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TEXT:TET 編集部
1台につき「1700万円超」の補助金! EV路線バス「ヒョンデ・エレクシティ タウン」がJATAの導入補助金事業の対象車両に認定

ヒョンデが加わり対象車両メーカーは10社に 2024年末の発売を予定しているヒョンデのEV路線バスシリーズ「ELEC CITY(エレクシティ)」の中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN(エレクシティ タウン」が、公益財団法人 日本自動車輸送技術会(略称:JATA)から「補助対象車両」として認められ、1台当たり1769万2000円の補助金が交付されることが、ヒョンデから発表された。 JATAの補助金事業は、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、日本国内のCO2排出量の約2割を占めるという運輸部門の脱炭素化を図るため実施されるものだ。その運輸部門のCO2排出量の4割を占めるといわれるトラック・バス由来のCO2排出量を削減するために、環境省による令和5年(2023年)度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業)の交付決定(令和5年4月3日付)を受けて、JATAが環境配慮型先進トラック・バスを導入する事業者に対して購入補助金を交付する。 これにより、バス事業者や自治体が補助対象車両のEVバス、プラグインハイブリッド(PHEV)バス、燃料電池(FCV)バスの導入、および電気自動車用充電設備の設置(ただし本補助事業による車両導入と一体的に行われるものに限る)する際にかかる経費の一部が補助されるのだ。 補助金を受けられる補助対象車両メーカーはJATAのホームページで確認できる。ヒョンデが補助対象に加わったことで、現在10メーカーが顔をそろえる。1台あたり約1770万円というヒョンデ「エレクシティ タウン」の補助金額は、一見するととんでもない額に思えるかもしれないが、補助金の額は各車まちまちで車両本体価格や車体サイズも異なるだろうから、一概にヒョンデの補助金が多いというわけでもなさそうだ。 日本のバス車体規格ガイドラインに準拠し、日本市場のニーズに合わせて開発された「エレクシティ タウン」は、リチウムイオンバッテリーを搭載し220km以上の航続距離を確保している。車両安定装置(VDC)や、乗客の乗降時に死角となるエリアの障害物を感知する「SEW-Near」を標準装備するなど、安全装備が充実している。 いわゆる「2024年問題」と呼ばれる運輸業界の労働環境変化に対応するため、車両管理の省力化を実現するOBD2コネクタを介したテレマティクスサービスの導入準備や、車両故障や修理対応の時間削減を目標に、部品の翌日納品率95%以上を目指した在庫体制など、ソフトの面でもヒョンデは事業者をサポートしていくとしている。 ハード・ソフトの両面でEV路線バス導入事業者の負担軽減を目指す「エレクシティ タウン」が補助金の対象車両になったのは、ヒョンデにとって間違いなく追い風だろう。2024年末の発売に弾みがつきそうだ。

TAG: #EVバス #hyundai #エレクシティ #ヒョンデ #補助金
TEXT:TET編集部
沖縄県のレンタカー店「BYD ドルフィン」を大量導入! じつは浅からぬ関係の沖縄とBYD

130台もの大量導入に至った背景とは? 「ありかも、BYD」のキャッチフレーズで乗用EVの積極的な展開を進めるBYDが、D&Dホールディングスの100%子会社で、事業者向けレンタカー業務を行うバンクレンタカーに、コンパクトEVの「ドルフィン・ロングレンジ」を計130台導入した。 実際に車両を運用するのは、D&Dホールディングスの関連子会社であるエバーグリーンモビリティと、D&Dマネージメントの2社だ。いずれも沖縄県内の店舗で8月29日からレンタカーとして運用を開始している。 エバーグリーンモビリティが運営する「エイビスバジェット・レンタカー 那覇空港店」では、2024年3月から試験的に10台のドルフィン・ロングレンジをレンタカーとして導入していた。今回はそれに次ぐ導入にあたり、90台を加えて計100台体制での本格運用に入る。なお、先行導入した10台は豊見城市と災害時の緊急電源として、避難所などに提供する協定を結んでおり、追加の90台についても同様に提供していく予定だという。 D&Dマネージメントは、2023年7月からBYD正規ディーラーである「BYD AUTO 沖縄」を運営しているが、今回のレンタカーに関しては「バジェット・レンタカー 石垣空港店」と「バジェット・レンタカー 宮古空港店」などで運用されるという。 BYDのEVが大量投入されることになった理由は、沖縄の自然環境保護にほかならない。しかし、排気ガスが出ず環境負荷が小さいからといって、電費を気にしながら沖縄県内を走りまわっていたら、レンタカー利用者は気疲れしてしまうが、そこは心配無用だ。 一般社団法人沖縄しまたて協会がまとめた「レンタカープローブデータを用いた観光交通特性調査」では、沖縄県内のレンタカーの平均走行距離は287.7kmという結果が報告されている。実際ドルフィン・ロングレンジを本格導入する前におこなった試験運用では、多くの利用者は経路充電を利用していないのだという。すなわち、クルマを返却するための充電を除けば、クルマを借りてから返すまでの間に、充電を気にする必要がないということだ。これにより、ドルフィン・ロングレンジは沖縄県内での運用に十分な航続能力が備わっていることが実証され、今回の大量導入につながった。 数字が示す沖縄でのBYD人気 じつはBYD、沖縄県とは浅からぬ関係にある。2017年に大型EV観光バス「K8」を10台導入したのを皮切りに、日本市場専用に開発されたコミューターサイズの小型EVバス「J6」は、これまでに沖縄県の自治体が計19台採用している。絶対数でいえばまだまだ数が少ないEVバスだが、これまで300台余りを導入し国内シェア8割を獲得したBYDの実績から考えれば、沖縄県の導入台数はその約1割にあたり、全国でもEVバスの導入に積極的な自治体が多いことがわかる。 一方の個人向け乗用EVは、2023年3月に「BYD AUTO 沖縄」がオープンして以来、2024年8月までに県内で236台の登録があったという。これも2023年1月から始まったBYDの乗用EV販売開始以来、2024年8月までに全国で2700台ほどの登録があったことを考えると、全国47都道府県のなかでも、沖縄でBYDが人気なことがうかがい知れる。 なお、BYDとしては、今回のEVレンタカー130台の導入により、県内外の多くの人にEVを体験してもらい、良い印象をもって今後のEV選びでBYD製を選択してもらえることが目標だとしている。また、レンタカー利用が終了したあとの車両は、今年から始まった認定中古車制度の基準に照らし合わせて、手ごろに乗れるEVとして全国の正規ディーラーで中古車販売がなされる予定だという。 BYDは公共交通の一端を担うEVバスと、個人利用が主となる乗用EVの双方で、沖縄の自然環境保全に対して地道に貢献してきている。その貢献に対し、ひとりでも多くの利用者が「ありかも、BYD」と思ってもらえたら、感慨もひとしおだろう。

TAG: #BYD #EVバス #ドルフィン #レンタカー #沖縄県
TEXT:TET 編集部
ヒョンデの野心的な中長期戦略「ヒョンデ・ウェイ」発表! 2030年までに年間販売台数555万台を実現しそのうちEVは200万台を目指す

エネルギー転換時代に世界のリーディングカンパニーへ 自動車ブランド「ヒョンデ」を抱える韓国のHyundai Motor(現代自動車)は、2024年8月28日に新たな中長期戦略「Hyundai Way」を発表した。 「2024 CEO Investor Day」と題されたイベントにおいて発表されたヒョンデ・ウェイでは、自動車製造にとどまらず、さまざまなモビリティ分野に進出することで、ゲームチェンジャーとしての地位を強化すると発表。エネルギー事業者としての役割を強化し、水素社会を実現することで、エネルギー転換時代にグローバルトップクラスのリーダーシップを維持できる企業へと生まれ変わることが明言された。 しかし、現代自動車が水素社会の実現に向けて突き進むからといって、自動車ブランドの「ヒョンデ」も水素一辺倒に転換するのかといえば、そうではない。EVとハイブリッド車の競争力を強化するため、バッテリー内製化に向けた取り組みや自動運転技術の進化、さらに既存エンジンを活用したレンジエクステンダー方式のEVを市場投入することでの価格競争力や、新興国市場対応など、あらゆる側面から変化するモビリティ社会に対し、柔軟に対応していくことが強調された。 発表内容をすべて網羅すると膨大な量になってしまうため、当記事では主にモビリティ分野に特化し、「Hyundai Way」における重要なトピックスを「新型EV車の市場投入計画」、「次世代向けハイブリッドシステムの導入」、「バッテリー製造の内製化」、「自律走行車の開発」、「水素技術開発」の5つの項目に分けてお伝えしたい。 新型EV車の市場投入計画 概要は次の通りだ。 ・2030年までに、2023年比30%増の世界年間販売台数555万台を目指す ・2030年までに世界で年間200万台のEV販売を目指す ・一充電航続距離が900kmを超える新EVである「EREV」の新モデルを北米と中国に導入予定 ・2030年までに、手頃な価格帯から高級車、高性能車に至るまで、全21車種のEVフルラインアップを揃える 2023年に世界年間販売台数が421万台に達し、世界の自動車メーカーのトップ3入りを果たしたヒョンデ。2030年までにはそれを555万台まで伸長させ、そのうち200万台がEVになるという未来を描く。 しかし、ヒョンデ自身は直近のEV需要減速を自覚しており、レンジエクステンダー方式(エンジンで電気を発電しモーターで走行する方式)のEVを投入することで、高価なバッテリーの搭載容量を減らして価格競争力を確保する。これにより、誰しもがEVならではの走行性能を手軽に体感できる環境を整え、将来のEV需要が回復した際には、消費者が自然にEVへ移行できる下地づくりを目指すとしている。なお、ヒョンデはこのレンジエクステンダー方式のEVを「EREV」と呼び、航続距離は900㎞以上を目指して開発中だ。 この戦略は日産がたどった道とも類似している。世界初の量産EVとして「リーフ」をデビューさせ、そののちにレンジエクステンダー方式の「e-power」を搭載した「ノート」で一気呵成にEVの普及とシェア拡大を強めた。今回の「Hyundai Way」では、BEVの「アイオニック5」をはじめとしたEVでイメージ作りをしっかり行ったうえで、2026年末までを目標に北米と中国でEREVの生産を開始し、2027年には本格的な販売に移行して量産EVメーカーとしての地位を確保する構えだ。なお、このEREVは北米市場向けにヒョンデブランドとその上級ブランドであるジェネシスから、それぞれDセグメントSUVとして世に送り出され、8万台以上の販売を目指すことが公表された。 また、ヒョンデは現在低迷中のEV需要が回復する時期を2030年と見込んでいる。それまでに生産能力の増強を行い、北米では2024年に、韓国でも2026年に新工場が立ち上げられる予定だ。 「EV は交通手段の未来ですが、すべての顧客が切り替える準備ができているわけではないことを認識し、顧客の好みに積極的に対応しています。そのため、ICE(内燃エンジン)、ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)、EV、水素燃料電池車など、さまざまなパワートレインを提供し続けていきます」とヒョンデは中長期戦略を語っている。 次世代向けハイブリッドシステムの導入 ひとつめの説明ですでに長くなってしまったので、ここからは駆け足でお伝えしたい。 現在コンパクトカーや中型車を中心に7車種で展開するハイブリッドシステムを、大型車や上級ブランドのジェネシスまで計14車種に倍増させる。なお、ジェネシスはEVのみのモデルを除いた全車種でハイブリッドが選択可能になるという。 同時に、次世代ハイブリッドシステム「TMED-Ⅱシステム」を搭載した量産車を2025年1月にデビューさせる予定だ。そして、この強化されたハイブリッド機能を活用して、ハイブリッド車の販売台数を2028年までに2023年比で40%以上の増加となる133万台を目標としている。このうちハイブリッド需要が急増するとヒョンデが予想する北米では、2030年までに販売台数を69万台に増やす計画だ。

TAG: #Hyundai Motor Group #ヒョンデ #事業戦略 #現代自動車
TEXT:TET 編集部
EVに関心があっても導入に踏み切れないタクシー事業者多数! 広島でbz4Xを導入した事業者の陰に「電脳交通」の存在あり

「電脳交通」とは何者か? 徳島県に本社を構える電脳交通が、広島県の「よしじまタクシーグループ」に属する吉島タクシーと大竹交通のEVタクシー導入にあたって、その導入支援として情報提供および要望に基づいた提案を行い、パートナー企業である三菱オートリースとの連携からトヨタbz4Xをグループ全体で3台導入し、2024年8月23日からの運行を実現させた。 電脳交通とは、倒産リスクを抱えていた実家のタクシー会社を、ネットを活用した集客や低価格で導入できるソフトウェアを駆使したローコストオペレーションの構築などで経営再建に結び付けた近藤洋祐氏(現・電脳交通代表取締役)が、その経験をもとにITエンジニアの坂東勇気氏(現・電脳交通 最高技術責任者)とタクシー業界のDX化を加速させて企業体力の強化をサポートするために業務支援ツールを開発したのを機に立ち上げたタクシー会社発のベンチャー企業だ。 現在はクラウド型タクシー配車システムや配車業務委託サービスなど、タクシー業界全体のコスト削減や人手不足を補うITソリューションの開発と人的サービスの提供支援を生業としている。そのひとつに「EVタクシー取次サービス」というタクシー事業者向けサービスが存在する。 EVの導入に関心はあるものの、運用への懸念を持っているタクシー事業者は多く、電脳交通がタクシー事業者144社に実施したアンケート調査では、6割以上がEVタクシーに関心を持っていると回答した一方、具体的な商談に関心があるのは3割以上に留まったと語るのは、電脳交通の事業開発部部長の滝川浩司氏だ 。 そこで、電脳交通がもつオートリース事業者や自動車メーカーとの提携実績から、EVタクシーの導入に向けた情報提供や導入先の課題抽出、要望の聞き取りなどを行い、導入を支援するために生まれたのがこの「EVタクシー取次サービス」だ。このサービスを介してEVタクシーの導入事例が増え、具体的な運用が共有されることで、EVタクシーがより普及していくと電脳交通は考えている。 今回、このサービスにより、電脳交通が三菱オートリースに取次を行いEVタクシーの導入を実現したのが、広島県内でタクシーを運行する「よしじまタクシーグループ」だ。 よしじまタクシーグループが考えるEV導入のメリットとは? 導入のきっかけは、電脳交通からのEVタクシーに関するアンケートFAXだったと語るのは、よしじまタクシーグループ取締役の木本慎吾氏。当初は「EV車をタクシーにするのは無理だ」「充電の運用が不安」「導入コストが高い」といった否定的なイメージを持っていたそうだ。しかし、電脳交通や三菱オートリースとの出会い、試乗会の参加、すでにEVタクシーを導入しているタクシー事業者との交流を通じて、導入のハードルが下がったという。 導入の最大の目的は、地球環境への配慮だ。また、ガソリン価格の高騰に加え、LPガスも物価高騰の影響で値上がりしている。全国的にガススタンドの廃業が進んでおり、ガススタンドがないエリアも出てきた状況を踏まえると、これらの問題解決にはEVタクシーの導入が必要だと感じたという。同時に今回の導入が経費削減にも繋がることを、同社は期待している。 また、よしじまタクシーグループ代表取締役の木本弘三氏は、環境面に加え広島県の観光立県を目指すなかでEVの導入を約3年前から進めていたと語る。今回は3台のEVタクシー導入ではあるが、これが世界遺産の宮島・厳島神社や風光明媚な瀬戸内を抱える広島県の自然環境保護につながるきっかけになれば本望だろう。 導入されたEV3台はすべてトヨタのbz4Xだ。よしじまタクシーグループは長年トヨタ車を愛用しており、「トヨタだから」という信頼感が選定理由のひとつになっているという。さらに、SUVタイプで広い車内空間と快適性を備えており、広島を訪れるインバウンド観光客のニーズにも対応できるのも理由だ。 タクシー業界は慢性的な人手不足に直面しており、この問題は経営の危機に直結する。今回のEVタクシーの導入を通じて、業界が前向きな方向に進むとともに、「このクルマに乗ってみたい」「このクルマを運転してみたい」と思う人が増えることを期待しているそうだ。とくに若い世代がタクシー業界に興味を持つきっかけになればと同社は願っている。 コロナ禍の厳しい経営状況を経て、今度はオーバーツーリズムが叫ばれるほどのインバウンド需要で事業の急速な縮小拡大に迫られたタクシー業界。さらには折からの物価高騰によるランニングコストの増大。EVはこうした変化に対しての救世主となり得るのか。今後の動向に注目したい。

TAG: #bZ4X #タクシー #よしじまタクシーグループ #広島県 #電脳交通
TEXT:TET 編集部
買っていきなりレースを走るだと!? ヒョンデ「アイオニック5 N」の記念すべき納車第1号オーナーの声

日本での納車第1号オーナーの購入きっかけは試乗会 2024年6月5日から日本での販売が開始されたヒョンデのハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N(アイオニック5 N)」の納車が8月27日から開始された。 これにともない、納車第1号となるオーナーにヒョンデがインタビューを実施したので、その模様をお伝えしたい。 電動化時代にも変わらない「ドライビングの愉しさ」を追求した「アイオニック5 N」は、ハイパフォーマンスモデルならではの性能やさまざまな機能が搭載されたモデルだが、実際に購入したユーザーには高性能車を好むレース経験者から、家族でも毎日の走りを愉しみたいと考えるユーザーまでいるようで、じつに間口の広いハイパフォーマンスEVになっているそうだ。 今回、ヒョンデ・カスタマー・エクスペリエンス・センター横浜で、「アイオニック5 N」の記念すべき日本納車第1号となったオーナーに対し、納車を祝うセレモニーが開催された。オーナーの小峰さんは、5月に大阪府泉大津で開催された「アイオニック5 N」の試乗会において、そのパフォーマンスの高さに感銘を受けて購入を決意したのだという。では、オーナーご本人に「アイオニック5 N」の印象や今後の展望をうかがおう。 ひとことでまとめると「遊べるクルマ」それがアイオニック5 N ──なぜ今回ハイパフォーマンスEVの「アイオニック5 N」を選んだのでしょうか? 「仕事の営業⾞として使う、家族と旅⾏に⾏く、といった普段使いもできることが前提にありつつ、サーキットでも⾛れる部分に魅⼒を感じて購⼊しました。さらに、アイオニック5 Nはセッティングを簡単にカスタマイズできること、また、この値段でここまでのスペックのクルマはほかにないと思い、絶対に購⼊したいという気持ちがありました」 ──では、初めて試乗した際の印象はいかがだったでしょうか 「率直にサーキット仕様だなと感じました。搭載機能のひとつであるドリフトモードなど、サーキットでどこまでも⾃由に遊びたくなります。感想をひとことでまとめると『遊べるクルマ』です。じつは、試乗する前にアイオニック5 Nを予約していたのですが、乗り⼼地と実際の車体の⾊味を確認するため、試乗を 2 回⾏いました」 ──今後している特典やプログラムはありますか? 「このクルマのさまざまな機能に対して理解を深めるため、⾛⾏会やオーナー会を企画してもらえたら、ぜひ参加したいです。購⼊したほかのオーナー仲間の皆さんと、トルク配分や⾛⾏設定について、どんなセットが良かったのかなどを定期的に情報交換できることを楽しみにしています」 オーナーはレースへの参戦も計画! ──9月28日に富士スピードウェイで開催される電気自動車のレース『EV GP第5戦』に、このアイオニック5 Nで参戦されるとうかがいました 「今回のレースにはアイオニック5 Nが3台出場するという話を聞いているので、そのなかで1番になりたいです。さらに、富士のコースはほかのクルマでも走ったことがあるので、これまでのベストタイムを目指せるよう頑張ります」 ──ずばり、EV GPで勝つにはどうしたらいいでしょうか? 「モーター、温度、バッテリーの持ちなど、すべてを計算してアクセルとブレーキを踏まなければならないので、その駆け引きがEVレースの魅力だと感じています。(標準車の)アイオニック5で出場した筑波のレースでは、最初からアクセル全開で行けたのではないかという反省も残ったので、今回の富士のレースでは最初からアクセル全開でゴールまで走り抜けたいと思います」 ──でも今回のレースではアイオニック5 N独自の「Nモード」が使えます。勝負の行方を左右する鍵になりますよね? 「期待はあります。ただ、どの設定がベストなのかというノウハウが今は無いので、逆にヒョンデの方にいろいろと教えて欲しいです(笑)。 レースに出場するほかのアイオニック5 Nのレーサーの方々ともコミュニケーションを取ったうえで挑みたいですね」

TAG: #IONIQ 5 N #アイオニック5 N #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
全国32番目のショールームが愛知県に登場! EV購入を力強くEV生活をサポートしてくれるBYD正規ディーラー「BYD AUTO 名古屋東」をオープン

BYDが日本で展開するラインアップ全車を展示 BYDにとって全国で32店舗目、愛知県内では岡崎と名古屋北に続くショールームを備えた3番目の正規ディーラー店舗「BYD AUTO 名古屋東」が、2024年9月6日(金)にオープンする。 「BYD AUTO 名古屋東」は、名古屋インターチェンジから約5分の県道名古屋長久手線沿いに位置する。 同店のショールームには、現在発売中のスポーツセダン「シール」、ミドルサイズSUV「アット3」、コンパクトカー「ドルフィン」のEV3車種が展示される予定だ。白を基調としたショールームには、BYDに関する幅広い専門知識を持ち、EVのある暮らしに対しての疑問へ的確なアドバイスとサポートが可能なセールス・スタッフが常時し、商談や試乗の受付等を担当してくれる。 車両整備を担当するサービス・スタッフは、「BYDアカデミー」と呼ばれるBYDのEVに関する高度なトレーニングを受けたサービス・スタッフを配置。製品知識はもちろんのこと、EV購入時のコンサルティングやアフターサービスなど、技術面からも力強くEV生活をサポートしてくれる。 BYDは今後、2025年末までに全国でショールームを備えた店舗を100軒以上にすることを目標として掲げている。今回オープンするBYD AUTO 名古屋東はその32店舗目にあたる。まだまだ店舗数でいえば少ないと感じるかもしれないが、ショールームを備えていないものの、試乗や購入に関する相談およびアフターサービスの受付などが可能な「開業準備室」を含めると、全国で58拠点がすでにオープンしている。この開業準備室を含めた拠点一覧はBYDのホームページに掲載されているので、一度ご覧いただきたい。案外近くに拠点があるかもしれい。 日本に上陸して日は浅いが、着実に拠点を増やしているBYD。この地道な努力がBYDの顧客拡大、ひいてはEVの普及へとつながっていくのだと期待したい。

TAG: #BYD #ディーラー #愛知県
TEXT:TET 編集部
贅沢を極めたいのでハンドルもペダルも「必要ないので」隠します! キャデラックの新コンセプトカーが想像の斜め上をいっている

贅沢と疾走感がテーマとなっている 「電気自動車(EV)と自動運転技術のパイオニアである」と自負するキャデラックが、革新的なデザインと卓越したパフォーマンスを純粋に表現したコンセプトカー「オピュレント・ヴェロシティ」を発表した。先進テクノロジーと近年キャデラックが心血を注ぐビスポーク・ラグジュアリーを融合させたこのコンセプトカーは、キャデラックのハイパフォーマンスブランド「キャデラックVシリーズ」が目指す電動パフォーマンスの未来を体現しているのだという。 このコンセプトカー「オピュレント・ヴェロシティ」は、「Opulent(贅沢)」と「Velocity(疾走感)」という両極をテーマに、自動運転機能、電動化、卓越したパフォーマンスを組み合わせたラグジュアリー・パフォーマンスの未来を描いたハイパーカーであり、そのエクステリアはEVとしてのテクノロジーやラグジュアリー性、そして爽快な高揚感をもっとも芸術的に調和させて表現したものだと、キャデラックのデザイン担当であるブライアン・ネスビット氏は語っている。 では、キャデラックが言うところの「贅沢=オピュレント」とは何か。それは、完全自律走行運転が可能にする個人の自由をイメージしているそうだ。レベル4相当の自律走行機能は、フルワイドスクリーンディスプレイと拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR HUD)からアクセスする「多感覚モード」を通じて、安らぎと休息を促すハンズフリーの没入型体験を生み出すのだとか。もはや万一に備えて手をステアリングにかざしておくなどという予防安全の領域も飛び越えて、目の前の現実からドライバーを切り離そうとさえしている。 それも、キャデラックは科学的なベータ波の研究を参考にして、特定の音や光が脳をどのように活性化させ安らぎをもたらすのか、わざわざ探求したのだという。そして、その知見を車内全体に活用し、ユーザーがパーソナライズされたハンズフリーのオアシスに没入できるよう、厳選されたアート、エンターテインメント、アンビエント・ライト・セラピー、ウェルネス・リカバリーのテーマなどをこのコンセプトカーに取り入れているという。もう完全にドライバーは運転手ではなく、オーナーとして心置きなくリラックスして乗員に成り代わってくれと言わんばかりのコンセプトに驚くばかりだ。 しかし、これはあくまでもハイパフォーマンスブランド「キャデラックVシリーズ」の血統にあるクルマだ。ドライバーをドライバーたらしめるモードも用意している。それが「疾走感=ヴェロシティ」だ。 ハイパーカーならではの最大限のスリルを提供すべく、先ほどの自律走行モードからマルチファンクションコントローラーを介してヴェロシティモードに変化すると、ステアリングホイールとペダルがせり上がって現れ、ドライバーにハンドルを握るよう促すのだという。 いや、待て。自律走行モードはステアリングとペダルまで隠されていたというのか。さすがはコンセプトカーだ。いくらレベル4相当を想定し自律走行モードを備えるとはいえ、命綱のようなステアリングにアクセル・ブレーキペダルまで隠すとは発想がぶっ飛んでいる。 ヴェロシティーモードに話を戻すと、車両のヘッドアップディスプレイには実際のサーキット走行データをもとにした「ゴーストカー」が出現し、ラップタイムの向上や仲間とのバーチャルレースが可能になるのだという。いわゆる拡張現実を用いたギミックだが、まるでレーシングゲームを実車で行っているようで、このあたりの発想がアメリカらしいと言えばらしい。

TAG: #GM #キャデラック #コンセプトカー #ハイパーカー
TEXT:野本和磨
軽自動車じゃダメな領域をカバー! 高齢者の足も確保! 自動運転も見据えたマイクロEV「mibot」が明日の交通社会を変える

「ひとり乗り・近距離移動」こそEVの真骨頂 8月末まで東京・二子玉川の「蔦屋家電+」で展示イベントを開催中の「mibot(ミボット)」。広島県東広島市を拠点とするスタートアップ企業である「KGモーターズ」が開発を進めるひとり乗りの小型EVモビリティである。 全長2490mm✕全幅1130mm✕全高1465mm。軽自動車よりもひとまわり小さいコンパクトな車体は原付ミニカー規格。規定される定格出力0.6kW以下のモーターを搭載し、最高時速は60km/h。フル充電での航続距離は100kmという仕様設定での開発が進められている(展示中の車両は試作車)。 展示イベントに合わせて開催されたメディア向け発表イベントでは、KGモーターズの楠 一成CEOが「1万kmの走行でも電気代はわずか1.5万円以下」として、軽自動車と比較しても維持コストが安いという経済的なメリットをアピール。同時にこれまで原付ミニカー規格の小型モビリティではデメリットと考えられてきた「乗車定員1名」という制限も、通勤や買い物など、ひとり乗り近距離移動用に特化することでニーズを掴めると、販売に向けた意気込みを語った。 前述のスペックも含め、用途を限定することで不要な機能を省き、コスト抑制の結果として税込100万円という車両本体価格が実現できることは、ユーザーにとってはうれしいポイント。実際の使用を想像してみても、通勤・通学であれば十分に往復100km圏内。充電は家庭用100V電源で5時間。帰宅後にコンセントに繋いでおくだけと利便性は高い。 多くの自動車メーカーがEVモデルをラインアップし、選択肢は増えているが航続距離や外出先での充電など不安要素は付きまとう。だったら自家用車はハイブリッド車で日常的な移動用にEVモビリティを活用することのほうが、環境負荷の観点からも現実的な解決策といえるだろう。 8月23日(金)から予約受付がスタートするmibot。現在広島県内に準備中だという本社工場で来年9月から生産が開始され、2025年中には300台、2026年には年産3000台規模で量産される予定だ。2025年生産分の300台は現在構築中の納車・サポート体制の関係で、KGモーターズの拠点である広島と東京を優先エリアとして納車を進め、順次全国へ拡大していく。 蔦屋家電+での展示に先立ち、広島T-SITEにて3日間限定で行われた展示イベントでも大きな注目を集めたmibot。実車を見た来場者の感想としては「小さくて運転しやすそう」と、中高年を中心とした女性からはコンパクトな車体サイズが好評。若年層や男性からは「外から見るよりも室内空間が広い」という意見も多かったようだ。 「軽自動車でも運転していて大きく感じる」という意見も多いことを考えればmibotは、中高年にとって軽自動車に変わる移動手段として有効な選択肢になるはずだ。ただ、高齢者がユーザーの中心になるとすれば、踏み間違い防止装置など先進安全機能が欲しいという意見も多い。そんな要望があることは当然理解しつつも、KGモーターズとしては原付ミニカー規格の小型EVモビリティの社会的な普及をまずは優先する姿勢を取っている。

TAG: #ひとり乗り #小型モビリティ
TEXT:TET 編集部
高性能モデル「N」の感性を継承したスポーティモデル現る! ヒョンデ「コナ」に新グレード「Nライン」を追加

そのグレード名「ドイツ流儀」なり 昨年11月に日本でも販売が開始されたヒョンデのEVコンパクトSUV「KONA(コナ)」に、新グレードの「コナ Nライン」が加わり2024年8月23日から販売が開始された。 「Nライン」は、既存のモデルにヒョンデの高性能ブランド「N」の感性を加えたモデルで、「ドライビングの愉しさ」を追求する「N」ならではの感性はそのままに、日頃のドライブにスパイスを加味したスポーティグレードだとヒョンデは説明する。 近年のヒョンデはドイツブランドに倣ったグレード構成を敷いているから、つまるところ「Nライン」はアウディの「Sライン」、BMWの「Mスポーツ」に該当し、ノーマルグレードに対してスポーティな内外装を加えたグレードだと思ってもらえば理解しやすい。 では、動力性能、運動性能を突き詰めたアウディの「RS」、BMWの「M」に該当するヒョンデのグレードは何かと問われれば、それはシンプルに「N」を名乗るモデルになる。先ごろ日本で発売されたハイパフォーマンスEVの「アイオニック 5 N」がまさにそれだ。 その「アイオニック 5 N」を通じて、日本市場に対して電動化時代でも変わらないヒョンデの「ドライビングの愉しさ」を追求する姿勢や、高性能モデルの在り方を提案した一方、今回の「コナ Nライン」は、日本に初導入する「Nライン」として、日本の顧客のダイナミックなデザインへのこだわりに応える新たな選択肢として提案されるものだという。 「コナ Nライン」のエクステリアには、低重心を強調させる専用のフロント&リヤバンパーが採用されている。さらに、ルーフ後端には大型のウイングタイプリヤスポイラーを装備し、足元には19インチのアルミホイールが奢られ、ダイナミックかつスタイリッシュなイメージに仕立てている。 見た目にはっきりとノーマルグレートとの差別化が図られているが、ドイツブランドがそうであるように、ヒョンデもまたフロントフェンダーとフロントバンパーに「N Line」のエンブレムを装着しプレミアム性を強調している。 インテリアに目を移すと、「アイオニック 5 N」にも採用され、背もたれの「N」のロゴとレッドラインが印象的な本革とアルカンターラのコンビシートがこの「コナ Nライン」にも導入されている。 レッドステッチが施された専用ステアリングとレッドカラーをアクセントに用いたインパネにより、ノーマルグレードの快適性と実用性を損なうことなく、見た目と運転する楽しさの両方を一段階グレードアップさせたスポーティSUVになっている。 バッテリー容量と装備がもっとも近い構成となるノーマルグレードの「コナ ラウンジ」に対し、このスポーティな内外装をもつ「コナ Nライン」の車両本体価格は、16万5000円高となる税込み506万円。 ■「コナ Nライン 」専用装備 – N Line専用デザインフロント&リアバンパー – N Line専用ウィングタイプリヤスポイラー – N Line専用デザイン19インチアルミホイール -ブラックアウトドアミラーカバー – N Line専用本革巻ステアリングホイール(N ロゴ、レッドステッチ) – N Line専用全席メタルドアスカッププレート – N Line専用Alcantara®+本革コンビシート (レッドステッチ) – N Line専用インテリア(Nロゴ、レッドカラーアクセント)

TAG: #KONA #コナ #ヒョンデ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
これがホンダ「アキュラブランド」の未来の形だ! 新型EVプラットフォームを採用したコンセプトカーを北米で発表

コンセプトカーをベースにしたSUVタイプの量産EVは2025年末に登場予定 ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターが、8月15日に北米で展開する高級車ブランド「アキュラ」の次世代EVモデルの方向性を示すコンセプトモデル「Acura Performance EV Concept(アキュラ・パフォーマンスEVコンセプト)」を世界初公開した。 米国カリフォルニア州のアキュラデザインスタジオで開発されたこのコンセプトカーは、アグレッシブで特徴的なフロントデザインが与えられている。これは「スーパーヨット」と呼ばれるラグジュアリーな大型ヨットからインスピレーションを得ているのだという。 さらに、クーペのようなシルエットに、深く彫り込まれた形状のサイドパネルを備え、力強いプロポーションをまとっている。リヤのデッキリッドや左右に伸びるテールライト、大きなリヤディフューザーは、2代目NSXへのオマージュとしてデザインされているそうだ。 魅力的なエクステリアをもつ「アキュラ・パフォーマンスEVコンセプト」は、単なるデザインスタディに留まらない。なぜなら、この車両をベースとしたアキュラのSUVタイプのEVモデルを開発し、2025年末を目標に米国オハイオ州のメアリズビル四輪工場で生産を開始することが明らかにされたからだ。 このSUVタイプの量産EVモデルは、ホンダが独自に開発した次世代EVプラットフォームを採用する最初のモデルになるという。加えて、ホンダが北米におけるEV生産のハブ拠点と位置づけ、現在は生産設備の改修を進めているメアリズビル四輪車生産工場から、初めてラインオフされるEVモデルになる予定だ。 「アキュラ・パフォーマンスEVコンセプト」は、早速カリフォルニア州で行われているクルマの一大イベント「モントレーウィーク」内の「ザ・クエイル」(現地時間8月16日開催)および「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」(現地時間8月18日開催)というふたつの催しで展示された。 次世代EVプラットフォームによって可能となるデザインの自由度を最大限に活用し、アキュラのデザインの可能性をさらに広げたとホンダが語るこのコンセプトモデル。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて邁進するホンダが、また一歩前進する動きを見せたといえる。

TAG: #アキュラ #コンセプトカー #ホンダ
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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