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意外なほど古くから研究されていた
ユーノス・ロードスター
手軽にオープンエアモータリングを楽しむことができるモデルとして、1989年の初代モデルから現行モデルまで、多くのファンを擁しているマツダ・ロードスター。その初代モデルであるユーノス・ロードスターをベースに、マツダと中国電力が協力して生み出したEVモデルが存在していた。
これは1993年の東京モーターショーでも実車が展示されており、市販前提ではなくデータ収集が主目的だったが、実際にナンバーが取得されて営業車として使用されながらデータ取りがなされていたのだ。
そのため、試作車感の強いものだったが、ロードスターのFRレイアウトは踏襲され、フロントにモーター類やニッカドバッテリーを4個、トランクには同じくニッカドバッテリー12個を搭載。このトランクのバッテリーは通常、ソフトトップを格納するシート後方のスペースまで侵食していたため、ソフトトップは外されハードトップが備わっていた。
多くのバッテリーを搭載したことで車重は1400kg超とライトウェイトとはいいがたいものとなってしまったが、最高速度は180km/h、前後重量配分は43:57とそれなりの動力性能を確保していたのである。
ダイハツ・ハイゼット/フェロー
ダイハツは現在開催中の大阪・関西万博において、「e-SNEAKER」という電動パーソナルモビリティを貸与しているが、じつは1970年に開催された大阪万博でも会場内の移動手段としてEVを275台も納入している過去がある。
そんなダイハツは1965年にEVの研究に着手し、1969年には早くもフェローバンEVを発売し、翌年にはハイゼットバン、1972年にはハイゼットトラックのEVモデルをリリースしている。
このダイハツ初の市販EVであるフェローバンEVは、5.3kWのモーターを搭載して最高速度は70km/h(ガソリンモデルは80km/h)、満充電時の航続距離は80kmを実現していたのだ。
なお、ダイハツはEVだけでなくハイブリッドについても早くから開発をしており、1970年の東京モーターショーにはフェローMAXの電気自動車とともに、ガソリンエンジンとモーターの両方を搭載したフェローMAXバン ハイブリッドも展示している。