#旧車
TEXT:石井啓介
エンジンも燃料タンクも外してスッカラカン! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その2】

いよいよスタート! 「電気熊猫計画」とは、EVライフをもっと楽しくおいしくする「EVごはん」と、旧車のコンバージョンEVを手がける「アビゲイルモータース」が共同で進める往年のイタリアの名車「フィアット・パンダ(初代)」をEV(電気自動車)にコンバートするプロジェクトです。 今回は、第二回目(第一回目はコチラをご覧ください)として、「Step1.フィアット・パンダのエンジンを取り外し、エンジンルームを3Dスキャンし機器レイアウト等の詳細設計を行う」編をご紹介したいと思います。 フィアット・パンダ“老熊猫”を紹介 作業開始の前に、今回のベースとなるフィアット・パンダをご紹介しますね。 フィアット・パンダ(初代)は、イタリアの自動車メーカー「フィアット」社が1980年代を中心に製造・販売していた小型ハッチバック車で、伝説のカーデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏のデザインによる簡潔ながらもスペース効率にも優れたスタイリングが特徴です。 開発および製造コストの低減のため、すべての窓を平滑な板ガラスとするなど、ボディは直線と平面によるシンプルなもので、延べ400万台以上もの台数が生産されたというクラシックミニと並ぶコンパクトカーの名車といえます。 今回手に入れたフィアット・パンダは、1996年式の中後期モデルで、グレードは、FFのCLX。排気量1100ccのエンジンとCVTミッションで約7万kmを走ったクルマです。明るめのネイビーブルーのような「ミッドナイトメタリックブルー」のボディは、一部錆が見られましたが、全体的にはしっかりとしたクルマです。とはいえ、製造より30年近く経った個体ですので、だいぶ「ご老体」ではあります。 これを、外観はなるべくオリジナルを維持しながら、新しいテクノロジーを駆使して、将来にわたって長生きしてもらおうというのが今回のコンセプトになります。

TAG: #コンバートEV #旧車
TEXT:石井啓介
お金も手順も作業も「コンバートEV」のリアルをリポート! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その1】

思い出のフィアット・パンダを電動化でもっと楽しく 「電気熊猫計画」とは、EVライフをもっと楽しくおいしくする「EVごはん」と、旧車のコンバージョンEVを手がける「アビゲイルモータース」が共同で進める往年のイタリアの名車「フィアット・パンダ(初代)」をEV(電気自動車)にコンバートするプロジェクトです。 充電スポットの美味しいごはん情報をシェアするコミュニティ「EVごはん」の主宰者である私141(イシイ)は、子どものころからのクルマ好き。 20代の安月給時代に中古車で買ったフィアット・パンダは、夏は海にドライブデート、冬はスキー場へと大活躍した思い出の愛車。軽自動車のようなコンパクトなボディにブンブンまわる元気なエンジンが最高に楽しいクルマでした。 しかしながら、当時はクルマのメンテナンスに関する知識が少なく、ちょっとしたエンジントラブルで手放してしまったことはいまでも悔やまれます。 月日は過ぎてン十年。 クルマ趣味は続き、英国製のヘリテージカーを楽しみつつ、“往年の世界の名車”を激安中古車で足車として乗り継ぐことを楽しんでおりましたが、5年前に知人からの紹介でテスラを手に入れたことでこれまでのガソリン車にはない、静粛性や小気味よい動力性能、そして、EVコミュニティの楽しさなど、改めて電気自動車の楽しさを知りました。 電気自動車について調べていくなかで、古いガソリン車を電気自動車に改造する「コンバートEV」の存在を知り、旧来の「クルマ好き」が再熱。 「あの思い出のフィアット・パンダをEVでまた乗りたい! あの思い出の続きを楽しみたい!」と、旧車のコンバージョンEVを手がける「アビゲイルモータース」さんに飛び込みました。 「アビゲイルモータース」の代表を務める飯田さんも、旧来のクルマ好きということで意気投合! アビゲイルモータースで開発しているクラシックミニにも試乗させていただき、コンパクトな旧車とEVの相性のよさも実感することとなり、さっそくフィアット・パンダのEV化プロジェクトがスタートしました。といいたいところですが、ベースとなるクルマ探しから、EV化の技術検討などで、あっという間に1年が過ぎました。 ベースとなるパンダは、個人売買でホドホドの程度のものが見つかりましたが、EVコンバートの世界も日進月歩で、モーターとバッテリー及びマネジメントシステム等の調査にかなり時間を要することとなりました。

TAG: #コンバートEV #レストア #旧車
TEXT:藤田竜太
簡単そうに言われるけど実際そうでもないぞ……旧車のエンジン車をEV化して蘇らせる「コンバートEV」の現実

メーカーからもコンバートEVが登場! 日産が東京オートサロン2025に「R32EV」を出展すると発表したり、トヨタがAE86をコンバートEVした「AE86 BEV Concept」(東京オートサロン2023で発表)を製作したりと、コンバートEVの注目が高まってきている。 このコンバートEVとは、簡単にいえばガソリン車などの内燃機関自動車を改造して電気自動車(EV)に転換したクルマのこと。 エンジン本体や吸気系、エキゾースト系などの補器類、燃料タンクなどの部品を取り外し、その代わりに動力用のモーターやバッテリー、モーターコントローラーなどの部品にconvert(入れ換える、変換する)することを意味している。 車種によっては150万円ぐらいでコンバートEVのキットが発売されているが、それらをインストールするためには、1台1台、ワンオフで取り付け部品を製作したり、バッテリーの認証を受けたり、ナンバーを取得したりとかなりの手間がかかるので、ガソリン車、とくに古いクルマ、ビンテージカーをベースにコンバートEV化を考えるなら、その費用は500万円以下には収まらないと考えたほうが妥当だろう。 一方で、コンバートEVは(エンジン関係の)部品が欠品して走れなくなってしまったクルマや、排ガスの問題がクリアできないクルマ、エコカー減税の対象外で維持費が高いクルマなどを、電動化することで現役復帰させ、蘇らせる方法として期待されている面もある。 ビンテージカーの場合、EV化以前にボディなどレストアしなければならない部分もあるし、珍しいクルマほどワンオフで製作しなければならないパーツも増えるので費用は高額になる傾向だが、旧車特有の故障の心配から解放されたり、パワステやエアコンなどを追加し、アップデートすることができたり、排ガスのニオイから解放されて、静粛性も手に入るなど、EVならではのメリットも享受できるのは大きな魅力。 国産車をベースにコンバートEV化するのはこの先も当面まれかもしれないが、古い欧州車やアメ車などをコンバートEVで蘇らせる流れはすでにできつつある。 これまでのカスタマイズとは毛色が違うが、魅力あるクルマを現役として延命させる方法として、徐々に認知され、需要が増していくことだろうし、普及することでコストも下がり、バッテリーなどの高性能化も進むことが期待されている。

TAG: #コンバートEV #レストア #旧車
TEXT:TET 編集部
電気と新エンジンで蘇った2台のAE86に試乗できるチャンス! KINTOがトヨタ謹製のレストア旧車を期間限定ラインアップ

メーカー謹製のコンセプトモデルに乗れるって超貴重 「KINTO」というと、車検料金や保険料など、クルマを保有する上での諸費用を車両価格とひとまとめにして、余計な出費を抑えながら毎月定額払いで新車に乗るためのサブスクリプションサービスだと思っていたら、近年のKINTOはどうも様子が違うらしい。 サブスクで新車に乗れるサービスが中心にあるのは変わらないのだが、法人向けリースや「KINTO FACTORY」と呼ばれるトヨタ・レクサス・GRの純正オプションを車両購入後にも正規販売店で「後付け」できるアップグレードサービスを展開していたりする。 そのサービスラインアップのなかに「Vintage Club by KINTO」というサービスがあるのをご存じだろうか。 クルマ好きな顧客と一緒に楽しみ、旧車に乗れる喜びを分かち合う旧車コミュニティで、KINTO自らが企画・車両選定を行い、トヨタ自動車と新明工業がレストアを手がけた旧車をレンタカーとして利用するサービスだ。 これまでにもセリカ1600GTや10ソアラ、70スープラなどをレストアし、全国各地のトヨタディーラーをめぐる形でレンタルを実施している。 そこへ今回新たに加わったのが、トヨタのライトウェイトスポーツカーの金字塔「AE86」をベースにした「AE86 G16E Concept」と「AE86 BEV Concept」だ。 車両名が表す通り、この2台はコンセプトカーだからこれまでのレストア車のレンタルという枠組みからは少々異なるが、1980年代に登場したAE86ことカローラレビン/スプリンタートレノをベースに、車両の素性を生かしながら現代の技術でこの先も楽しめる1台に仕上げたという点では、これも旧車の残し方、乗り方のひとつとして意義深いものがある。 「AE86 G16E Concept」は、当時のAE86に搭載されていた状態の良い4AGエンジンが少なくなっているいま、AE86に長く乗り続けていくための新たな選択肢として、トヨタ自動車が開発したモータースポーツを起点とした”もっといいクルマづくり”のなかで鍛えられた新世代のエンジン(G16E)を搭載したコンセプトカーだ。 G16Eエンジンといえば、GRヤリスやGRカローラに搭載された300馬力級のターボエンジンG16E-GTSを想像するが、このG16EエンジンはAE86の軽量かつ意のままに走るドライビングをさらに高めた仕様にするため、特別にNA(自然吸気)化がなされており、オリジナルの4AGエンジンと同等以上の出力を確保しつつハイレスポンスに仕立てられているという。新世代エンジンを活用することで、燃費・排ガスなど環境にも配慮がなされている。 もう1台のレンタル車両「AE86 BEV Concept」は、LEXUSで培ってきた電動化ノウハウを活用し、AE86のボディや車重の軽さ、前後の重量のバランスは維持しつつも、BEVの特徴である高い駆動力やマニュアルトランスミッションの採用により、従来以上の「走りの楽しさ」を感じられる車両を目指して開発された1台。 「東京オートサロン2023」で初めて公に姿を現わして以降、トヨタ自動車が開発を継続し、出力とトルクの向上が図られたという。 BEVでありながら6速マニュアルトランスミッションを搭載するAE86 BEV Conceptは、電気自動車のスポーツカーを模索する使命も帯びているのか、過去にはドリフト走行するシーンも公開されており、今後に期待を抱かせる1台だ。 今回のレンタカー企画にはこの2台が用いられ、事前抽選に当選した方が約3時間、東京都内を試乗することが可能になるのだとか。さらに、試乗時にはトヨタ自動車の開発スタッフが直接車両の特徴や開発にかける想いなどを説明してくれるというから、マニア垂涎のイベントになること間違いなしだ。 マニュアルトランスミッション搭載のEVを操ること自体、相当レアな体験になるが、ましてやそれがトヨタ謹製のレストアコンセプトカーともなればかなり貴重な機会なので、ぜひ下記の申し込み手順を読んでエントリーしてもらいたい。 ■企画概要 期間:2024年10月17日(木)~12月20日(金)の期間中の毎週木曜/金曜 AE86 BEV Concept  11時00分~14時00分 限定 AE86 G16E Concept 13時00分~16時00分 限定 場所:トヨタモビリティ東京 GR Garage東京深川(東京都江東区千石2丁目12-6)*¹ 価格:2万円(税込)/3時間 *² 抽選申込期間:2024年9月19日(木)~9月30日(月)23時59分 当選通知:当選された方のみに、2024年10月3日(木)までにメールで連絡 *¹ 店舗駐車場は駐車不可。店舗へは公共交通機関または付近の駐車場を利用 *² 3時間のなかにはトヨタ自動車の開発スタッフからの説明時間も含まれる ■試乗申し込みの流れ 【STEP 1】 以下の申し込みサイトに記載の「必読事項」を一読の上、ページ下部の「抽選申込はこちら」をクリック 申し込みサイト:https://vintage.kinto-jp.com/ae86/ 【STEP 2】 […]

TAG: #AE86 BEV Concept #KINTO #ヴィンテージ #レストア #旧車

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
価格・航続距離・パフォーマンスでテスラを圧倒!? 中国の巨大スマホメーカー「シャオミ」が作ったEV「YU7」がついにデビュー
2025年はBYD Auto Japanの設立3周年記念! お買い得な限定車「ATTO 3 Black Style」を 全国50台限定で発売
EVミニバンは誰が買うのか? VWが明かした意外な「ID.Buzz」の購入者像
more
コラム
急速充電は人間の「早食い競争」のようなもの! 急速充電の多用が電池の劣化を早めるワケ
スバルに求めてるのはコレよ! 新型EV「トレイルシーカー」の日本導入を切望!!
いまサクラもeKクロスEVも売れている! かつて三菱が挑戦したi-MiEVはもっと評価されてもいいクルマだった
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択