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約44万円でテスラの「運転支援」追加オプションを購入! 果たして価格以上の効果はあったのか?【テスラ沼にはまった大学教授のEV生活・その10】


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:TESLA/琴條孝詩/TET編集部
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価格に見合うかは利用頻度と価値観次第

<まずオートパーキングから>

EAP機能のなかで毎日のように使っているのがオートパーキングだ。以前は精度が低く、うまく機能しないことが多かったと聞く。だが、私が使っている限りでは、複数回のアップデートを経た現在、問題なく動作している。いつも利用しているのが屋外の広い駐車場だから、ということもあるかもしれない。しかし、ときどき立ち寄るショッピングモールの屋内立体駐車場でも、問題なくオートパーキングしてくれるので驚いた。

切り返しの回数はやや多い気もするが、ステアリングに手を触れることなく駐車が完了する——この「何もしなくていい」という感覚は、一度味わうとなかなか手放せなくなる。

ひとつ気づいたことがある。車止めがある駐車場では、その手前約15cmほどのところで停車するのだ。私は常日頃、車止めにきっちり当てて停めている。だから少々もどかしい。だが、クルマが車止めを乗り越えてしまっても困るので、安全マージンを取った結果がこの15cmなのだろう。どうしても車止めまで寄せたい場合は、自動駐車後にマニュアル操作で微調整するしかない。毎回、停止したあとにマニュアルで車止めに当たるまでバックしているのが面倒ではないといえば嘘になる。

テスラのオートパイロット

<オートレーンチェンジの使い心地>

次によく使うのが、オートレーンチェンジだ。高速道路でオートパイロット走行中、画面には緑色のマークが左右に表示され、「こっちの車線が空いているよ」と、車両の輪郭を淡く表示して知らせてくれる。その方向にウインカーを出し、ステアリングをほんの少しだけ傾けると——あとはクルマが自分で車線変更してくれる。

もちろん、後方から勢いよく接近してくるクルマがいた場合は自動的にキャンセルされる。だから、「完全に手を離して放置」というわけにはいかず、実際にはハンドルに手を添えたまま力を抜いた状態を維持している。それでも、ドライバーが神経を使って車線変更するのと比べれば、高速道路での長距離移動がずいぶんラクになったことは確かだ。

テスラのオートレーンチェンジ

<サモンという夢のような機能>

EAPにはもうひとつ、「サモン」という機能が搭載されている。サモンとは、スマートフォンのアプリ操作によって、駐車中のテスラを自動で呼び寄せたり、前後に動かしたりできる機能だ。周囲の障害物を検知しながら自走してくれる。アメリカでは65mの範囲内に限るが、大型ショッピングモールの駐車場から、スマホ操作でテスラが自走して自分のところまで来てくれる。動画をSNSで見たときは「これぞ未来のクルマ!」と感動したのだが……。

日本では、保安基準および国際規則による規制により、スマートフォンが車両から6m以内にある場合のみ作動するという制約が設けられている。欧州も同様の制限があり、現地のオーナーからは「ほぼ使えない」との声が絶えないとのこと。悔しいといえば悔しいが、法律である以上は諦めるしかない。

テスラのサモン

<わが家のガレージでは使えなかった……>

じつは、私がEAPのなかでもっとも期待していた使い方が、このサモンにあった。わが家のガレージは幅が約2500mm。テスラモデルYは、ミラーを折りたたんだ状態で全幅1982mm。計算上の余裕は518mm——約50cmだ。数字だけ見れば余裕があるように思えるが、助手席側後方には充電ポートがあるため、充電ケーブルの取りまわしを考えると壁ギリギリに停めるわけにはいかない。結果、運転席側の壁との隙間はその半分程度になり、乗降の際には「お腹をひっこめて」ドアと壁の間をすり抜けるという、なんとも情けない状態になっている。

そこで考えたのがサモンの活用だ。ガレージ前の広いスペースで乗降を済ませてから、サモンでそのままガレージに自動駐車できれば万事解決——のはずだった。

ところが、いざアプリを操作してみると、クルマがまったく動かない。どうやら、左右の空間が狭すぎて安全と判断されず、作動しないようなのだ……。結局いつものように自分で運転してガレージに収め、ドアと壁の微妙な隙間から体を細くして乗り降りしているのが現実である。

筆者のテスラ・モデルYと筆者宅のガレージ

SNSを眺めると、コインパーキングなどでは使えているという報告もある。ただ、そもそもサモンを必要とするほど幅の狭い駐車場に停めること自体、隣のクルマからの”ドアパン”リスクを考えると気が進まない——というのが正直なところではある……。

<結局、国内EAPの実力はこれだ>

ここまで実際に使ってみた体験を整理すると、日本で日常的に活用できるEAPの実用機能はオートパーキングとオートレーンチェンジのふたつということになる。たまの遠出ではナビゲート・オン・オートステアリングも使えるのだろうが、私はまだ未体験だ。

「たったふたつ?」と思う方もいるかもしれない。しかし個人的には、この2機能だけで日常の運転がかなり変わったと感じている。とくにオートパイロットを多用する自動車専用道路や高速道路での移動や、駐車時にその恩恵は大きい。

ただ、約44万円という金額に見合うかどうか——それは正直、個々人の価値観によるとしかいいようがない。私は好奇心のみで購入してしまったが、実際に体験する前に購入するには安くない買い物だ。毎日自動車専用道路や高速道路を使う人と、週末のお出かけ程度の人とでは、評価も大きく変わってくるだろう。私の場合は「まぁ、買って後悔はしていない」というのが現在の答えだ。FSDについては……日本解禁の日を、静かに待ち続けることにしよう。

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