「スマートタイマー設定」といった新たな機能も搭載し、より利便性が向上している。 デザインも「愛着、安心、信頼」をコンセプトに刷新。“なでたくなる曲線美”をテーマとした丸みのあるシンプルなフォルムを、タフさを表現したデュラブルグレーの全方位衝撃検知の全周バンパーで囲むことで、信頼感を感じられるスタイリングとし、両モデルとも安心して仕事を任せたくなるようなデザインに仕上げている。なお、両機の見た目は本体表面のロゴ以外ほぼ同一と言ってよい。 製品の主な特長は以下の通りだ。 ■作業性能・機能 ・芝・草の成長スピードや作業エリアの状況など、さまざまな条件に合わせて最適な作業内容が設定可能。 ・刈り高さは20~60mmの間で、芝刈機のミーモ HRM2500 Liveはダイアル式で無段階の高さ調整が可能。草刈機のグラスミーモ HRM4000 Liveは、アプリおよび本機のコントロールパネルで5ミリ単位の高さ調整が可能 ・エリア信号の種類を4種類に増やし、複数のミーモを隣接エリアで稼働する場合のエリア間の刈り残しを低減するほか、ショートカットワイヤー用の信号を追加。到達したワイヤーを識別することでルートを自動選択し、充電ステーションへの帰還時間を短縮することができる。 ・従来モデルでは特別な設定作業が必要だった狭路の走行を、ショートカットワイヤーの導入により設定の変更なしで行えるようになった。また、轍が発生しやすい狭路走行でも、轍の発生を抑制。 ・衛星測位システム「GNSS」の位置情報をもとに充電ステーションに向かって直線的に帰還する、スマートホーミング機能を新たに採用。これにより、エリアワイヤーに沿ったルート以外でも帰還が可能となり、繰り返しでの同一ルート帰還による轍の発生リスクを低減。 ・最大登坂能力25°の強力モーターと傾斜自律制御システムの搭載で、傾斜地や起伏のある場所でも高い走破性を発揮し、多様な作業環境に柔軟に対応。 ■耐久性・メンテナンス性 ・ブレードに360°回転するフリー刃を採用することで、石などの障害物からの衝撃を逃がす構造とし、刈刃の欠損や石飛びを抑制。また、フリー刃の回転方向を自動で制御し、刈刃の摩耗の偏りを抑えることで切れ味の良い状態を維持する。 ・グラスミーモは、水洗いも可能な防水システムを採用。刈刃面にも直接水をかけて草や汚れを落とすことができ、メンテナンス性を向上。 ■専用アプリ「Mii-monitor(ミーモニター)」 本体付属のTCU(Telematics Control Unit)とセルラー回線を介して、スマートフォンやタブレット端末に接続。専用アプリを通して以下の本体操作や作業状況の遠隔監視、各種設定が可能。 ・作業状況、バッテリー残量、位置情報の確認 ・AIスピーカーを使った音声操作 ・作業時間や刈高さ(グラスミーモ HRM4000 Liveのみアプリ対応)などの各種設定 ・異常が発生した場合や盗難などによる設定エリア逸脱時の通知機能 ・複数のMiimoの管理 ・衛星測位システム「GNSS」の位置情報を元に、物理的なエリアワイヤーの敷設なしに、侵入頻度を下げたいエリアを設定する新機能「スマートアイランドゾーン」の設定 ・天気データと連動して自動でミーモの作業スケジュールを設定する新機能「スマートタイマー」の設定 ・Bluetooth®接続によるリモコン操作 ホンダが発表した国内での年間販売計画台数は500台で、メーカー希望小売価格(消費税込み)は、芝刈機のミーモ HRM2500 Liveが56万8150円、草刈機のグラスミーモ HRM4000 Liveが67万8700円だ。 家庭用掃除機で急速に普及した一般向け電動ロボットではあるが、家電メーカーのみならずホンダをはじめとした各自動車メーカーも参入が相次いでいる。これも次世代モビリティ社会へ移行するひとつの流れなのかもしれない。

TAG: #パワープロダクツ #ホンダ #ロボット #芝刈機
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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