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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ファミリーマート、配送用FCEVトラックを30台導入へ……デイリーEVヘッドライン[2023.05.12]

FCEVトラックによるコンビニ配送が拡大 6年の継続運用を実施する大規模実証 【THE 視点】ファミリーマートは、小型FCEV(燃料電池車)トラックを使用した配送の実証実験を、5月15日から福島県郡山市にて、同16日から東京都府中市・調布市を中心とした店舗で実施する。 6月以降は、東京都八王子市/日野市/江戸川区葛西を中心とした店舗配送でも開始する。さらに、2025年度までに東京都と福島県にて、FCEVトラックを約30台に拡大する予定だ。 実証に使われるトラックは、ローソンも導入した「いすゞ・エルフ」をベースにしたFCEV小型トラック(最大積載量3トン)で、航続可能距離は約260km(JE05モード相当)。 今回の走行実証は、お弁当やおむすび、サンドイッチなどの中食を中心とした1日3便の店舗配送コースで実施するという。 先日の5月09日付けのEVヘッドライン内、ローソンのFCEVトラックの記事[詳細はこちら]でも触れたが、コンビニ配送は1日3便が平均的な回数だという。 決められた配送に間に合わせるためには、バッテリー式のEVトラックでは、十分な充電時間が取れないケースもある。それを見越してのFCEVの導入実験であると推測されるが、30台という数は、実験の範疇を超える規模だ。 走行実証は、各車両とも実運用開始から6年間継続して実施する予定。プロの現場で長期間使用することで、耐久性などの課題が洗い出せ、国産FCの技術力の底上げにつながるのではないだろうか。 またファミリーマートは、すでにEVトラックの実証を昨年から行っていたり、敷地内への充電器の設置も最大700店舗まで拡大するなど、電動化に非常に積極的である。 今回のFCEVトラックの取り組みは、コンビニ業界のみならず、小売業全体の配送に好影響を与えることができると非常に期待している。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダとGSユアサ、合弁契約の締結で新会社「株式会社Honda・GS Yuasa EV Battery R&D」を設立……リチウムイオン・バッテリーの開発と生産を推進 ★ボルボ、EVの高級SUV「EX90」にバウアー&ウィルキンスの高品質オーディオを採用……オーディオ専門のエンジニアが車両に最適化、25個のスピーカーによる3Dサラウンド ★HIOKIとマクニカ、自動運転EVバスの実証実験……HIOKI本社工場(長野県上田市)にて運行準備を開始、上田市ほか上田バスなどの交通機関も協力 ★モーション、EV導入計画を支援する自治体・法人向け「EVシフトシミュレーションサービス」を開始……車種とバッテリーのサイズについても指南 ★テスラ・オーナーズ・クラブ・ジャパン(TOCJ)、全国ミーティングを開催……5月28日(日)、「かずさアカデミアホール」 <千葉県木更津市>にて ★日産、北海道登別市や東京都武蔵村山市とEVの活用で連携……災害時発生時に避難所にてEVを無料貸与するなど ★秋田県内にて水素などのサプライチェーンを構築へ……「あきた次世代エネルギーコンソーシアム」設立、秋田大学理工学部/秋田いすゞ/大日本コンサルタントなど計7社が参画 ★小型近距離電動モビリティのウィール、全国の「WHILL」取り扱いディーラー100社とアライアンスを締結……統一の手引を設けて免許返納の高齢者をサポート、元プロレスラーの武藤敬司さんと長州力さんも愛用をアピール

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
アルピーヌ、EVのホットハッチ「A290_β」を発表……デイリーEVヘッドライン[2023.05.11]

「グループB」のマシンを彷彿とさせるデザイン サーキット走行をこなせるホットなEVを目指す 【THE 視点】アルピーヌは5月9日、EVのホットハッチモデル「A290_β」のコンセプトモデルを発表した。アルピーヌ新時代の最初のクルマと位置付ける。 「A290_β」にて、モータースポーツの伝統と本質を見直し、新たなセグメントに挑戦するという。モータースポーツに適したデザインと技術を用いることで、サーキット走行にも適するエキサイティングなEVを目指す。 ちなみにこのモデル名もアルピーヌの戦略が反映されている。特に「2」はBセグメントであること、「β(ベータ)」は、2024年の正式発売までの中間段階の意味があるという。 公開された写真では、ハンドルがセンターに配置されていることが確認できる。先に発表されている「ルノー5」のプロトタイプでは左ハンドルの前輪駆動だった。 2024年の量産モデルでは、センターハンドルが採用されるか、張り出したリアフェンダーが物語るように後輪駆動となるかはクエスチョンマークだ。しかしボディデザインは、古の「ルノー5 グループB」のマシンを彷彿させる。デザインだけでもこのままデビューして欲しいものである。いずれにせよとてもエキサイティングなEVの登場に胸が躍る。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★トヨタ、EV専門の組織「BEVファクトリー」を新設……「ワンリーダーの下、『開発・生産・事業』全てのプロセスを一気通貫で行うことで、スピーディーな意思決定と実行を実現」と発表、従来の「トヨタZEVファクトリー」は廃止 ★★トヨタ、今年秋に開催予定の「ジャパン・モビリティ・ショー2023」にてBEV専用の新型車両パッケージを発表すると予告 ★★メルセデス・ベンツ、EVの小型バン「EQT」を本国で発表……最高出力90kW(122ps)のモーターを搭載、価格は4万9,000ユーロ(約726万円)から[詳細はこちら<click>] ★★ブラバス、「メルセデスAMG EQS 53」のカスタマイズカーを本国で発表……22インチの専用鍛造ホイールなど装備 ★★トヨタ、トラックのFCEV化を欧州でも推進……トヨタ・モーター・ヨーロッパとオランダのVDL Groepが提携、2023年夏までに初号機を生産 ★★メルセデス・ベンツ、小型バンタイプの商用EV「eシタン」を本国で発表……最高出力90kW(122ps)、旅客輸送対応のモデル「eシタン・ツアラー」も用意 ★MINI、新型「エースマン」と「クーパー・エレクトリック」のデザインを一部公開……完全新設計のホイールや持続可能な素材を使用したステアリングなど[詳細はこちら<click>] ★メルセデス・ベンツ、約70%のCO2を削減できるアルミニウムの生産を推進……「EQS」と「EQE」に採用済み、次世代のEV用プラット・フォーム「メルセデス・モジュラー・アーキテクチャー」にも脱炭素アルミを採用予定 ★EVトラックのニコラ、イタリアのトラックメーカー「イヴェコ」と提携を強化……イヴェコがニコラの株を取得、イヴェコのパワートレイン技術を使用可能に ★「オールドMINI」のEVコンバージョンキットが登場……「ポルシェ911」などの電動化キットを手がける英国「エレクトロジェニック」が開発 ★テスラ、リチウムを自社生産へ……アメリカ・テキサス州に精製所を着工 ★テラモーターズ、埼玉県川島町にEV充電器「テラチャージ」を導入……川島町役場はじめ町内の公共施設9ヶ所に ★東京ガス、法人・自治体向けのEV導入支援サービス「チャージ・プランナー」を開始……関東エリアから順次サービスを拡大、太陽光発電や停電時の事業継続計画対応についてもサポート ★住友金属鉱山、車載バッテリー向け正極材を増産……別子地区と播磨事業所にて総額470億円の設備投資 ★ISレンタリース、「レクサスRZ」のレンタカーを導入……「RZファースト・エディション」を採用、2023年夏ごろから稼働予定 ★NECネッツアイなど、EV充電器の定額サービス「フューチャー・ステーション」を開始……NECネッツエスアイ/エレマテック/新電元工業/東京センチュリーの4社が提携、2023年までに1,500ヶ所へのEV充電器の設置を目指す ★BYD・フォークリフト・ジャパン、大型EVフォークリフトを発売……6t〜8t積みのモデルを3機種、5時間の連続稼働性能を実現 ★オートバイ用品店のナップス、イタリアのEV バイクメーカー「エネルジカ」の日本総代理店のエスターと提携……NAPS主催のツーリングイベント『Naps +E MOTO FES IN FUJI 2023』<5月13日(土)/富士北麓駐車場(山梨県富士吉田市)>にてエネルジカの最新モデルを展示・試乗 ★オンセミ、新型パワー半導体「1200V EliteSiC M3Sデバイス」を発表……高いスイッチング速度を実現、800VのEV向けオン・ボード・チャージなどのアプリケーションに対応

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ジェイテクト、遊星減速キャリア一体のイー・アクスル用小型デフを開発……デイリーEVヘッドライン[2023.05.10]

イー・アクスルの小型化・軽量化に貢献 前後2モーター式AWDでシェア拡大の可能性 【THE 視点】ジェイテクトは5月9日、モーター一体型駆動装置(イー・アクスル)に対応したディファレンシャル・ギア装置「遊星減速キャリア一体ジェイテクト・ウルトラ・コンパクト・デフ(JUCD)」を発表した。EV市場、とりわけイー・アクスルの需要拡大を見据えて開発された製品である。 「遊星減速キャリア一体JUCD」は、「遊星減速ピニオンギヤ」と「遊星減速キャリア」「超小型デフ(JUCD)」を一体化したもの。イー・アクスルの小型軽量化をはじめ、EVの航続距離の延伸にも貢献できるという。 本製品を使用することで、よりコンパクトなイー・アクスルが設計できるという。現在は、モーターとデフがオフセットしている「3軸式」が一般的だが、コンパクトな「遊星減速キャリア一体JUCD」を組み込むことで、それらを同軸上に配置でき装置全体を小型化できるとのこと。 具体的には、出力150kW級のイー・アクスル向けデフ単体としては、「JUCD」により約25mmのデフ幅の短縮効果がある。さらに遊星減速キャリアと「JUCD」を融合させることで、通常のデフと組み合わせた遊星減速キャリアに対して、約50mmの幅寸法の短縮と全体の小型化・軽量化を可能とした。 また、デフ・ハウジングを円筒形としてキャリア部と一体化し、トルク伝達時のハウジングの変形とバラツキを抑制することで、複数ある遊星減速ギアの歯当たりのバラツキをも改善し、減速機のノイズや振動の低減の面でも有利だという。 世界でEV化が進むと同時に、イー・アクスルのシェアも急拡大している。より優れたEVを開発するためには、優れたイー・アクスルが必要であろう。装置を小型・軽量化できる「遊星減速キャリア一体JUCD」は、激化するイー・アクスル市場において存在感を出せるはず。特に前後2モーター式のAWDでは、イー・アクスルの小型化は必須で、シェアは確実に拡大すると思われる。 ちなみにジェイテクトグループは、2021年にギアイノベーションセンターを開設している。今回の発表は、その成果のひとつと思われる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★イオンでEV電力買取サービス「V2AEONMALL」が開始……家庭で充電したEVを持ち込みイオンモールにて放電することでポイントを還元、「イオンモールアプリ」の標準追加機能としてリリース[詳細はこちら<click>] ★★ボルボ、新型EVが6月7日にデビューと予告……コンパクトSUV「EX30」が登場、同日から予約注文も可能に(本国発表)[詳細はこちら<click>] ★パワーエックス、完全子会社「PowerX Manufacturing(PXM)」を設立……バッテリー組み立て工場「パワーベース」のある岡山県玉野市にて設立、バッテリー製造事業の拡大と地元採用を加速 ★フィスカー、新型EV「オーシャンSUV」の量産第1号車を引き渡し……デンマークの顧客に、最大航続距離707km(WLTP)のSUV

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ローソン、配送トラックに「いすゞ・エルフ」のFCEVを導入……デイリーEVヘッドライン[2023.05.09]

10分でBEVの充電1時間相当以上のエネルギーを充填 配送間隔の調整の必要がないFCEVはトラックにこそ有用か 【THE 視点】ローソンは5月2日、トヨタといすゞが共同開発した燃料電池車(FCEV)の小型トラックを、福島県本宮市と東京都大田区の配送センターに導入すると発表した。今回は各地区1台ずつの導入となる。 福島県の配送センターに、FCEVの小型トラックを導入するのは今回が初。ローソンは今後、FCEVによる配送エリアを順次拡大していくという。 車両は、いすゞの「エルフ」がベース。全長6.92mのボディに、最大積載量2,850kgを確保。航続距離は約260kmになるという。ローソンから直接の言及はなかったが、トヨタといすゞなどが参画する商用FCEVの開発団体「CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)」のロゴが車体側面に描かれている。 水素搭載量は約10kgということで、筆者が乗る「ホンダ・クラリティFUEL CELL」のちょうど2倍。充填時間は10分ぐらいと推定できる。この航続距離分をBEVの充電で考えると、おそらく急速充電を用いても1時間では終わらないはずだ。 FCEVの最大の特徴は充填時間の短さ。コンビニは1日3回配送を基本としているので、バッテリー式EV(BEV)ではまとまった充電時間を確保するのが難しい。トラックとともに配送の現場からFCEVの良さが見直され、普及につながることを期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★日産、3車種のEVが東京都のZEV車両購入補助金「自動車メーカー別の上乗せ補助対象」に……「アリア」「リーフ」「サクラ」が10万円の上乗せ補助に[詳細はこちら<click>] ★★HWエレクトロ、お台場にショールームを開設……the SOHO(東京都江東区)の1階にて「エレモ-K」「エレモ-L」を展示[詳細はこちら<click>] ★ダイムラー・トラック、メルセデス・ベンツのEVトラクターヘッドをドイツの公道でテスト……ドイツの配送企業DHLとともに350km/日の輸送テスト、2023年秋に販売開始 ★ボルボ・トラック、FCEVトラックの公道テストを実施……極寒の北極圏でもテスト、ダイムラーと共同開発のFCを搭載 ★伊丹市交通局、EVバス導入イベントを開催……5月13日(土)にイオンモール伊丹昆陽・駐車場(同市内)にて、車両電源を使用したステップライトの展示など ★小型EVメーカーのイコマ、折りたたみEVバイク「タタメルバイク」の先行オーダーメイド販売を開始……「ホンダ・モトコンポ」似のモデル、ボディのサイドパネルのデザインをオーダー可能

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
トヨタの燃料電池を搭載したトラクターヘッドを米老舗のケンワースなどが量産へ……デイリーEVヘッドライン[2023.05.08]

トヨタは2023年後半からモジュールの生産を開始し量産化 筆者もトヨタのモジュールを使用した商用FCEVを計画中 【THE 視点】トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(トヨタ)とパッカー(米国の商用車メーカー)は5月2日、燃料電池(FC)モジュールの供給に関する提携を発表した。 パッカー傘下の老舗トラック・ブランド「ケンワース」と「ピータービルト」にFCモジュールを供給し、トレーラーを牽引するトラクターヘッド「ケンワース T680」と「ピータービルト 579」に搭載。両車は量産モデルで、2024年から納入開始となる。 トヨタとパッカーは、FCEVトラックの開発で数年にわたり協力関係を築いてきた。今回の発表以前に「ケンワース T680 FCEV」10台をロサンゼルス港にテスト導入していた。今回の発表は、その成功を受けてのもの。もちろんテストのフィードバックにより、量産車の性能は強化されているという。 このトヨタ製の大型車用FCパワートレインは、カリフォルニア州大気資源委員会 (CARB)から、ゼロ・エミッション・パワートレインの認証を取得した。トヨタは2023年後半から、アメリカ国内にてモジュールの生産を開始する。 港湾のゼロ・エミッション化が急務とされるなか、アメリカの老舗のトラックメーカーは、トレーラー・トラックのFCEV化という答えを出した。大型車のFCEV化は、ゼロ・エミッションに大きく貢献できるに違いないだろうし、その中核技術をトヨタが担う意味は大変に大きい。 実は筆者も、トヨタから最新のFCモジュールを購入し、現在それを用いてFCEVバスかトラックの開発を計画している。商用車のFCEV化は、日本のゼロ・エミッション化にとっても重要な役割を担うと確信している。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★アバルト、「500e」と「500e ツーリズモ」を欧州で正式発売……新世代のホットハッチEV、パワーモード選択などユニークな機能を装備[詳細はこちら<click>] ★★MINI、次世代EVモデル「クーパー・エレクトリック」プロトタイプの画像を公開……オーソドックスな3ドアタイプ[詳細はこちら<click>] ★★シトロエン、新型SUVクーペ「ë-C4 X」を欧州で発表……最高出力115kW(156ps)・最大航続距離420km(WLTP)[詳細はこちら<click>] ★ボルボ、「C40リチャージ」と「XC40リチャージ」をアメリカで発売……2024年モデルとしてラインナップ ★GM、「ハマーEV」に限定車「オメガ・エディション」を設定……特別色「ネプチューン・ブルー・マット」などを採用 ★ゴールドウイン、EVバイク専門のポップアップ店舗「CAKE Tokyo」をオープン(東京都千代田区)……スウェーデンのブランド「CAKE」の展示・試乗を実施、8月下旬までの期間限定オープン ★ZF、STマイクロエレクトロニクスからSiC(炭化ケイ素)製品を調達……複数年契約、2025年量産開始のインバーター・プラットフォームに採用 ★BMW、家庭用のEV充電エコシステム事業に参画……ドイツのエネルギー企業「E.ON」と協業、2023年後半からヨーロッパ域内で「コネクテッドホーム充電」を開始 ★フォード、「マスタング・マッハ-E」の受注を再開……生産体制の強化で低価格化、リン酸鉄リチウムイオン・バッテリーの採用で航続距離を延伸 ★ステランティス、2023年第1四半期のEVの売り上げ高が前年同時期比22%増加……2023年中に9機種のEVを追加、2024年末には合計47機種に ★ボルボ、2023年1月〜4月のEVの販売台数は3万8,899台……前年同時期比137%増、4月だけで8,830台を販売[詳細はこちら<click>] ★BMW、2023年第1四半期のEVの販売台数は5万5,979台……前年同時期比112%増、総納入量に占めるEVの割合は11% ★アウディ、2023年第1四半期のEVの納入台数は3万4,584台……前年同時期比43%増、シェアは8.2% ★フェラーリ、フィオラノ・サーキット隣接の自社所有の土地に太陽光発電所を建設……フィオラノとマラネッロに設立する再生可能エネルギー共同体(REC)に電力を供給 ★キントーン、公道走行可能な電動キックボード「モデル・ワンS」を発売……純国産が特徴、2023年7月の道路交通法改正に対応 ★旭タンカー、EVタンカー「あかり」が商業運行を開始……「あさひ」とともに2隻体制、川崎港(川崎市川崎区)内に給電ステーションを設置 ★フォーミュラE第9戦モナコ、ニック・キャシディ選手(エンヴィジョン・レーシング)が優勝……キャシディ選手は2連勝でポイント・リーダーに、日産のサッシャ・フェネストラズ選手は2番手スタートも4位でチェッカー

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
マセラティ、SUVタイプのEV「グレカーレ・フォルゴーレ」を発表……デイリーEVヘッドライン[2023.05.02]

ブランド2機種目のEVはSUV ガソリンモデルよりも快適性が高いか 【THE 視点】マセラティは、SUVタイプのEV「グレカーレ・フォルゴーレ」を「上海モーターショー2023」で世界初公開した。マセラティの2車種目のEVモデルであり、SUVタイプのEVとしてはブランド初となる。 デザイン面では、マセラティの新しいビジュアルシンボルが取り入れられているのが特徴。特に低いグリルを持つフロントフェイスは印象的だ。 パワートレインは、前後2モーター式のAWDが採用され、最高出力は合計410kW(557ps)、最大トルクは820Nm(83.6kgm)となっており、最大容量105kWhのバッテリーが搭載される。航続距離は500km(WLTP)だ。 マセラティとしても2機種目のSUVは、EVをラインナップして登場した。マセラティは、2025年までにすべてのモデルにEVバージョンを用意し、2030年までにEVに完全移行するという。 SUVは、セダンなどよりも快適性が重要視されると思う。EVの「グレカーレ」は、室内騒音や加速特性といった快適性の点では内燃エンジンのモデルよりも高いはず。マセラティというブランドを考えると、VIPを迎える「ショーファー・ドリブン・カー」として使用するユーザーもいることだろう。もしかすると、エンジン車よりもそういったニーズに応えやすいかもしれない。 「グレカーレ・フォルゴーレ」は、EVメーカーとなるマセラティが、今後どのような価値を各EVモデルに与えていくかの指標となるのではないだろうか。大いに期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★明電舎、「MEIDEN e-Axle(メイデン・イー・アクスル)」の販売を開始……独自開発のモーター一体型駆動装置の開発を完了、高さを抑え3列シート車にも対応可能 ★★EVモーターズ・ジャパン、商用EV専用の組み立て工場「ゼロエミッション e-PARK」<福岡県北九州市>を起工……バスなど商用EV国産化の基盤に[詳細はこちら<click>] ★伊藤忠商事、アメリカのEV充電系企業ヴェローチェ・エナジーと資本業務提携……充電インフラの国内展開も視野 ★半導体開発のマクニカ、自動運転EVバス「ナビヤ」を吸収……フランスのゴーサンとともにゼロ・エミッション自律型モビリティ開発の新会社を設立、ナビヤの「アルマ」などは継続販売[詳細はこちら<click>] ★山口県周南市、「令和5年度周南市燃料電池自動車普及促進補助金」を決定……令和6年3月25日までに新規購入・新規登録された燃料電池自動車に対し、50万円/1台を補助 ★日立チャネルソリューションズ、駿河信用金庫とともにカーボン・バッテリーの実証実験……営業活動用のEVバイクでリチウムイオン・バッテリーと交互に利用し性能比較 ★鈴与、物流センターにて「ラピュタ自動フォークリフト」を試験運用……自動運転機能搭載のEVフォークリフトを活用し人材不足を補う

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ホンダ、リチウムイオン・バッテリーの国産化を推進……デイリーEVヘッドライン[2023.05.01]

GSユアサ/ブルーエナジーと協力関係を強化 2027年4月より量産体制へ 【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)/GSユアサ/ブルーエナジーの3社は4月28日、リチウムイオン・バッテリーの共同研究開発体制について連携を強化すると発表した。 ホンダとGSユアサはかねてよりリチウムイオン・バッテリーの共同研究開発の体制を深めてきた。今回は、そこにブルーエナジーも加えての量産投資計画が、経済産業省の施策「蓄電池に係る供給確保計画」に認定された。これにより、今後拡大が見込まれているバッテリーの国内需要に対応していくという。 事業総額約4,341億円のうち、助成金額はその約3分の1の約1,587億円(最大)となる。生産規模は20GWh(国内)で、2027年4月に生産ラインを稼働させ、同年10月より本格量産を開始。2030年にかけても順次ラインを立ち上げて量産体制を整えていくという。 生産規模の20GWhという数値は、バッテリー容量50kWhのEVに換算すると、40万台分に相当する。ホンダの2022年の国内生産台数は64万台程度なので、2030年には6割程度のバッテリー生産能力を国内に持つことになる。これでようやくホンダが電動化に向けて動き出したように感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★エネオス、法人会員向けEV充電サービスを開始……経路充電サービス「ENEOS Charge Plus」にて展開、100%再生エネルギーを使用した充電も可能 ★★凸版印刷、パワー半導体事業を開始……ウェハーを製造代行受託、製造プロセスはJSファンダリ新潟工場内に ★★米国カリフォルニア州、2036年以降販売の中・大型車もZEV以外を禁止に……ゴミ収集車とローカルバスは2039年までにZEVでなければならないとも規定 ★ステランティス、バッテリー用のニッケルと硫酸コバルトをオーストラリアから調達……アライアンス・ニッケル社の株式を11%(920万ユーロ/約13 億9,000万円)購入 ★ボッシュ、アメリカで炭化ケイ素(SiC)半導体の製造を計画……アメリカの半導体企業「TSIセミコンダクターズ」を買収、EV需要に対応しカリフォルニアにて生産へ ★メルセデス・ベンツ、2023年第1四半期のEV販売台数が5万1,639台……前年同時期比89%増、グループ全体の販売台数は50万3,483台[詳細はこちら<click>] ★ヤマハ、広島G7サミットに合わせた自工会展示ブースに電動製品を出展……「ひろしまゲートパークプラザ」<広島市中区/5月18日(木)~21日(日)>にて、EVスクーター「E01」などを展示

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日本初、EVの旅客船が大阪で就航……デイリーEVヘッドライン[2023.04.28]

EV旅客船として小型船舶の検査に初合格 350Vのシステムの採用で自動車機器との共通化にも期待 【THE 視点】EV船販売株式会社は、350Vの高電圧リチウムイオン・バッテリーを搭載したEV船が、日本小型船舶検査機構の船舶検査に合格し、大阪市内に就航したと発表した。 同社はこれまでも、EV船を検査に合格させてきた実績があるが(今回を含めて5例)、小型船舶最大級(20トン未満)の旅客船として合格をさせたのは、今回が初めての例となる。 本船は観光旅客船扱いで、大まかな仕様は全長21.38m/幅5.00m/総トン数19トン/旅客定員70名となっており、このクラスでは最大級。建造も同社が行い、すでに船主に引き渡しを終えて旅客運航が始まっている。 搭載している電動システムは、ドイツのトルキード社製の「ディープブルー」というもの。容量44kWhのリチウムイオン・バッテリーおよび最高出力50kW(68ps)のモーターを1組とし、それを2組搭載しているのが特徴だ。 EV船販売株式会社といえば、先日筆者が取材した「ジャパンインターナショナルボートショー2023」に出展しており、今回のEV船についてもレポート内で触れている[詳細はこちら]。今回は、それからの進展ということになる。 港湾をはじめ、船舶の低炭素化が急務とされているが、なかなか進んでいないのが現状である。このように小型船であっても、電池電圧により縛りがあり許認可に時間が掛かるのだと改めて実感した。 筆者もEVの開発で、新しいものを製作した際の許認可のやり取りで苦労した経験が多々ある。なかには、それだけで1年もかかったものも。とにかく基準が定まっていないものに対しては、安全性の担保が厳しく求められるのだ。 今回のように、EVでは一般的な電圧の350Vで認可されたということは、今後船においてEV(自動車)用のパワーユニットが使えることになる。これで日本でのEV船の開発も進むものと思われる。今回のEV船販売のブレークスルーは、船舶業界はもちろん自動車業界にとってもインパクトのある明るいニュースと捉えている。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★マセラティ、ブランド初のSUV型EV「フォルゴーレ」を発表……SUV型の高級EV、「上海モーターショー2023」で世界初公開 ★★トヨタ、「bZ4X」のソフトウエア・アップデートを実施……1日あたりの急速充電回数が、現状から2倍の4回程度に改善 ★三菱、「eKクロスEV」の販売台数(2023年3月)が1,544台……全体の国内販売は1万1,896台で11ヵ月連続で前年比増[詳細はこちら<click>] ★小田急電鉄、東京電力・出光興産とともに脱炭素に向けて連携……バスのEV化や充電マネジメントの導入も計画 ★TDK、高回転モーター対応の高精度角度センサー「HAL 302xセンサ」を開発……EV用モーターにも対応、強力かつ高価な磁石が不要になり柔軟なモーター設計が可能に ★ノベルクリスタルテクノロジー、次世代パワー半導体の高出力動作に成功……「酸化ガリウムショットキーバリアダイオード」を組み込んだ回路が、出力電圧390V・出力電力350Wで正常に動作 ★半導体開発のオンセミ、中国のEV企業ジーカーと長期供給契約……充電時間の短縮や航続距離の延伸が可能なシリコンカーバイド(SiC)・パワーデバイスを供給 ★テスラ、商業施設「柏の葉 T-SITE」<千葉県柏市>にて特別展示試乗会……「モデル Y」と「モデル 3」を出展、4月22日(土)〜5月18日(木)まで ★ブレイズ、茨城県のカー用品店「ケンズガレージ」の3店舗にて「ブレイズ EVトライク」などの販売を開始……カー用品店での取り扱いは全国初 ★オペル、EVのワンメイク・ラリー選手権を推進……「ADAC オペル・エレクトリック・ラリー・カップ “powered by GSe”」に改名、5月5日よりシーズン3が開始

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
クボタ、リチウムイオン・バッテリー市場に参入……デイリーEVヘッドライン[2023.04.27]

リチウムイオン・バッテリー用の負極材を2024年から量産 農機の電動化も見据えての事業化か 【THE 視点】クボタは4月25日、リチウムイオン二次電池の負極材料「チタンニオブ複合酸化物」の量産を2024年末に開始すると発表した。 「チタンニオブ複合酸化物」は、一般的にリチウムイオン・バッテリーの負極材料として用いられる黒鉛と比べて、電池の長寿命化や優れた急速充電性を実現しうる材料である。 クボタはこれまで、自動車用ブレーキパッドなどの摩擦材に用いられる「チタン酸カリウム<TXAX(ティーザクス)>」を開発・生産するなど、チタン酸化合物を産業向けに供給してきた。 その量産実用化で培った固有技術やノウハウを用いて、「チタンニオブ複合酸化物」の合成技術および製造技術を開発し、2024年末に量産を開始する。月間生産能力を50トンから段階的に引き上げていく予定だという。 クボタというと農業企業のイメージが強い。リチウムイオン・バッテリー材料の開発を機に、将来的には自社の農機の電動化も進めていくのだろう。自社製であればコストも抑えられ、さらに新材料を使用することで国産のバッテリー技術の進化にもつながる。 今回参入するクボタは、将来の農機の電動化を担う重要なポジションにいるのかもしれない。期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、EVモデルの日本投入時期を発表……2025年に「N-ONE」ベースのEV、2026年にSUVを含む小型EV2機種を発売[詳細はこちら<click>] ★★大阪府豊中市、「電気自動車等購入支援補助金」を新設……20万円/1台を補助、令和5年4月1日(土)から令和6年2月29日(木)までの初年度登録車両(EV・FCEV・PHEV)が対象 ★★BYDグループ、プレミアムブランド「ヤンワン」のEVモデルを発表……大型SUVの「U8」やスーパースポーツの「U9」、そのほかハイエンドブランド「デンツァ」のニューモデル「D9」なども [詳細はこちら<click>] ★ホンダ、EVスクーター「EM1 e:」を2023年中に日本で発売……着脱式バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」を搭載 ★BYD、三重交通にEVバスを納車……小型の「J6」を2台、伊勢市から受託しているコミュニティバス「おかげバス」にて運行 ★GMとサムスン、アメリカにバッテリーセル工場を建設……30億ドル以上を投資し、2026年に操業開始予定 ★ヒョンデ、SKオンとバッテリーセル生産の合弁会社を設立……米国ジョージア州に工場を建設予定 ★BMW、「i5」のテストの進捗を公開……サスペンションコントロールと運転支援システムの開発が最終段階[詳細はこちら<click>] ★BYD、商業施設「ららぽーとEXPOCITY」<大阪府吹田市>に出店……4月26日(水)にプレオープン、「ATTO 3」を常設展示 ★EV充電トータルサービスのエネリバー、遠隔制御可能なEV充電サービスを開発……国際規格「OCPP(※)」に対応、導入・設置・運用を初期費用無料でサポート (※)「オープン・チャージ・ポイント・プロトコル」の略、欧米で一般的なEV充電器・管理システムのアプリケーション ★バッテリー開発のノースボルト、トラック大手のスカニアとバッテリーセルを共同開発……150万km分の寿命を実証 ★LGエナジーソリューション、2023年第一四半期の連結収益が8.747兆ウォン(約8,710億円)……四半期の記録で過去最高、北米でのEV需要増が影響 ★EVトラックのニコラ、カナダ・アルバータ州の自動車輸送協会からEVトラックを受注……トラクターヘッド「トレ」のBEVとFCEVモデルをともに受注 ★BYD、欧州に新規モデルを導入……セダンの「シール」とコンパクトハッチの「ドルフィン」を発売 ★ビンファスト、米国カリフォルニア州のクリーン・ビークル・リベート・プロジェクト(CVRP)の対象に……SUVモデル「VF8」が認定、最大7,500ドルのリベートを申請可能 ★シーメンス、ノルウェーのフレイヤと提携……ノルウェーと米国に建設予定のフレイヤのバッテリーセル工場にシーメンスの生産ソリューションを導入 ★電動キックボードシェアのループ、アイ・ネスト・キャピタルから資金調達……サービス拡大による車両調達や事業開発費などに拡充 ★両備ホールディングス、「コストコ群馬明和倉庫店」<群馬県明和町>に期間限定出店……自社製の小型EVトライク「ソレックス RT-01」を展示・販売(5月7日(日)まで) ★電動船が大阪で就航……EV販売株式会社が船舶検査に合格、ドイツ・トルキード製の電動システムを搭載した観光旅客船(全長21.38m)

TAG: #THE視点 #クボタ #バッテリー
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
横浜ゴム、EVバスでタイヤのリモート管理を実証実験……デイリーEVヘッドライン[2023.04.26]

タイヤをモニタリングしEVバスの運用効率を向上 道路を仕事場とするバス・商用車にこそ早期実用化を 【THE 視点】横浜ゴムは、EVバスを用いて「タイヤ内面貼り付け型空気圧センサー」と「タイヤ空気圧遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)」の実証実験を開始した。同実験は、神奈川中央交通とともに平塚市で運行中のEVバスを使用して行う。 横浜ゴムは、輸送事業者向けのタイヤソリューションサービスとして、タイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES(ハイテス)」と、タイヤ運用を総合的にサポートするマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」を展開している。この実証実験はすでに乗用車では実施済みだが、今回初めてEVバスを使用し、EV車両に求められるエネルギー消費の効率化と「TPRS」の精度向上の効果を検証する。 高レベルな燃費(電費)性能・耐久性・静粛性がタイヤにも求められるEVバスで実施することで、経済性や安全性の向上、効率的なタイヤ運用に貢献できるサービスの確立を目指すという。合わせてEVバス対応のタイヤ開発も実施するとのこと。 「TPRS」は、タイヤ内のセンサーが検知した車両の位置情報や空気圧・温度を、サービススタッフがリアルタイムに把握できる。タイヤの始業前点検の省力化や空気圧情報の記録、スローパンクチャーの発見、タイヤメインテナンスの適切な実施、点検のバラツキ防止、異常による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上などに貢献できるという。 筆者もこれまでに何台ものEVバスを製作してきた。EVバスのタイヤは、電費性能・耐久性・静粛性のほか、乗用車の何倍もの荷重に耐えなければならないなど求められる性能は高く、タイヤメーカーの協力のもとEV専用品を製作してもらったことがある。 そのタイヤを履くEVバスも、空気圧などに常に気を使う必要があり、特にリアのダブル・タイヤでは内側タイヤの空気圧の点検作業が大変だったと聞いたことがある。これが運転士や整備士のほか、運行管理者からも確認できることは、点検業務の制度を向上させることにつながるだろう。 乗用車では普及が進んだ空気圧モニタリングシステムだが、商用車やバスにこそ普及を進めるべきである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ヒョンデ、愛知県豊橋市に「PDIセンター」を開設……4月から三河港に入港、新車の陸上げから納車整備・保管が5km圏内で可能[詳細はこちら<click>] ★★ニデック(旧日本電産)、2022年度連結決算が2兆2,428億円で過去最高……ニデック製モーター一体型駆動装置(イー・アクスル)搭載車種の販売状況が続伸、23年度は第2世代型を投入し25年度に車載システムの自立成長1兆円を目指す ★ユビ電、パナソニックグループとフソウホールディングスから資金調達……パナソニックは集合住宅へのEV充電器の拡充、フソウは各自治体への脱炭素化推進などを目指す ★EVバイクのアイデア、「AAウィズ 」の先行予約を開始……配送や新聞配達など積載機能を強化したビジネス向けモデル ★ヤマハ、EVスクーター「E01」をレンタル車種として配備……北海道・愛知県・大阪府・福岡県の「ヤマハ バイクレンタル」店舗にて予約開始 ★テラモーターズ、賃貸物件・商業施設向けWi-Fiソリューション企業のファイバーゲートと提携……インフラ整備を通じてシナジーを狙う ★EVモーターズジャパン、「2023 バステクフォーラム」<舞洲スポーツアイランド 「空の広場」(大阪市此花区)/5月12日(金)>に出展……EV路線バスとEV観光バスを展示 ★ヤマト住建、ニチコン開発のトライハイブリッド蓄電システムを搭載したモデルハウスをオープン……埼玉県上尾市と奈良県奈良市にて展示、太陽光発電・バッテリー・V2H(EVの電力を家庭でも使用できるようにする機器)を装備[詳細はこちら<click>] ★住宅メーカーの北洲、HEVのバッテリーをリユースした太陽光発電システム「イーピラー」を開発……将来のEV用バッテリー大量廃棄に備え環境負荷を低減[詳細はこちら<click>] ★電動キックボードのループ、同社CEOが会長を務める「マイクロモビリティ推進協議会」が東京都と連携協定を締結……7月1日(土)からの新ルール施行に向けて安全を啓発

TAG: #EVバス #THE視点 #横浜ゴム
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
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試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
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イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
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