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TEXT:TET 編集部
いよいよ今秋に日本上陸! Jeep初の100%電気自動車「アベンジャー」の発表日と車両詳細が明らかになった

ティザーサイト第二弾でさらに詳細な情報とローンチイベント開催も判明 2024年秋の発表が予告され、すでにティザーサイトがオープンしているジープ初の100%電気自動車「アベンジャー」について、より詳細な情報と日本での発表日が明らかとなった。さらに、発表に合わせTENDRE氏とYonYon氏を特別ゲストに招いた特別イベント「アベンジャーローンチパーティー」が開催されることも明らかになっている。 まず、このジープブランド初のEVが日本で発表される日だが、これは2024年9月26日に決まった。グレードは「Altitude」と「Launch Edition」の2種類がまずはラインアップされる模様。ふたつのグレードでは航続距離にほんの僅かな違いが生じるようだが、主な違いはエクステリアに集約されそうだ。アベンジャーのイメージカラーといえるサンメタリックに彩られたローンチエディションは、Aピラーからルーフ後端にかけてブラック塗装となり、スポーティかつ精悍な佇まいを見せる。 車体寸法は全長4105mm、全長1775mm、全高1595mmと、現行のジープのラインアップではもっともコンパクトな「レネゲード」よりさらにひとまわり小ぶりになり、都市部での取りまわしはすこぶる良さそうだ。最高出力は115kw(156馬力)、最大トルクは270N・m(27.5kgm)で前輪を駆動する。 バッテリー容量にあたる総電力量は54kWhで、WLTCモードでの一充電走行距離は486km。CHAdeMo急速充電にももちろん対応している。 エクステリアは見まごうことなきジープのそれで、アイコンの7スロットルグリルはEVになっても健在だ。さらに、ボリューム感のあるフェンダーとスキッドプレートがジープらしいタフさを強調している。 一方のインテリアはセンターに10.25インチの大型タッチパネルが据えられほかは、シンプルかつクリーンな印象を受ける。だがそこにはジープらしい遊び心が散りばめられているとティザーサイトでは示唆しているので、どんなギミックが隠されているのかは、9月26日の実車発表で探してみることにしょう。 「ジープたるもの悪路を走ってナンボ」という考えはもはや前時代的かもしれないが、伝統のブランドの悪路走破性はEVであろうが抜かりはない様子。アプローチアングルとデパーチャーアングル、それに車両の最低地上高の確保はしっかりなされているうえに、6つの走行モードと、急な下り坂でも速度を一定に保つ「ヒルディセントコントロール」を装備しているというから、十分に期待できるだろう。 さらに、シティユーザーが歓迎する各種の安全運転支援機能も、ここでは書ききれないほど充実していることがティザーサイトでは見て取れるので、ぜひサイトを一度覗いてみてほしい。 さて、そんなジープ初の100%EV「アベンジャー」の日本での発表だが、9月26日の発表当日には19時から東京の港区虎ノ門にある「TOKYO NODE」でミュージシャンのTENDRE氏とYonYon氏を特別ゲストに招き、「アベンジャー・ローンチ・パーティー」と呼ばれる特別イベントが開催されることになった。 参加にはイベント特別サイトから申し込みが必要なので、ジープ初のEVを誰よりも早くその目で確かめ、そして華々しいデビューを祝いたいという方は迷わずサイトを訪れてみてほしい。 ジープ自らが「こんなに楽しい、頼もしいEVがあっただろうか。Jeepの本気を注ぎ込んだ、Jeep史上初のEVがいよいよこの秋登場」と自信満々に煽るアベンジャー。2023年の欧州カー・オブ・ザイヤーに選ばれた実力車だけに、いまから発表が楽しみで仕方がない。 ■ジープ・アベンジャー ティザーサイト https://www.jeep-japan.com/avenger.html ■「Avenger Launch Party」特別サイト https://jeep-real.jp/model/avenger/2024/

TAG: #アベンジャー #イベント #ジープ #ティザー
TEXT:TET 編集部
最新のZEVが市民生活を支える豊橋市! 今度はヒョンデからFCEVの「ネッソ」が貸与された

ヒョンデのZEV公用車は「アイオニック 5」に続いて2台目 ヒョンデは2024年8月8日に、同社の水素電気自動車(FCEV)である「NEXO(ネッソ)」1台を、「電動車災害派遣協定」を結んでいる愛知県豊橋市に、新たな公用車として無償貸与したことを発表した。 2023年4月、船舶で輸送されてきた車両を陸揚げ後、全国へ配送する前に日本市場向けの仕上げ作業を行う新車整備センター(PDIセンター)を豊橋市に設置したヒョンデは、翌2024年1月29日に同市と「電動車災害派遣協定」を締結した。この協定は、すでに報じられているとおり、ヒョンデの主力EVである「アイオニック 5」を1台、公用車として寄贈すると同時に、災害発生時は市内のPDIセンターから「アイオニック 5」とEVコンパクトSUVの「コナ」を提供し、移動式の電源として災害現場で活用してもらおうというものだ。 ヒョンデと豊橋市にこのような関わりがあるなかで、豊橋市の脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、二酸化炭素を排出しないFCEVの「ネッソ」の無償貸与が新たに決まった。豊橋市は「ネッソ」を導入することにより、市民や職員の環境に対する意識を高めていくとともに、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進していく予定だという。 また、貸与車両を用いて、豊橋市の行うさまざまなイベントや公用の際に広く活用されていくことが期待されている。 豊橋市はヒョンデとの「電動車災害派遣協定」以外にも、災害発生時の電源確保としてメルセデス・ベンツから電気自動車の「EQS」が貸与される協定を先ごろ結んだばかりだ。なぜ豊橋市ばかり輸入車メーカーのEVを貸与または派遣提供されるのか。 じつは日本に輸入される輸入車の約半数は豊橋市の三河港で陸揚げされている。それに付随してヒョンデをはじめ、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲングループ、ボルボなどがPDIセンターを豊橋市内に構えている。ゆえに地場産業といえるインポーター各社のPDIセンターと豊橋市の結びつきは強く、このような災害派遣協定が結ばれ、各社のEVが市民生活を支えてくれるというわけだ。 ヒョンデは、今回のネッソの貸与に際し、「PDIセンターの設置と災害時派遣協定、車両の寄贈と無償貸与だけでなく、さらに幅広い提携関係を豊橋市と構築して行きたいと考えております。また、ヒョンデはゼロ・エミッションビークル(ZEV)の普及を通じて、さらに地域社会との連携を強化してまいります」とコメントしている。 アイオニック5にネッソ、コナ、それにEQSも。ここまで最新のEV、ZEVが市民生活を支援してくれる市町村が他にあるのだろうか。豊橋市民がうらやましい限りだ。

TAG: #ネッソ #ヒョンデ #災害 #豊橋市
TEXT:TET 編集部
ヒョンデのEVに乗ってハワイを満喫! ヒルトンとの協業プログラム「Hyundai Mobility Passport in Kona」がスタート

ハワイでヒルトングランドバケーションズに泊まるなら絶対お得な試乗体験 ヒョンデとタイムシェア・リゾートの企画・開発・販売・運営を行うヒルトングランドバケーションズ(以下、HGV)が、国境を越えた価値体験の提供に向け、第一弾となるプログラム「Hyundai Mobility Passport in Kona」をハワイ時間の7月29日(月)より開始した。 このプログラムは、ヒョンデの日本法人であるHyundai Mobility Japanと、HGVが新たに協業して行うもので、ハワイにある指定のHGVリゾートに宿泊する日本人の顧客を対象として実施される。プログラムの特典は、ヒョンデのEVコンパクトSUV「KONA(コナ)」の名前の由来となっているハワイ島で、ヒョンデのEV「コナ」と「アイオニック 5」を2〜3日間試乗体験できることだ。豊かな自然のなかでドライビングを愉しむ特別な時間が、電気自動車への関心を高めるきっかけになればと企画され、約1年にわたる長期キャンペーンプログラムになっている。 なお、プログラムへの参加には、公式WEBサイトの専用ページから事前予約が必要となるほか、いくつかの諸注意があるので一度サイトをご覧いただきたい。 ヒョンデとHGVの協業による最初の取り組みとして、このプラグラムを実施する狙いは、旅行という特別な時間に最新のEV試乗体験を提供することで、EVへの関心を高めるきっかけを創出すること、そして両社が提供するプレミアムな顧客体験の提案を行うことだ。 ヒョンデの本拠地である韓国のプログラムでは、特定期間に韓国国内で「コナ」、「アイオニック 5」、「アイオニック 5 N」、「アイオニック 6(日本未導入)」を購入し、メンバーシップ販売説明会に参加したヒョンデ車オーナーに対して、ハワイ諸島にあるヒルトンホテルやHGVのリゾートに3日間宿泊できるキャンペーンへの招待を予定しているという。だから何もHGVとの取り組みは、日本固有のキャンペーンというわけではなく、ヒョンデ全体にわたってブランド力を高める戦略のひとつだといえそうだ。 このプログラムを通じてヒョンデは、「人気観光地であるハワイ島での体験価値がより豊かになることで、日本国内でもブランドイメージ向上に寄与できることを心から期待しています。ぜひこの機会に、ヒョンデとHGVが日本のお客様ひとりひとりに提供する特別な旅行体験をお楽しみください」とコメントしている。 ハワイ旅行でヒルトングランドバケーションズのリゾート施設に泊まるなら、島内観光の移動手段としてこのプログラムを利用するのは便利だし、コスト面でもうれしい。ただし、ヒョンデのEVの魅力にどっぷりハマってしまう可能性は十分に有り得るので、その覚悟は前もってしておくといいだろう。なぜなら帰りの機内でヒョンデの公式サイトで見積もりを取っているはずだから。 ■Hyundai Mobility Passport in Kona プログラム概要 体験期間:2024年7月29日(月)〜 2025年8月31日(日) 対象者 :ハワイ島の指定 HGV リゾートに宿泊の日本人顧客 対象車両:コナ / アイオニック 5 ※対象車両は予告なく変更される場合あり 特典  :2~3日間のEV試乗体験を提供 <指定HGVリゾート> – キングスランド・ヒルトングランドバケーションズクラブ – ザ・ベイクラブ・ ヒルトングランドバケーションズクラブ – コハラスイーツ・ヒルトングランドバケーションズクラブ – オーシャンタワー・ヒルトングランドバケーションズクラブ <注意事項> ※プログラムサイトからの事前予約が必要 ※サービス料(保険料、税金、およびメンテナンス費用など)として、アイオニック 5は$100、コナは$80が発生するほか、EV充電費用も別途必要となる ※特典は、HGVの会員は3日間、非会員は2日間の試乗体験が提供される ※時期と場合によっては予約可能な台数に限りがある

TAG: #アイオニック5 #キャンペーン #コナ #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
Cd値0.21の驚愕ボディで航続距離は750km超え! アウディの新型EV「A6 e-tron スポーツバック/アバント」が本国デビュー

スポーツ性と効率性を兼ね備えた革新的モデル アウディは、上海モーターショー2021で披露した革新的な電動自動車「Audi A6 e-tron」シリーズの量産モデルを、ドイツ本国で2024年9月から発売すると発表した。これには、エレガントでスポーティなセダン「Sportback」と、実用性を重視したワゴン「Avant」が含まれ、高性能モデルのS6 e-tronも同時にラインアップされる。 A6 e-tronは、アウディのPPEプラットフォームにおいて、フラットフロアコンセプトを採用した初めてのモデルで、とくに高い効率性と優れたドライビング性能、革新的な機能が特徴の最新EVだ。 アウディ史上最高のCd値0.21を実現したエクステリア A6 e-tronは、力強いボディデザインと流線型のプロポーションが特徴で、フロントにはスリムなデイタイムランニングライトとワイドなグリルを搭載。メインヘッドライトと先進運転支援システム(ADAS)のセンサー類、エアインテークなどは、フロントグリルを囲むようにレイアウトされたダークマスクのなかに統合配置され、存在を感じさせないデザインが施されている。 低いボディとダイナミックなルーフラインは、アウディのデザイン哲学を体現し、クアトロブリスターと呼ばれるフェンダーラインは彫刻的で筋肉質な形状で、アウディの代名詞であるクアトロ(四輪駆動)を強調している。 なお、エクステリアカラーは最大8色が用意される予定だが、一部はS line仕様とSモデル専用カラーになる模様だ。 歴史的に空力性能に強いこだわりを見せるアウディは、このA6 e-tronにおいても例外なく神経を研ぎ澄ませており、Sportbackモデルはアウディ史上もっとも優れたCd値0.21を実現。また、Avantモデルにおいても0.24という極めて良好な数値を達成している。 これには空力的に最適化された冷却エアインテークやフロントホイール前方の3Dバンプ、密閉性の高いアンダーボディやリヤディフューザー、エアロホイールの採用など、見た目の大小を問わず細部にわたって空力を突き詰めた結果である。オプションのバーチャルエクステリアミラーはそのハイライトであり、車両の前面投影面積を減少し、空気抵抗係数を改善している。 ホイールも空力性能を意識した「エアロホイール」として開発され、標準装備の19インチのファイブアームダイナミックホイールのほか、S lineにはグラファイトグレーの20インチ「ファイブスポークトライポッドデザイン」のホイールが標準装備される。アウディスポーツ製の6パターンを含み、最大21インチ径のホイールまで全9種類のオプションホイールが設定された。 デザイン性が高く安全性向上にも寄与するLED LEDを視覚的な効果と安全性に活かすアウディの取り組みは、このA6 e-tronにおいても変わらない。マトリックスLEDヘッドライトとデジタルデイタイムランニングライトは力強く印象的だが、注目はリヤライトにある。リヤのデジタルOLEDライトには、近接検知機能が搭載され、コミュニケーションライトの役割を果たす。 様々な点灯パターンで事故や故障を周囲に知らせるほか、特定の点灯パターンのテールライトシグネチャーとともに警告シンボルを表示し、危険な運転や交通上の警告を後方車両に送る機能を有している。LEDをデザインアイデンティティに活かしながらも、安全性に最大の効果をもたらすあたりは如何にもアウディらしい。

TAG: #A6 e-tron #セダン #ワゴン #新車
TEXT:TET 編集部
フィアット「600e」のティザーサイトを公開! 車両情報や楽しいコンテンツが盛りだくさん

「600e」登場を記念したキャンペーンやイベントも開催中 2024年8月1日、ステランティスジャパンはフィアットブランドの電気自動車「600e(セイチェント・イー)」の国内発売に先立ち、ティザーサイトを公開。 「600e」は、アイコニックなイタリアンデザインに快適性、革新性、テクノロジーを詰め込んだコンパクトハッチバックのEVだ。 ティザーサイトでは2024年9月10日の国内発売に先駆けて、商品情報、キャンペーン情報、イベント情報などを公開している。 また、発表を記念したプレゼントキャンペーンも実施している。ティザーサイトからの応募で、1組2名に「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」の1泊2日の宿泊券、100名に「フィアット オリジナル カードケース」がプレゼントされる。 申し込み期間は2024年9月23日(月)まで。 さらに、2024年9月10日(火)から23日(月・祝)まで、二子玉川ライズ ガレリア(東京都)にて「FIAT CIAO 600e FESTA」が開催される。 車両展示、FIAT CAFFÉ、600eの特別試乗会やFIATオリジナルグッズの販売などを実施予定。その他さまざまなコンテンツを企画中だという。 開催日時や場所など、詳細はティザーサイトをチェックしてほしい。

TAG: #FIAT #コンパクト #ハッチバック #輸入車
TEXT:TET 編集部
万が一のときにはEQSが市民の生活を守る! メルセデス・ベンツ日本が豊橋市と「災害時等における電気自動車からの電力供給に関する協定」を締結

非常用電源として活用できるEVを貸与 2024年8月2日、メルセデス・ベンツ日本合同会社は、愛知県豊橋市と「災害時等における電気自動車からの電力供給に関する協定」を締結した。 メルセデス・ベンツ日本は、台風や地震などの大規模災害が発生した際、豊橋市が指定する避難所などに電気自動車EQSを貸与する。これにより避難所などの円滑な運営に貢献する。 貸与車両のEQSは車外へ電力を供給できる双方向充電が可能で、外部給電機器を接続することで蓄電池として利用できる。大規模な停電の際には、車両に充電された電気を家庭や避難所などに送る予備電源としても利用可能だ。 EQS のバッテリー容量は 107.8kWh。一般的な4 人家族の平均的な電力使用量を1 日あたり 13.1kWh・月 400kWh とした場合、バッテリー残量 10%になるまでのシミュレーション試算でEQSのバッテリーで賄える電力量は、一般的な家庭の電力消費量であれば最大約7日分となる

TAG: #災害 #電力供給
TEXT:TET 編集部
マイバッハのブランドで初となる電気自動車! 「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」が登場

マイバッハならではの極上の乗り心地を提供 2024年8月1日、メルセデス・ベンツ日本合同会社は、メルセデス・マイバッハブランドから初の電気自動車「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」を発売した。価格は税込み2790万円。 マイバッハ EQS SUVはEQS SUVをベースに、高級感のある専用のフロントマスクやツートーンペイント、アルミホイールなどを採用。ひと目でマイバッハとわかるエクステリアとなっている。 軽い力で確実にドアを閉めることができるドアクロージングサポーター、ディスプレイ操作でドア開閉ができる電動コンフォートドアなど、快適性や利便性を高める機能を採用。 インテリアは上質な素材を大胆に使用したウッドパネルや植物由来原料で加工したナッパレザーシート、MBUXハイパースクリーンやMBUXリアエンターテインメントシステムを標準装備し、ラグジュアリーかつ快適な移動空間を実現した。 また、Burmester 4Dサラウンドサウンドシステムにより、迫力あるサウンドを提供。Dolby Atmosにも対応した15 のスピーカーが4次元サウンドを生み出す。助手席および後席の乗員も、4Dサウンドをヘッドフォンのオーディオコンテンツで体感することができる。 オプションのファーストクラスパッケージを選択すると、後席をさらに快適な空間にすることが可能。ウッドトリムを用いたセンターコンソールは、マイバッハEQS SUVのファーストクラスパッケージのために再規格されたデザインだ。独立した左右後席の間には、専用シャンパングラス収納部と脱着可能な大型クーリングボックスを装備。センターコンソールには格納式テーブルと温度調整機能が備わったカップホルダーが配置されている。標準装備されているシートベンチレーターに加え、ファーストクラスパッケージを追加することでセンターアームレストヒーターも装着される。 走りに関しては前後アクスルに電動パワートレイン(eATS)、電気モーターには永久磁石同期モーター(PSM)を採用。PSMはACモーターのローター(回転子)に永久磁石が取り付けられているため、ローターには通電の必要がない。電気モーターは三相の巻線をふたつ備える六相式を採用しているため、きわめて強力。最高出力は658馬力[484kW]、最大トルクは955N・mを発生。WLTCモード一充電走行距離は640kmだ。トルクシフト機能によってフロントとリヤの電気モーター間で駆動トルクの連続可変配分が行われるため、前後駆動力配分はつねに効率的かつ最適化されている。 足まわりには連続調整ダンパーADS+を備えたAIRMATICエアサスペンションを標準装備。最大 35mm車高を上げることができる。 大きなボディ、長いホイールベースを持つマイバッハ EQS SUVだが、リア・アクスルステアリングが標準装備されているため、コンパクトカー並みに容易に扱うことが可能。最小回転半径は 5.1mだ。リア・アクスルステアリングはステアリング操作だけではなく、ブレーキやサスペンションなどの車両ダイナミクスコントロールに統合制御されている。

TAG: #マイバッハ #発売
TEXT:TET 編集部
大胆にして流麗で超豪華! キャデラックのラグジュアリーコンバーチブルEV「ソレイ」が未来のビスポークデザインを示す

モダンなデザインをオープンエアのフォルムで提供する キャデラックが新たなコンセプトカー「ソレイ(SOLLEI)」を発表した。このモデルは、ラグジュアリーコンバーチブルEVの究極のデザイン表現として、キャデラックの未来のビスポークデザインの可能性を広げることを目指して開発されている。 デザインと機能 「ソレイ」は、キャデラックのアイコニックな55インチのピラー・トゥ・ピラースクリーンを搭載し、威風堂々としたインテリアとエクステリア・ライティング・コログラフィ、そして直感的なフロントとリヤのコマンドコンソールを装備した2+2シートのコンバーチブルEVだ。 車名の「ソレイ」は太陽(「SOL」)とレジャー(「LEI」)に由来し、キャデラックのゆったりとしたオープンエアを楽しむライフスタイルからインスピレーションを得てデザイン表現がされている。 「ソレイ」は、キャデラックのコンセプトカーとしては初めてバイオテクノロジー企業のマイコワークスと共同開発した革新的なバイオベース素材を採用している。マイコワークス社のファイン・マイセリウム™は、菌糸体(キノコの根の構造)から作られた素材で、再生可能な自動車資源として注目されているもので、コンソールの充電マットやドアポケットに使用し、キャデラックの持続可能性への取り組みを体現している。 エクステリアの見どころ 「ソレイ」のエクステリアデザインは、キャデラックの伝統的で大胆なプロポーションを引き継ぎつつ、流麗でダイナミックなボディラインを描いている。低く伸びやかなボディは、ワイドなスタンスと長いクーペドアによって強調され、広いリヤシートへのアクセスを容易にしている。 途切れの無いサーフェスと伸びやかなAラインは車体の長さを際立たせ、低いテールデザインと相まってダイナミックでありながら流麗なプロポーションを生み出している。ミッドボディラインはヘッドライトからテールランプをシームレスに繋げ、調和のとれたデザインとして統一されながら、ドアハンドルをボタン式にすることで、すっきりとしたボディラインに仕上げている。 それらの大胆かつ流麗なエクステリアを際立たせるボディカラーは、1957年と1958年のキャデラックモデルに採用された「マニラ・クリーム」が用いられ、職人の手作業による塗装が施されている。

TAG: #EVコンバーチブル #キャデラック #コンセプトカー #ビスポーク
TEXT:TET 編集部
原付に乗っているなら要注目! ホンダの電動二輪「EM1 e:」 都内在住者を対象に500名の大規模モニター募集

2か月間のモニターで電動二輪車の使い勝手をリサーチ 2050年のカーボンニュートラル実現を目指すホンダは、四輪にとどまらず二輪においても2040年代にすべての製品でのカーボンニュートラル実現を目指している。 その第一歩として、使用環境がある程度限定される商用ユーザーに向けて、「BENLY e:」をはじめとしたHonda e: ビジネスバイクシリーズを2019年から投入。2023年には「GYRO CANOPY e:」が発売されたことで、現在は3モデルがラインナップされるに至っている。 それまで法人向けの販売に留まっていた同シリーズも、2023年6月からは一般向けに全国のホンダ二輪EV取り扱い店で発売が開始されるなど、バイクの電動化を着々と進めてきた。そして2023年8月24日には、一般向けに原付免許で運転が可能な電動二輪パーソナルコミューター「EM1 e:」が満を持して発売された。 電動バイクには最高速によってEB(電動自転車、最高速度25km/h以下)、EM(電動モペット、最高速度25~50km/h)、EV(電動車、最高速度50km/h以上)という3つのカテゴリーがある。ホンダによれば、グローバルでの市場需要規模は約5000万台で、その大半を中国のEMとEBが占め、他国でも徐々に市場が拡大しているというから、ホンダが日本でいうところの原動機付自転車、スクーターに相当するEMを二輪の電動化に向けたファーストステップに選んでいることにも納得ができる。 その一般向けEM車両の1号機が「EM1 e:」というド直球なネーミングであることも微笑ましい。 その「EM1 e:」だが、現在東京都内に在住している方を対象として、モニター募集を8月18日まで専用サイトで受け付けている。動力用電源に「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」と呼ばれる交換式バッテリーを用いたEM1 e:を、約2か月間にわたって500名のモニター参加者へ貸出することで、電動二輪車の日常における使い勝手について意見や要望を収集するのが目的。 そして、今後の製品の使いやすさや機能の向上などにつなげ、さらなる電動二輪車の普及に向けて取り組んでいくと、ホンダの国内における二輪総合販売会社であるホンダモーターサイクルジャパンは説明している。 巷では電動キックボードをはじめとした電動パーソナルモビリティに対し、その複雑さゆえに理解されづらい交通ルールとマナー違反が相まって、厳しい目が向けられている。一方で免許制かつ従来から使用されてきた原付スクーターの枠組みで乗れる電動二輪のEM1 e:なら、日頃エンジン車の原付に乗っているユーザーにとっても受け入れやすいモビリティではないかと思う。 2025年11月以降には50ccエンジンに対して新たな排ガス規制が適用されることが濃厚視され、原付バイクもいよいよ生産終了かと取り沙汰されている。大げさかもしれないが、終焉を迎えようとする原付に対し、未来を見据えるEMへひと足先に触れ、今後のプロダクト開発の一端を担うのもモビリティ好きの在り方ではないだろうか。興味のある読者はぜひモニターに応募してもらいたい。 <EM1 e: モニター募集概要> ・貸出期間 EM1 e:を引き渡された日から60日間 ・募集期間 2024年8月5日(月)から8月18日(日) ・当選案内 2024年8月下旬 ・募集人数 500名 ・応募要件 EM1 e:を運転できる免許を保有している方 モニター契約締結日時点で住民登録地が東京都(島しょ部除く)にあり、お住まいの方 別途、ホンダモーターサイクルジャパンが定める応募要件を順守いただける方 詳細およびモニター申し込みについてはHondaホームページ内「EM1 e: モニターキャンペーン サイト」を確認していただきたい。 https://www.honda.co.jp/moto-monitor/EM1e/

TAG: #EM1 e: #ホンダ #電動バイク #電動モビリティ
TEXT:TET 編集部
BMW/MINIディーラーに150kW級の超急速充電器を設置! powerXアプリで実質「全EVユーザーが無料利用」の大盤振る舞い

CHAdeMOを全EVオーナーに開放 大型蓄電池の製造・販売やEVチャージステーションのサービス展開を行っているパワーエックスは、モトーレン神戸が運営するBMW正規販売店「Kobe BMW ハーバー神戸支店/MINIハーバー神戸」に、蓄電池型の超急速EV充電器を設置したことを発表した。これは、BMW・MINI販売店では初の設置事例となる。今後は全国各地のBMW・MINI販売店のうち、数十店舗に同様の充電器を設置していく予定だというが、注目すべきはその利用対象者がBMW・MINIオーナーに限定されないということだ。 設置されたパワーエックス製の蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger Standard」は、通常時の連続最大出力でも120kWという高スペックだが、ブーストモードを使用すればさらに30kW出力が高まり、最大150kWの出力を10分間にわたって得ることができる。充電可能台数は2台だ。 先述の通り、今回「Kobe BMW ハーバー神戸支店/MINIハーバー神戸」に設置された蓄電池型超急速EV充電器を皮切りに、今後、全国BMW・MINI販売店に設置が進められるパワーエックスの充電器。利用はBMW・MINIのEVオーナーに限定するのではなく、CHAdeMO規格の充電に対応したEVを所有するすべてのオーナーに開放されるのが嬉しい。 利用にあたってはパワーエックスが運営するそのほかのチャージステーションと同様に、「PowerXアプリ」の使用が前提となる。充電料金は充電した電力量に応じた従量課金制が採用されているものの、当面の間は「Try! PowerX」と呼ばれる利用促進キャンペーンにより、充電料金が実質無料となっている点が見逃せない。さらに、PowerXアプリに備わる事前利用予約機能で効率的に充電器を利用できるので、財布にも時間にも優しいのが特徴だ。 パワーエックスは今年5月に「麻布台ヒルズ」へ同型の蓄電池型超急速EV充電器を設置し、「BMW Destination Chargingプロジェクト」の一環として運用を開始している。今後はBMW・MINI販売店への充電設備の導入を通じて、EVユーザーにとって便利で安心できる充電インフラの整備に貢献していきたいとしている。

TAG: #BMW #MINI #パワーエックス #超急速充電器
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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