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TEXT:TET 編集部
ホンダの電動ロボット芝刈機/草刈機「ミーモ」シリーズが大幅改良! 国内で年間500台のセールスを目指す

意外と長い「ホンダの芝刈機」の歴史 ホンダといえば四輪/二輪メーカーの枠に留まらず、「技術で人を幸せにする」という理念のもとに、汎用エンジンにより人々の生活をサポートする「パワープロダクツ」を多く生み出している企業だ。耕運機や発電機、船外機などがその一例であり、1970年代半ばには全世界で850万台ほどの市場規模を持っていた芝刈機の製造開発に着手したのもそのひとつだ。 1978年8月にホンダ初の歩行芝刈機「HR21」を発売し、年間33万台の好セールスを記録して以来、連綿と続くホンダの芝刈機。歩行型だけでなく、乗用タイプも広く普及している。また、変わった取り組みとして、乗用型芝刈機のギネス最速記録に挑み、時速187.6km/hの新記録を叩き出し、その後にも0-160㎞/hの加速タイムでギネス記録を獲得するなど、ユーモラスなプロモーション活動を行うことでも有名だ。 日本ではイメージがわきにくいが、ホンダによれば、欧州では自宅の庭の芝を綺麗に刈り、手入れの行き届いた庭を自慢しあう風潮があるそうだ。しかし、時代の流れとともに、庭の手入れにかける時間を家族との時間や庭で楽しむ時間そのものに充てたいというニーズが高まりをみせたことから、1995年に自動で庭の芝刈り作業を行うロボット芝刈機が登場。以来、改良を続けながら、2013年には全自動ロボット芝刈機の「Miimo(ミーモ)」を誕生させ、今日では競合ライバル機種を引き離して市場シェアを獲得しているのだとか。 そんなロボット芝刈機/草刈機の「ミーモ」シリーズに、改良モデルとなる芝刈機タイプの「ミーモ HRM2500 Live」と、草刈機タイプの「グラスミーモ HRM4000 Live」が発売された。 遠隔操作と複数台同時使用時の利便性向上 電動ロボット芝刈機/草刈機のミーモは、芝に設置された「エリアワイヤー」とよばれる作業エリアを識別するための信号を受信しながら、設定したプログラムに従って自動で芝刈を行う電動ロボット芝刈機/草刈機だ。 2017年に初代モデルである「ミーモ HRM520」を発売して以来、芝刈・草刈作業の省力化、効率化を実現する製品として高く評価され、公園などの公共施設や幼稚園、学校に加え、企業でも幅広く導入されているそうだ。 従来モデルで好評だった刈取性能や走破性はそのままに、新モデルではエリアワイヤーを識別する信号を1種類から4種類に増やし、隣接する複数の作業エリアを識別できるようになった。これにより、従来は2台以上のミーモ・グラスミーモを同時に使用する際に発生していた刈り残しが発生せず、より広範囲の芝刈り・草刈りを手間なく行いたいというニーズに対応する。 また、従来はグラスミーモのみに採用していた遠隔操作・監視機能を、新モデルでは新たにミーモにも標準搭載。専用アプリ「ミーモニター」をスマートフォンやタブレット端末などにインストールすることで、ミーモ・グラスミーモ本体と通信することができ、リアルタイムで作業状況の確認や作業指示、さまざまな設定変更が可能になる。 さらに、芝の養生などを目的として侵入頻度を下げる場所を設定する「スマートアイランドゾーン設定」や、天気データと連動して作業スケジュールを自動変更する「スマートタイマー設定」といった新たな機能も搭載し、より利便性が向上している。 デザインも「愛着、安心、信頼」をコンセプトに刷新。“なでたくなる曲線美”をテーマとした丸みのあるシンプルなフォルムを、タフさを表現したデュラブルグレーの全方位衝撃検知の全周バンパーで囲むことで、信頼感を感じられるスタイリングとし、両モデルとも安心して仕事を任せたくなるようなデザインに仕上げている。なお、両機の見た目は本体表面のロゴ以外ほぼ同一と言ってよい。 製品の主な特長は以下の通りだ。 ■作業性能・機能 ・芝・草の成長スピードや作業エリアの状況など、さまざまな条件に合わせて最適な作業内容が設定可能。 ・刈り高さは20~60mmの間で、芝刈機のミーモ HRM2500 Liveはダイアル式で無段階の高さ調整が可能。草刈機のグラスミーモ HRM4000 Liveは、アプリおよび本機のコントロールパネルで5ミリ単位の高さ調整が可能 ・エリア信号の種類を4種類に増やし、複数のミーモを隣接エリアで稼働する場合のエリア間の刈り残しを低減するほか、ショートカットワイヤー用の信号を追加。到達したワイヤーを識別することでルートを自動選択し、充電ステーションへの帰還時間を短縮することができる。 ・従来モデルでは特別な設定作業が必要だった狭路の走行を、ショートカットワイヤーの導入により設定の変更なしで行えるようになった。また、轍が発生しやすい狭路走行でも、轍の発生を抑制。 ・衛星測位システム「GNSS」の位置情報をもとに充電ステーションに向かって直線的に帰還する、スマートホーミング機能を新たに採用。これにより、エリアワイヤーに沿ったルート以外でも帰還が可能となり、繰り返しでの同一ルート帰還による轍の発生リスクを低減。 ・最大登坂能力25°の強力モーターと傾斜自律制御システムの搭載で、傾斜地や起伏のある場所でも高い走破性を発揮し、多様な作業環境に柔軟に対応。 ■耐久性・メンテナンス性 ・ブレードに360°回転するフリー刃を採用することで、石などの障害物からの衝撃を逃がす構造とし、刈刃の欠損や石飛びを抑制。また、フリー刃の回転方向を自動で制御し、刈刃の摩耗の偏りを抑えることで切れ味の良い状態を維持する。 ・グラスミーモは、水洗いも可能な防水システムを採用。刈刃面にも直接水をかけて草や汚れを落とすことができ、メンテナンス性を向上。 ■専用アプリ「Mii-monitor(ミーモニター)」 本体付属のTCU(Telematics Control Unit)とセルラー回線を介して、スマートフォンやタブレット端末に接続。専用アプリを通して以下の本体操作や作業状況の遠隔監視、各種設定が可能。 ・作業状況、バッテリー残量、位置情報の確認 ・AIスピーカーを使った音声操作 ・作業時間や刈高さ(グラスミーモ HRM4000 Liveのみアプリ対応)などの各種設定 ・異常が発生した場合や盗難などによる設定エリア逸脱時の通知機能 ・複数のMiimoの管理 ・衛星測位システム「GNSS」の位置情報を元に、物理的なエリアワイヤーの敷設なしに、侵入頻度を下げたいエリアを設定する新機能「スマートアイランドゾーン」の設定 ・天気データと連動して自動でミーモの作業スケジュールを設定する新機能「スマートタイマー」の設定 ・Bluetooth®接続によるリモコン操作 ホンダが発表した国内での年間販売計画台数は500台で、メーカー希望小売価格(消費税込み)は、芝刈機のミーモ HRM2500 Liveが56万8150円、草刈機のグラスミーモ HRM4000 Liveが67万8700円だ。 家庭用掃除機で急速に普及した一般向け電動ロボットではあるが、家電メーカーのみならずホンダをはじめとした各自動車メーカーも参入が相次いでいる。これも次世代モビリティ社会へ移行するひとつの流れなのかもしれない。

TAG: #パワープロダクツ #ホンダ #ロボット #芝刈機
TEXT:TET 編集部
ホンダCR-Vが帰ってきた! 新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」が登場

燃料電池スタックを刷新 2024年7月19日、ホンダは新型燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」を発売した。燃料電池自動車の普及促進に協力する自治体や企業、一般ユーザーにリース形式で販売される。 CR-V e:FCEVは、日本の自動車メーカーが発売するモデルとしては初の、外部から充電できるプラグイン機能を持つ燃料電池自動車。FCEVの長い航続距離や水素の充填時間の短さはそのままに、家庭や外出先で充電できるプラグイン機能を加えることで利便性をさらに高めている。一充填走行距離は約621km、一充電走行可能距離は約61kmを実現。ベースは北米地域や中国などで販売されている6代目CR-Vだ。 SUVとしての安心感や快適性と操る楽しさを兼ね備えるCR-Vをベースに、モーター駆動によるFCEVならではのスムーズでトルクフルな走りを追求。重量物である水素タンク2本と大容量バッテリーを含むIPUを可能な限り低く、かつ車両中心近くに搭載する低重心レイアウトにより、重厚で上質な乗り味とリニアなハンドリングを実現した。 サスペンションには、入力に応じて減衰力を変化させ、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立する振幅感応型ダンパーを採用。細かな振動を吸収して快適な乗り心地を提供するとともに、コーナリングでは進入から立ち上がりまでコントロールしやすい優れた接地性を発揮する。 さらに、水素による発電電力と充電バッテリーからの電力を組み合わせて有効に活用する、エネルギーマネジメントモードを装備。日常走行ではバッテリーに蓄えた電気のみでEV走行、休日のレジャーなどではFCが発電する電力も合わせて長距離ドライブ、といった移動の用途や運転状況に合わせてエネルギーの使い方を選ぶことができる。「AUTO」「EV」「SAVE」「CHARGE」の4つから選択が可能だ。 フロントフェンダーに設置されたAC充給電コネクターは、日本と米国における普通充電の規格である「SAE J1772」を採用。普通充電は6.4kWに対応し約2.5時間で満充電が可能。また、AC200V電源に加えAC100V電源での充電にも対応している。 また、普通充電口に差し込んでAC100V電力が取り出せるAC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector」を標準装備。1500Wまでの消費電力に対応し、アウトドアなどのレジャーや停電時の電源として活用できる。 荷室内に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターには「Power Exporter e:6000」、「Power Exporter 9000」などの可搬型外部給電機を接続することで、最大で一般家庭の約4日分の電力を供給することも可能。災害時の非常用電源として、自宅や避難所、小規模のオフィス・店舗などで利用できるほか、排出ガスもなく音も静かなので、屋内のイベントなどにも活用できる。 コアとなる燃料電池(FC)スタックを刷新するとともに、補機類の合理化や低消費電力化を徹底。新構造のセルユニットの採用や生産性の向上などにより、CLARITY FUEL CELLに搭載されていた従来システムに対しコストを3分の1に削減した。また、耐食材料の適用や劣化抑制制御により、耐久性を2倍に向上させたほか、耐低温性も大幅に向上。このFCシステムは、ホンダとゼネラルモーターズ(GM)が共同開発し、両社の合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing, LLC(米国ミシガン州)で製造される。 パッケージングについては、歴代のCR-Vが培ってきたSUVならではのゆとりの空間を確保しながら、使い勝手のよさや安心感をもたらす工夫が施されている。 FCスタックを核とするFCシステムと、モーターやギヤボックス、PCUを一体化した駆動ユニットを組み合わせてフロントフード下に集約することで、居住スペースへの影響を最小化。 また荷室部分に設置された水素タンクを棚状の平らな面で覆い、この上面から荷室の後端まで収納スペースを広げることができるフレキシブルボードを設定した。荷室を上下2段に分けて使うことができる。 安全・先進機能の内容も充実。多くの国と地域で販売されるCR-Vは、世界トップレベルの衝突安全性能を目指して進化を続けてきた。その骨格をベースに、燃料電池システムや水素タンクなどの搭載構造を新開発し、車両重量の増加にも対応。優れた乗員保護性能に加え、水素や高圧電気に対する安全性も高い水準で確保している。 また、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備。渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)には加減速や電動パワーステアリング設定など、FCEVの特性に合わせた制御の最適化を行った。 さらにスマートフォン感覚でナビゲーションやオーディオなどの操作を快適に行える「Honda CONNECTディスプレイ」に、FCEVならではの機能を追加。水素ステーションの稼働状況がリアルタイムで分かる「水素ステーション検索機能」、充電に使用する電流量を調節することで、合計電力量を契約アンペア以下に抑制する「充電電流設定」、あらかじめ設定した水素残量になると自動で給電を停止し、車外給電などでの水素の使い過ぎを防ぐ「給電下限水素残量設定」など、充電/外部給電の使い勝手を最大限に引き出す便利機能を備えている。 ホンダ独自のコネクテッドサービス「Honda Total Care プレミアム」に加入することで、最大充電量設定、充電待機時間設定、お出かけ前タイマー設定といった機能も利用可能だ。 ボディカラーにはプラチナホワイト・パールとメテオロイドグレー・メタリックの2種類を用意。価格は税込み809万4900円。

TAG: #CR-V #FCEV #SUV #国産車
TEXT:TET 編集部
「ノート オーラ NISMO」がマイナーチェンジ! 初の4WDモデル「NISMO tuned e-POWER 4WD」が登場

BOSEサウンドシステムの選択も可能に 2024年7月18日、日産自動車は、6月にマイナーチェンジしたプレミアムコンパクトカー、ノート オーラをベースにしたノート オーラ NISMOを発売。 ノート オーラ NISMOは専用チューニングによる走行性能の高さや、空力性能とデザイン性を両立したスタイリングなどが好評を得ている。 今回のマイナーチェンジでは、NISMO専用チューニングの「NISMO tuned e-POWER 4WD」を新たに設定。標準モデルに対してリヤモーターの出力・トルクを向上するとともに、前後の駆動配分などに専用チューニングを施した。これにより、さまざまなシーンにおける旋回性能が向上。雨天や雪道などの滑りやすい路面においても、高いライントレース性を実現する。 また、ステアリング操作に対する応答の正確性を向上。少ない操舵でより速くクルマの向きを変えられることで、コーナーリングでクルマが外に膨らまず、安心感のある気持ちの良い旋回加速を可能とする。 強度を確保しながら軽量化を図った「NISMO tuned e-POWER 4WD」専用デザインのアルミホイールは、ホイールハウスの内圧を低減するデザインによって走行中にダウンフォースを発生させるなど、走行性能と空力性能に貢献。 エクステリアは「NISMO tuned e-POWER 4WD」の設定に伴い、電動4WDの先進性と高い空力性能を直感的に感じることができるものへと進化した。 NISMO専用のフロントグリルは、冷却性能と空気抵抗の低減を両立するフラッシュタイプのデザインとし、ボディとの一体感を高めている。グリル表面に施された硬質でモダンな印象のクリスタル・カットデザインは、光の移ろいによって美しく煌めく。 リヤバンパーもNISMO専用デザインだ。両端部に配されたエアスプリッターは、ボディサイドからの風を理想的に剥離。エッジが重なって見えるレイヤード・ディフューザーは床下からの風をきれいに流す形状になっており、空気抵抗の低減に寄与している。 ボディカラーは、NISMOロードカー共通のコミュニケーションカラーである「NISMOステルスグレー」をベースとした2トーンカラーをはじめ、全7色を用意。 インテリアでは、運転席の標準シートにパワーシート、メーカーオプションの「NISMO専用チューニングRECAROスポーツシート」にパワーリクライニング機能を搭載し、操作性を向上。 さらに、ベースモデルで好評の「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」がオプションとして選択できるようになった。 ノート オーラ NISMOの価格は、2WDの「NISMO」が307万2300円、4WDの「NISMO tuned e-POWER 4WD」が347万3800円(税込み)。

TAG: #NISMO #ノート オーラ #ノート オーラ NISMO
TEXT:TET 編集部
20万人以上が熱狂したホンダのeモータースポーツイベント! 「Honda Racing eMS 2024」の開催決定

激戦必至のeモータースポーツイベントが帰ってきた 昨年、初開催にして20万人以上の参加者を集め大いに盛り上がったeモータースポーツイベント「Honda Racing eMS(ホンダ・レーシング イー・モータースポーツ)」が、2024年も開催されることが決定した。 ホンダ・レーシング(以下、HRC)は、PlayStation®5(以下、PS5®)および、PlayStation®4(以下、PS4®)用ソフトウェア『グランツーリスモ7』(発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)を用いたeモータースポーツイベント、「Honda Racing eMS 2024」を開催する。2024年8月2日(金)~9月1日(日)にオンライン予選を行い、2024年12月1日(日)に東京都港区のHondaウエルカムプラザ青山で決勝大会が開催される。 予選に参加するだけでもプレゼントがもらえる Honda Racing eMSは、より多くの方々にモビリティを操る楽しさと、モータースポーツの感動を身近に感じてもらうことを目的に、ホンダのモータースポーツ活動を担うHRCが主催するeスポーツイベント。初開催となった昨年は、ふたを開けてみれば20万人を超えるeスポーツプレイヤーが参加する盛況ぶりとなった。2回目となる今年は、18歳以上が参加できる「Challengeクラス」の決勝大会出場資格を、国内在住者だけなく海外在住者にも与えることが発表された。これにより、国内外のトップeスポーツプレイヤーが集結する可能性が高まり、大会のレベルアップが期待される。 参加クラスはプレイヤーの年齢によって異なる。17歳以下が「U17クラス」、18歳以上が「Challengeクラス」に区分され、2クラスそれぞれの頂点を目指して予選から決勝まで行われる。なお、参加条件で下限年齢が決められており、6歳から参加が可能となるほか、PS5®用またはPS4®用ソフト『グランツーリスモ7』のオンラインプレイが可能な方に限られるので注意が必要だ。 とはいえ広く門戸は開かれているので、グランツーリスモ上で自分のスキルが全体でどのぐらいのレベルにいるのか確認する絶好の機会となる。さらに、予選に参加するだけで「グランツーリスモ7」で使える2024年スーパー耐久シリーズST-Qクラス参戦車両「Honda CIVIC TYPE R CNF-R」のリバリー(マシンカラーリングの意)と、ホンダのF1参戦60周年記念アバターがプレゼントされるというのだから、参加を迷っている暇はない。まずはエントリーだ。

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TEXT:TET 編集部
欧州市場に日産のNISMOモデルが復活! まずは「アリア NISMO」の導入から

激戦区の欧州市場にアリア NISMO導入 ヨーロッパ諸国で日産ブランドの販売を担う欧州日産自動車が、2024年6月から日本市場で発売を開始した「アリア NISMO(ニスモ)」を、近日中に欧州市場での販売を開始すると明らかにした。 今年で40周年を迎える日産のスポーツブランド「NISMO」の電気自動車としては、アリア NISMOが欧州市場に導入される初めてのEVモデルになると同時に、しばし途絶えていた欧州市場でのNISMOロードカーの販売が復活することも意味している。 アリア NISMOはベースモデルのアリアe-4ORCEに、NISMO専用の加速チューニングを施し、圧倒的な動力性能をさらに引き上げた、EV NISMOのフラグシップモデルだ。NISMOの性能コンセプトである「より速く、気持ち良く、安心して走れる車」に基づき、空力性能の高さと高次元のハンドリング性能で、走りの上質感を磨き上げている。 エクステリアデザインでもNISMOのデザインアイコンが随所にちりばめられ、日本的なデザインアプローチと相まって、ベースモデルからさらなるハイパフォーマンス化がなされていることを主張している。 欧州日産のマーケティング&セールス部門 専務執行役員のマイラ・ゴンザレス氏は欧州市場への導入にあたり、以下のようにコメントしている。 「NISMOブランドが欧州市場に戻ってきました。このエキサイティングなブランドを新しいモデルとともに欧州市場に再び導入します。ラインアップの電動化を推進するなかで、お客さまやNISMOファンに上質で魅力的なモデルを提供し続けることが重要です」 「日産アリア NISMOは、NISMO専用チューニングが生み出す高次元のハンドリング性能と爽快な旋回性、そして伸びのある加速性能が非常に高くバランスされているだけでなく、日常使いでも非常に快適なモデルです。その印象的なデザインと風格のあるプレゼンスは街中でひと際目を引くことでしょう」 フォーミュラE世界選手権で活躍を続ける日産およびNISMO。モータースポーツシーンでの活躍がブランド形成に効果を発揮する欧州だけに、今シーズン飛躍的に競争力を高めた勢いをそのままに、アリア NISMOを高セールスにつなげ、欧州でNISMOブランド復活の狼煙を上げられるか注目だ。なお、販売はベースモデルのアリアが販売されているすべての欧州市場が対象になるという。

TAG: #NISMO #アリア #日産
TEXT:TET 編集部
名古屋エリアに初登場したBMWのハイヤーはEVセダン! 名鉄タクシーグループが「BMW i5」を1台導入

スポーティかつエレガントな内外装のBMWハイヤー 愛知県の名古屋を拠点に、タクシー・ハイヤーを運行している名鉄タクシーグループの名鉄交通第三が、同グループの環境負荷軽減活動の一環として、2024年7月19日からBMWのEVセダン「i5 eDrive40 Excellence」1台をハイヤー車両として導入すると発表した。 名鉄タクシーグループは、環境負荷軽減活動の一環としてこれまでにも地域最大規模となる57台のEVをタクシーとして導入している。そして今回は環境負荷軽減に加え、訪日外国人を含む富裕層への営業強化ならびに環境問題に関心のある顧客への対応として、BMW i5 eDrive40 Excellenceが導入されることになった。 なお、名古屋の交通圏でタクシー・ハイヤーにBMWが選定されるのは今回が初めてになるという。 導入されるBMW i5 eDrive40 Excellenceは、2023年に販売が開始された高級EVセダンだ。BMWの象徴でもあるキドニーグリルをはじめ、スポーティかつエレガントな内外装のスタイリングを持つ。インテリアではラウンジ感を演出するドアパネルと一体化した形状の後部座席が、ワンランク上の快適性を実現している。ダッシュボードやシートなどには、本革に匹敵する高級感を持ち合わせた100%植物由来のヴィーガンレザーを使用しており、走行時のCO2排出ゼロだけでなく、内装でも環境への配慮を見せる。それでいながら広い車内空間や静寂性を備え、より快適な移動時間の提供が可能になるとは名鉄交通第三の弁だ。 名古屋を中心に、完全予約制のハイヤーとして運行を開始するBMW i5 eDrive40 Excellence。ビジネスシーンはもちろんのこと、中部国際空港と名古屋市中心部の往復や周遊観光利用など、ちょっと贅沢かつ快適な移動を望むなら予約を検討してみてはいかがだろうか。

TAG: #BMW #i5 eDrive40 #タクシー #ハイヤー
TEXT:TET 編集部
日本高圧電気とENEOSがEVトラックの未来を切り開く! 日本初のEV商用車向け充電ステーション実現のために「柱上設置型高圧受電設備」を開発

スペースが無い! 急速充電設備の要「キュービクル」を電信柱の上に設置して課題解決 愛知県の日本高圧電気は、ENEOSとの共同プロジェクトとして、日本初の「EVトラック対応の商用車向け共用充電ステーション」を設置し、東京都江東区のトラックステーションにて2024年7月から実証実験を開始したことを発表した。 ENEOSの抱える「スペース制約のため高圧受電設備の設置が困難」という課題に対し、配電機器メーカーの日本高圧電気は柱上高圧受電装置を提案。これにより、コンパクトかつ安全に高圧受電装置を設置することが可能になったという。 通常、急速充電設備を設置するには高圧受電設備(キュービクル)を用いるのが一般的だが、サービスステーションやトラックステーションのような場所では、安全性担保の観点から地面に高圧受電設備を置くことに多くの制約がある。また、トラックの出入りをスムーズにするため広いスペースを確保しなければならず、従来のキュービクルでは場所の確保が困難であるという課題があったそうだ。 その課題解決に向けて提案されたのが「柱上設置型高圧受電設備」で、いわゆる電信柱の上に高圧受電設備の機能を集約して取り付ける方式だ。これを採用することにより地上設備の設置面積を大幅に削減し、狭小な場所での運用を可能にしたという。 日本高圧電気は、「柱上受電という新しい受電の形を通じて、従来の設置スペースの制約を超え、より多くの場所で高圧受電設備を導入できるようになります。これにより、EVの普及が進み、クリーンエネルギーの利用拡大に寄与することが期待されます。日本高圧電気は、今後もクリーンエネルギーのさらなる利用促進に貢献したいと考えています。」と今回の取り組みについてコメントしている。

TAG: #ENEOS #EVトラック #充電ステーション #日本高圧電気
TEXT:TET 編集部
定額サブスクは法人ユーザーにもメリット大! KINTOがトヨタのPHEV4車種の取り扱いを開始

クラウンスポーツ、プリウス、ハリアー、NXの4車種を設定 自動車のサブスクリプションサービスを展開するKINTOは、多様化する顧客ニーズへさらにきめ細かく対応するため、2024年8月上旬からトヨタが販売しているプラグインハイブリッド車(PHEV)の取り扱いを開始する。 KINTOのサブスクリプションサービスは、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなど、カーライフにかかる諸費用を含めた月額利用料を支払い、車両を利用する仕組みだ。自動車販売店に加えて、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きを行うことができ、契約満了の際に車両の状態が基準を満たせば、原状回復費用を支払うことなく車両の返却のみで済む「手軽さ」が特徴のサービスになっている。 契約にあたってはふたつのプランが設けられており、「初期費用フリープラン」の場合、まとまった資金の用意が不要で、3・5・7年のなかから契約期間を選ぶことができる。一方、「解約金フリープラン」の場合は所定の申込金を支払うことで、3年の契約期間中の中途解約にかかる費用の支払いが不要となるプランだ。借主が個人なのか法人なのか、直近の3年でクルマの使用環境が変化する可能性が多いのか少ないのかによって、プランを検討すればいい。 これまでKINTOではガソリン車のほか、ハイブリッド車(HEV)およびバッテリーEV(BEV)を取扱ってきた。しかし多様化する顧客ニーズに対し、さらにきめ細かく対応するためにはラインアップを一段と強化する必要があると考え、この一環としてプラグインハイブリッド車(PHEV)を新しく加えることを決めたという。 対象はトヨタブランドのクラウンスポーツ、プリウス、ハリアーの3車種と、レクサスブランドのNXの計4車種となるが、今後トヨタが新たに発売するPHEVも順次追加していく予定だとしている。4車種の取り扱いは2024年8月上旬より開始し、月額などの情報は取り扱い開始日からKINTOのWEBサイトで公開される予定だ。 CEV補助金を申請するならプラン選びは要注意 なお、PHEVの4車種をKINTOで契約し、クリーンエネルギー自動車を購入した際に交付される「CEV補助金」を使う場合には、当該車両を4年保有することが国で義務付けているため、トヨタブランドについては、「初期費用フリープラン」の5年または7年のいずれかを選択のうえで、顧客自身で補助金の申請をする必要がある。一方で、レクサスブランドについては、KINTO側で契約期間が3年と定められていることから、CEV補助金の交付条件から外れ、補助金を申請することができないので注意が必要だ。 余談ではあるが、KINTOで扱われるトヨタのEV専用モデル「bZ4X」は、2024年8月以降はそれまで契約期間が10年しか選べなかったものが、PHEVと同様に3・5・7年から選択できるように改善がなされる。むろんCEV補助金を申請する場合は、5・7年の契約が必須となるのも、PHEVと同様だ。 法人顧客がKINTOで得られるメリットとは? KINTOのサービスは、個人ユーザーだけでなく、PHEVのカーリースを検討中の法人や個人事業主の顧客のニーズにも対応しているという。主に経理面でメリットがあり、諸費用を一括した月額を支払う仕組みだから支出管理がシンプルになると同時に、カーリースと同様、月額を経費計上して損金扱いすることで、スムーズな会計処理につながるのだ。ただし、顧客の財務状況や車両の使用方法によって、メリット・デメリットが異なるため、契約にあたっては会計士や税理士に事前確認するようKINTOは呼びかけている。 さらに、法人ユーザーについては、社用車として利用する際の保険の補償対象を、役員や直接雇用関係にある職員とその家族まで広範囲に設定しているほか、人員に増減が発生しても契約内容をそのまま継続できるなど、メリットが豊富だという。顧客ごとに専任の担当者が付き、申込みの相談から利用中のサポートまでを担う「KINTOカスタマーセンター 法人サポートデスク」も設けられているなど、きめ細かなサービスが展開されている。 KINTOというと、サービス開始当初の宣伝イメージから、まとまったお金を用意しにくい若者が定額サブスクによって新車を無理なく乗れる新サービス、というイメージを抱きがちだが、実際には、今回触れている通り法人・個人事業主が経理上のメリットを享受できるサービスでもある。 PHEVの追加で既存のトヨタ、レクサス、スバル各ブランドのラインアップにも厚みが増す。この機会にKINTOを再考してみてはいかがだろうか。

TAG: #KINTO #PHEV #サブスク
TEXT:TET 編集部
EV用充電器を潮風から守れ! 耐塩害ボックス付き充電器をアウディジャパンがまさかの自社開発

本気でEVの充電環境を考え自社開発 アウディは、EVの利便性を向上させるために独特なアプローチを行っているブランドだ。 インポーターのアウディ ジャパンは、現在独自に8kW普通充電器の設置を全国で進めており、6月末時点で103か所202基の設置が完了している。また、急速充電器としては、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェのBEVオーナーを対象に提供する、最大150kWの急速充電ネットワーク「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)」を国内ディーラー網で展開し、さらに都市部のユーザー向け蓄電池型超急速EV充電施設「Audi charging hub(アウディチャージングハブ)」の運営も行うなど、各地のニーズと環境に準じた充電ネットワークの拡充を行っている。 そんなアウディ ジャパンがEVの利便性向上の次なる一手として発表したのが、海辺に設置する電気自動車(EV)用充電器を塩害から守るボックス付き充電器だ。しかもなんと自社開発だというから恐れ入る。 この耐塩害ボックス付き充電器が設置されたのは鹿児島県屋久島の「THE HOTEL YAKUSHIMA Ocean & Forest」というホテルの一角だ。アウディは2023年7月に、屋久島町とアウディ正規ディーラーを運営するファーレン九州の3者間で包括連携協定を結んでおり、その一環で島内の4か所に7基の8kW普通充電器を寄贈している。 そのうちの1か所である「THE HOTEL YAKUSHIMA」には普通充電器が2基設置されているものの、雄大な東シナ海を望む海岸沿いに建つホテルだけに、EV充電器の設置には塩害を防ぐ対策が必要だった。何せ潮風に含まれる塩分は、電気機器を腐食し劣化させてしまう恐れがあり、機器の不具合の原因となりかねないからだ。 そこでアウディ ジャパンは充電器の設置を拡大するだけでなく、各地域の自然と共存できるような設備を整えることが、EVを普及させる上でも大事なことであるとしており、専門家のアドバイスやガイドラインを参照して、自社で「EV充電器用耐塩害ボックス」を開発してしまったのだ。 ボックスには、SUS(304)というニッケルを多く含んだ耐食性に優れたステンレス鋼板が採用されている。また、塩害を防ぐ強力な特殊塗料を塗布し、潮風の塩分から充電器を守る工夫を施している。海岸沿いの屋外駐車場という立地条件から、吹き付ける強風にも耐えられるよう、充電器をアンカーボルトで強固に固定する対策も行っている。 一方で、充電の利便性を損なわないよう、ボックス中央部に開口部を設けて充電ケーブルを通し、ボックスの扉を閉めたままでの充電を可能にしている。開口部にはブラシを付けることで、充電時のケーブルの動きにも対応できるよう工夫がされている。 同ホテルでは、先の包括連携協定の一環として、アウディの電気自動車「e-tron」のレンタカーサービスを運営しており、今回耐塩害ボックス付き充電器を設置したことで、屋久島での電気自動車の利便性のさらなる向上が期待できるとしている。 アウディ ジャパンはEVを販売するだけでなく、購入後の利便性や常日頃目にする細部のディテールにまで気を配り、地域性や環境を考慮したブランディングがなされている。それはまさに「ブランドは1日にして成らず」を地で行く地道な活動だ。

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TEXT:TET 編集部
ミニキャブEVを日本郵便から3000台の大量受注! 郵便配達を支え続けた11年の三菱の実績が実る

先代「ミニキャブミーブ」の納入実績は驚異の5000台以上 2024年7月8日、三菱自動車が日本郵便から集配用の車両として、同社のワンボックスタイプ軽商用電気自動車「ミニキャブEV」を3000台受注し、2024年秋から順次納入を開始すると発表した。 日本郵便には「ミニキャブEV」の先代モデルである「ミニキャブミーブ」を、2013年から5000台以上納入してきた実績がある。そのミニキャブミーブは、2023年12月に新型の「ミニキャブEV」に進化を遂げ、駆動用バッテリーは電池容量を旧型比で25%向上させたほか、モーターとインバーターを一体化構造にするなど、効率向上を図って航続距離を35%向上させている。 今回の新型ミニキャブEVの大量受注に至った背景には、これまで約11年にわたって従来型のミニキャブミーブを使用してきた実績と、それに基づいた性能向上が盛り込まれたモデルチェンジが為されていること、この2点が大きく影響しているはずだ。 何せ先代ミニキャブミーブは12年間で約1万3000台が製造され、そのうち5000台以上が日本郵便に納入されているのだから、三菱自動車が大口顧客にとって使いやすいクルマに仕上げ、再度受注を狙ってくるのは当然のことであろう。 「ミニキャブEV」は、ルート配送に十分な航続距離180km(WLTCモード)を実現している。大容量の荷室空間をもち、重い荷物を積載した場合でも、滑らかで力強いモータードライブでキビキビと走行することができる。 さらに、CO2を含めたガスをまったく排出しない環境性能だけでなく、閑静な住宅街での集配でも音を気にする必要のない静粛性の高さや業務時間内の給油の手間を省ける利便性などが、日本郵便では好評を博しているという。ラストワンマイルの課題解決に貢献するとともに、温室効果ガス排出量の削減を目指す日本郵便の環境マネジメントの推進にも寄与するという。 三菱自動車の加藤隆雄社長は、日本郵便へのミニキャブEV大量納入にあたって、次のようにコメントしている。 「現在、世界中で急速に進んでいる脱炭素社会にむけた取り組みへの対応を求められています。この度、日本郵便さまより新たに3000台のご契約をいただいたことは、長年ご使用されるなかで高い評価をいただけた結果と認識しており、大変ありがたく思います。今後も当社は、電動車の開発・生産・販売を行うだけでなく、電動車への共感を広げる活動を通じて普及活動に取り組み、持続可能な社会の構築に貢献していきたいと考えております」 日本郵便では集配用車両の電動化だけでなく、日頃、各家庭に郵便配達を行うバイクの電動化も急速に進めている。住宅街でひっきりなしにストップアンドゴーを繰り返すバイクの音は、少々耳障りに感じる面もあったが、電動化により劇的に騒音が改善されたと感じている。ルート配送の集配車両であっても、全国津々浦々に郵便局を構える日本郵便だけに、EVによる騒音低減は我々の住環境にとって非常に効果的でありがたい。 業界に先駆けEVの軽商用車を設定した三菱自動車と、それを今日も変わらず採用を続ける日本郵便の姿勢を評価したい。

TAG: #ミニキャブ・ミーブ #ミニキャブEV #三菱 #日本郵便 #軽商用EV
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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