2025年6月
TEXT:斎藤充生
フォルクスワーゲン「ID.Buzz」がついに日本上陸! 日本試乗で唯一となるBEVミニバンは888万9000円から

75年の時を超えて現代に蘇りし「ワーゲンバス」 いまから75年前というはるか昔のデビューながら、いまだ根強い人気を誇っているフォルクスワーゲンのアイコニック的存在、フォルクスワーゲンType2。ニックネームの「ワーゲンバス」のほうが多くの方にとっては思い浮かべやすいだろうか。 100年に1度の転換期と呼ばれる現代において、そのワーゲンバスがBEVのフルサイズミニバン「ID.Buzz」に生まれ変わって日本へ上陸した。 と大上段に構えたものの、その源流となるコンセプトカーが登場したのは2017年。そしてフォルクスワーゲンの母国ドイツで生産車が発売されたのは2022年11月のことだから、日本へ正式に導入されるまでずいぶんと待たされたというのが本音だ。 発表会では、舞台上にご先祖様であるType2が鎮座し、その隣へ末裔のID.Buzzが迎え入れられる格好で登場した。 ホイールベースの異なるふたつのグレードが設定され、装備はもちろん、価格もバッテリー容量も異なることから、それぞれのグレードについて豊富な内外装の画像とともにお伝えしていきたい。 見た目はポップに中身は真面目に 晴れて日本の地を踏んだID.Buzzは、ドイツのハノーバーにあるフォルクスワーゲン商用車部門の工場で生産され、現時点で日本市場で購入可能な唯一のミニバンタイプの電気自動車だ。「MEB(モジュラー・エレクリックドライブ・マトリクス」を土台に設計されたID.Buzzは、2022年11月に日本へ導入された電動SUV「ID.4」に続く、フォルクスワーゲンのEV第2弾で、フォルクスワーゲンのeモビリティ戦略を推進する重要な役割を担っていくという。 エクステリアデザインは、先祖にあたるワーゲンバスの要素がふんだんに取り入れられている。切り詰められたフロントオーバーハングに、フロントマスクに鎮座する巨大なVWロゴ、ワーゲンバスではV字型に塗分けられたフロント部分をID.Buzzではボディパネルで表現するなど、安全基準が大きく異なる現代においてよくぞここまでワーゲンバスの要素をデザインに落とし込んだものだと感心する。 インテリアは、フォルクスワーゲンらしく質実剛健な造形のなかにポップな印象を与える色味やパネルを用いているが、外見ほどのユーモアさはなく、むしろ真面目に作られている印象を受ける。 6人乗りのノーマルホイールベース仕様(NWB)は2列目にキャプテンシートを採用し、センターウォークスルーを可能にしている。一方の7人乗りロングホイールベース仕様(LWB)は、2列目がベンチシートタイプになっている。 シートは厚みのあるクッションで構成され造りもガッシリとしており、ドイツのミニバンらしさを感じるポイントだ。その分シートアレンジに多少力を必要とする部分もあるが、それゆえのガッシリ感なのだからトレードオフの関係性と考えたい。 運転席と助手席の間には「ID.Buzzボックス」と呼ばれる脱着可能な収納ケースが装備されている。 取り外すと6人乗りのNWB仕様の場合、1列目から3列目までウォークスルーが可能になる。使用目的に応じて臨機応変にアレンジしたいところだ。 両手が塞がった状態でもドアを開け閉めすることができるイージー・オープン&クローズ機能を搭載したテールゲートを開けると、実用的な荷室空間が広がっており、3列目を畳めば荷室のアッパーボードからフラットな空間を作り出すことができる。 なお、LWB仕様の場合は3列目シートを脱着することで、荷室積載量を最大2469リットルまで拡大することが可能だ。

TAG: #ID.Buzz #フォルクスワーゲン #新型車情報
TEXT:高橋 優
中国の勢いが止まらない! シャオペンが超最先端ADASを搭載したのに200万円台の激安EVが登場

Xpengの「XNGP」を搭載する最安EV Xpengが大人気車種のMONA M03に対して、ハイエンドADASが搭載された最上級Maxグレードを追加設定しました。発売から1時間で1.2万台以上の注文を獲得することによって、競合となる日産N7の販売にも影響が出る可能性など、競争が激化する中国大衆EVの最前線を解説します。 まずXpengについて、2024年8月末に発売をスタートした大衆セダンのMONA M03が爆発的ヒットを達成。さらに、11月から納車をスタートしている、フラグシップセダンのP7+も月間1万台級の販売台数に到達。これはとくに競合として圧倒的な存在であるシャオミSU7とテスラ・モデル3に次ぐ販売台数であり健闘しているといえます。 この2車種の大ヒットによって、6カ月連続で月間3万台の大台を突破しており好調です。ちなみにXpengは2025年Q1決算においても過去最高の決算内容を実現。Q1販売台数は9.4万台を達成して、前年比+331%という爆増を実現しながら、2023年中盤でマイナスに転じていた粗利益率も15.56%と過去最高水準に到達。さらに営業利益率も-6.59%と、Xpeng史上過去最低水準の赤字幅に抑えることに成功し、2025年Q4における黒字化目標に向けて順調な様子が見て取れます。 そして、Xpengが新たに発売をスタートしたのがMONA M03のMaxグレードです。じつはM03のMaxグレードは、当初2025年2月中に納車をスタートさせる予定だったものの、想定をはるかに上まわる通常グレードの需要によって発売が延期されたのです。実際に通常グレードの販売集中のおかげで、M03は現在月間1.5万台級の販売規模を実現しています。 このグラフは、主要BEVセダンの月間販売台数の変遷を示したものです。トップはシャオミSU7であるものの、4月はM03がNo.2にランクインしています。また、BYDの新型大衆セダンQin L EVも4月は7600台以上を発売。さらに日産N7も大規模納車がスタートし始めており、よってM03としてはMaxグレードを追加することで、競合を迎え撃つ体制を構築しようとしているのです。 今回のMaxグレードにおいてもっとも特筆するべきは、Xpengの最新自動運転システム「XNGP」が標準搭載されているという点です。Xpengの強みはEnd to Endのビジョン方式のハイエンドADASであり、このXNGPを目当てにXpengのEVが人気となっているほどです。 これまでの通常グレードはレベル2 ADASであるXpilotしか搭載されていなかったため、ついにXNGPをM03でも使用可能となり、XpengのハイエンドADASを採用する最安EVとして期待が集まっているのです。 MONA M03は全長4780mm、全幅1896 mm、ホイールベースが2815 mmというミッドサイズセダンセグメントに該当します。車両サイズではテスラ・モデル3と似通ったサイズ感であり、このM0″3″の3もモデル”3″をリスペクトしての命名です。 そしてMaxグレードの発売にあたり、発売開始9カ月という段階でマイナーチェンジを実施しました。とくに新色の内外装カラーを追加設定しながら、ホイールデザインも変更。3.3kWのV2L機能を標準設定したり、シート機能をマッサージにまで対応させるという豪華シートにアップグレード。 これまでのM03の痒いところに手が届くようなマイナーチェンジが発売開始たったの9カ月で行われるという、中国勢の爆速開発体制の様子が見て取れるでしょう。

TAG: #Max #MONA M03 #Xpeng
TEXT:TET 編集部
これがウワサのN-ONE EVなのか? ホンダの新たな小型EV「スーパーEVコンセプト」が7月のグッドウッド2025で走る

グッドウッド2025の出展概要にしれっと載っていた新型EV ホンダの英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッドが、現地時間の6月16日(月)10時に7月10~13日まで英国のウエスト・サセックス州で開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2025(以下、グッドウッド)の出展内容に関して、プレスリリースを発信した。 グッドウッドは英国のみならず、世界を代表するモータースポーツを中心とした自動車の祭典として高名で、現役から歴史的な二輪・四輪の名車までが展示されるだけでなく、主催者であるリッチモンド公爵が所有する広大な私有地内に設けられたヒルクライムコースを使ってタイムアタックが行なわれるほか、レーシングコースでレース競技を行なうなど、「動く博物館」としての魅力にあふれている。 そのような催しだから、当然モータースポーツに関わる車両の展示が中心なのだが、近年はメーカー自らの出展が熱を帯びており、新型市販車両やコンセプトモデルのお披露目の場にもなっている。 そのグッドウッド2025でホンダは、2026年からグローバル市場への投入を予定している四輪EV「Honda 0 SUV」のプロトタイプを欧州地域で初公開する。 そして、今回のリリースで初めてその存在が明かされた新たな小型EVのコンセプトモデル「Super EV Concept(スーパーEVコンセプト)」が、このグッドウッドで世界初公開されるというのだ。 ヒントはたった1枚の画像とAセグメントであること 詳細はベールに包まれるものの、スーパーEVコンセプトについてホンダはリリース内で次のようにコメントしている。 「Super EV Conceptは、HondaらしいFUNを追求したAセグメントの小型EVで、使い勝手の良さとHondaならではの『操る喜び』の両立を目指してデザインされました。小型ならではの軽快でキビキビした走りをベースに、高揚感をもたらす走りを実現したモデルです」 「今後のグローバル展開も視野に入れ、今回のイベントに先駆け、目を引く紫の擬装を施したテスト車両で、すでに英国で走行試験を行っています」 スーパーEVコンセプトについて、リリースに添付された画像は英国の街なかを走る1枚の画像だけ。あまりにも正体がはっきりしないため画像を拡大してみた。すると、ボディデザインは日本の軽自動車「N-ONE」に似通っているように見受けられるが、比較対象車がいないので本当にこれがN-ONEをベースとしたEVだとも言い切れない。 果たしてその真の姿、サイズ感はいかほどだろうか。そしてホットハッチ好きが多いと言われる英国で、あえて公衆の面前で走行試験を行っている理由とは。ホンダが5月に開催した「2025ビジネスアップデート」で年内発売予定とアナウンスしたN-ONEベースのEVとの関連性は?  などなど、いろいろと想像力を掻き立てられるEVコンセプトカーだ。 そしてホンダは、全長1.16マイル(1.856km)のヒルクライムコースでスーパーEVコンセプトを走行させることを明言している。昨年の同イベントでコンセプトモデルを発表した「プレリュード」プロトタイプや、「シビックタイプR アルティメットエディション」、二輪の「ゴールドウィング」などホンダの多様な車両が出走するなかで、このスーパーEVコンセプトがどのような走行を見せるのか、いまから楽しみだ。

TAG: #Super EV Concept #コンセプトカー
TEXT:すぎもと たかよし
EVシフト全開のアウディ! Q6 e-tronの新たなデザイン表現をプロが斬る!!

伸びやかで柔らかなスタイリングへの移行期? e-tronシリーズとしてBEVラインアップを着実に進めるアウディが送り出した新型Q6 e-tron。新型プラットフォームによる優れた総合性能と高い効率はもちろん、新しいデザイン哲学もまた注目ポイントとされています。そこで、今回はあらためてそのエクステリアデザインの特徴をチェックしてみましょう。 まず、全体を見渡すとポルシェと共同開発したBEVプラットフォームにより、非常に長いホイールベースと短いオーバーハングの伸びやかなボディに気付きます。また、キャビンフォワード気味に寝かされたAピラーによるキャビンは比較的スリムですが、緩やかに下るルーフラインに沿いつつ、リヤタイヤへ大きな荷重がかかって見えるのもポイント。 近年のアウディデザインは、2014年からデザインを統括してきたマーク・リヒテ氏による筋肉質でエッジの効いたスタイリングが特徴でした。ただ、昨年その後任に就いたマッシモ・フラセッラ氏の影響もあるのか、このQ6では意外にも全体の印象がソフトに変化していることに気付きます。 で、フロントの見所といえば、Q4 e-tronでも見られた開口のないシングルフレームですが、ブラックもしくはボディ色にすることでQ4ほど「浮いた」感じにはなっていません。もうひとつ、フロントではこれまた開口のないサイドエアインテーク部の広大さに目が止まります。 この部分、Q4では金属パーツを使った「ガソリン車風」でしたが、Q6では広く平面的な樹脂製のブラックパーツで覆われ、いかにもBEVであることを提示しているよう。ここは新型のA6 e-tronも同様の表現になっているので、BEVとしての新しい見せ方なのかもしれません。

TAG: #Q6 e-tron #デザイン
TEXT:TET 編集部
42番目の正規ディーラーは初の千葉県! 「BYD AUTO 船橋」がオープン

42店舗目のBYD正規ディーラーが誕生 千葉県では初となるBYDの正規ディーラー「BYD AUTO 船橋」が、2025年6月27日(金)13時にオープンする。 この全国42店舗目のBYD AUTOを運営するのはBY Motorsだ。千葉県内でも有数のカーディーラー街である「市場通り」に位置し、東関東自動車道の「湾岸習志野IC」からクルマで約10分、JR総武線の東船橋駅からも徒歩圏内と、アクセスに優れた立地にBYD AUTO 船橋は店舗を構える。 ほかのBYD AUTOと同様に、白を基調にした清潔感とゆとりを感じさせる心地よいショールームには、BYDに関する幅広い専門知識を持ち、来店者のサポートや試乗・購入に関する相談を行うセールス・スタッフが常駐。併設された専用のサービス工場には、BYD Academyで高度なトレーニングを受けたサービス・スタッフが配置されるので、購入後のアフターサービス体制もバッチリだ。 店内には、4月に発売されたクロスオーバーe-SUVの新型車「シーライオン7」をはじめ、シール、アット3、ドルフィンというお馴染みのEVラインアップが展示される予定だという。千葉県内だけでなく、東京都東部からもアクセスしやすい場所なので、ぜひBYDの実車確認に足を運んでみてほしい。 ■BYD AUTO 船橋 所在地:〒273-0001 千葉県船橋市市場4-20-8 開業日:2025年6月27日(金)13:00~ 営業時間:10:00~18:00 定休日:火曜日・水曜日 電話番号:047-448-6666

TAG: #BYD #BYD AUTO #ディーラー
TEXT:桃田建史
オワコン化した世界のモーターショーが身の丈にあった提案で復活しつつある! いまのモーターショーの役割とは?

多くのフランスメーカーが出展 フランスでパリモーターショー(一般公開2024年10月14〜20日、於:ポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場)が開催された。パリモーターショーといえば、前回の2022年開催ではいわゆる「オワコン」と称されるような厳しい状況だった。 それが2024年は、出展メーカーは欧州メーカーといってもやはりフランスメーカーがほとんどで、そこに中国メーカーが加わるといった形だった。 ショーの規模としては、在りし日と比べれば圧倒的に小ぶりになったとはいえ、メディアにとっても来場者にとっても有意義な内容で満足したという声が少なくない。地元フランスメーカー各社が、次世代に向けた発想を世に問う姿勢を明確にしたのだ。 モーターショーといえば、日本では東京モーターショーがコロナ禍を経て、ジャパンモビリティショーへと進化し、成功を収めた。 だが、北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)も精彩を欠き、また独フランクフルトショーはミュンヘンショーとなり、そしてスイスのジュネーブショーは消滅してしまうなど、世界のモーターショーはいま、大きな転換期に直面している。 そうしたなかで、パリモーターショーは、いまのフランス、そしてこれからのフランスをユーザーの生活に対して等身大で表現したことで、来場者がその場を心地よく感じたのだと思う。 自動車業界の視点で見れば、いまのフランス、いまの欧州は、急激なEVシフトの揺り戻しによる、いわば「踊り場」といったところだ。2010年代後半から、欧州連合による欧州グリーンディール政策では、「2035年までに欧州域内での乗用車新車100%をZEV(EV及び燃料電池車)化」を政策パッケージとして掲げていた。 だが、ドイツが「合成燃料を使用する内燃機関もそれに含めるべき」との主張があり、当該政策パッケージに関する法案はいま、宙に浮いた状態だ。 日本が主張してきた、2050年カーボンニュートラルには多様なパワートレインを国や地域の社会状況に応じて臨機応変に対応する、マルチパスウェイに対する認識が高まっている。 いまだからこそ、パリモーターショーが目指したのが、実現に向けてけっして無理のない形でのカーボンニュートラル関連の展示、そして未来に向けた楽しい生活を送るための新しいモビリティの提案だ。 欧州で超小型車に分類される、シトロエン「AMI」が多様なカラーリングや仕様で展示されていたのは、そうしたパリモーターショー主催者の想いが具現化されたといえるだろう。

TAG: #パリモーターショー #フランス
TEXT:山本晋也
EVを蓄電池代わりにして電気代を浮かして得する……のは不可能! V2Hに経済的なメリットを求めるのは間違いだった

EVのバッテリーを住宅につなぐ「V2H」 EVの活用や補助金情報を検索していると「V2H」という言葉を見かけることがある。これは“Vehicle to Home”を省略したもので、Vehicle(クルマ)とHome(住居)をつなぐという意味。EVのバッテリーを自宅で利用できるようにする機器やシステムのことを指している。 簡単にいうと、グリッド(電線)からの電力を使わずに、EVのバッテリーに溜めてある電力で家電などを動かそうという仕組みといえる。 太陽光発電を設置しているのであれば、蓄電池を設置して電力消費を抑えるという手段もあるが、定置型蓄電池の代わりにEVのバッテリーを利用することで、蓄電池ぶんのコストを抑えつつ、電気代も抑えてしまおうというソリューションだ。 なお、日本国内で流通しているV2H機器は、急速充電CHAdeMOを利用してEVとつなぐ設計となっているものがほとんどすべてといった状況だ。そのため、CHAdeMOに対応していない一部のEVではV2Hを利用できないという現実もある。 それはともかく、V2Hを導入すると、果たしてどれほどオトクになるのだろうか。 現状での結論は、「保険としての役割を無視すると金銭的メリットが大きいとはいいがたい」といったものになる。 というのも、V2H機器の設置には工賃を含めて100万円以上のコストがかかることが多い。EV購入時の補助として知られるCEV補助金にはV2Hシステム向けの補助金もあり、それを利用すると機器代と工賃に対して、最大45万円の補助金が期待できる(過去の実績であり現時点では未発表。詳細はhttps://www.cev-pc.or.jp/hojo/v2h_contact.html)。 地方自治体によっては、さらに多額の補助金が支給されることもある。たとえば、東京都の場合であれば自己負担は20万~80万円ほどになると試算されている。

TAG: #V2H #災害
TEXT:高橋 優
テスラ・モデルYキラーに世界が驚いた! 中国シャオミの新型SUV「YU7」の「安ウマ」っぷりがスゴイ

シャオミがYU7をワールドプレミア シャオミが2車種目のEV「YU7」のワールドプレミアを行いました。驚異的な完成度を実現したことによって、いよいよテスラ・モデルY一強時代の終焉が到来する可能性が高まりました。 まず現在、シャオミはSU7を発売中であり、すでに発売開始から1年以上が経過したものの、その月間販売台数は3万台弱という規模にまで継続的に成長中です。そして、2車種目となるYU7について、全長4999mm、全幅1996mm、全高1600mm、ホイールベースが3000mmという中大型SUVセグメントに該当します。たとえばポルシェ・カイエンが全長4930mm、全幅1983mm、ホイールベースが2895mmであることから、カイエンよりもひとまわり大きいサイズ感として、大きさが求められる中国市場においても十分なサイズ感といえます。 今回のワールドプレミアにおいて発表されたYU7のスペックについて、とくに今回は直接の競合であるテスラ・モデルYと比較します。まずYU7は、RWDの標準グレードとともに、ProとMaxという3グレード展開。Proには96.3kWhのBYD、もしくはCATL製LFPバッテリーとデュアルモーターを組み合わせ、Maxには全グレード共通のV6s Plusモーターを後輪、V6モーターをフロントに搭載し、その上で101.7kWhのCATL製三元系Qilinバッテリーを搭載。 そして、エントリーグレードであるRWDグレードの航続距離は835kmを達成し、これはセダンであるSU7の94.3kWhバッテリーを搭載した、Proグレードの830kmすらも上まわる航続距離の長さです。 なぜSUVであるはずのYU7の電費がここまで優れているかの理由が、全グレード800Vシステムを採用してきているという点でしょう。電力損失を低減しながらハーネスの小型化などによる軽量化も実現可能です。確かにモデルY RWDの11.9kWh/100kmという電費と比較すると、YU7が電費で不利であるように見えます。ところがYU7はポルシェ・カイエン級の中大型SUVであり、その上で100kWh級の大容量バッテリーを搭載しているという点を加味すれば、この電費性能は中国市場においてもトップクラスの効率性であるといえるのです。 また、充電性能について、全グレード800Vシステムを採用してきたことによって、96.3kWh LFPバッテリーの場合はSOC10%から80%まで21分間で充電可能。さらに最上級Maxグレードの場合、5.2C充電に対応させることで、SOC80%まで12分間で充電可能。15分間の充電で620km分の航続距離を充電可能という、セグメントトップクラスの充電スピードを実現しています。 動力性能もまったく抜かりがなく、エントリーグレードのRWDグレードでも0-100km/h加速は5.88秒、最高速は時速240kmを実現。Maxグレードは最大690馬力を達成し、0-100km/h加速は3.23秒、最高速も時速253kmを実現します。 さらに、CDC付きのデュアルチャンバーエアサスペンションによって、最低地上高は最大で222mmを確保可能。ボンネット下には141リットルもの巨大なフロントトランクを確保しています。 また、インテリアについて、16.1インチの3Kの解像度を誇るセンタースクリーンとともに、1.1mもの横長の投影スクリーン「Xiaomi HyperVison」を初採用。リヤには6.68インチのタッチスクリーンも搭載。 これらのインフォテインメントシステムを駆動するのが、モバイルプラットフォームで採用されているQualcomm Snapdragon 8 Gen3の存在です。これはシャオミ15 Ultraなどのフラッグシップスマートフォンで主流のSoCであり、現在主流のSnapdragon 8295と比較しても性能向上が見込まれます。

TAG: #YU7 #シャオミ
TEXT:TET 編集部
テスラ・モデル3が特別価格調整で実質400万円切り!  新ストアにギガファクトリー招待のコンテストなど一挙発表

モデル3を買うなら6月30日までに駆け込むべし テスラの日本法人であるTesla Japanから3つの異なるトピックが一挙に発表された。 まずはテスラ・モデル3の車両価格に関して。テスラはモデル3の在庫車を6月30日までに注文した場合に限り、特別価格調整を行なうことを発表した。これにより、エントリーモデルのモデル3 RWDは国の令和7年度CEV補助金87万円を加味すると、実質購入金額が399万円となる。 この特別価格調整は実質的な値引きを意味し、モデル3の各グレードによってその金額は異なる。エントリーモデルのモデル3 RWDは、45.3万円の価格調整が入り車両本体価格は486万円に。モデル3 ロングレンジAWDは55万円の価格調整で566.9万円、モデル3 パフォーマンスは34.9万円の価格調整で61万円円と発表された。 3つのグレードすべてが、令和7年度のCEV補助金の対象で一律87万円となるから、モデル3 RWDの実質的な購入金額は399万円となる。さらに、東京都在住の場合を例にすると、都から最大80万円の補助金が受けられるため、319万円という衝撃的な低価格で購入することが可能となる。モデル3の購入を真剣に検討している方にとっては、迷ってる暇無しの神対応と言えそうだ。 関東・東海・近畿に新たな「テスラストア」がオープン 続いてのトピックは、テスラストアの新店舗に関する情報。 6月から7月にかけて、関東、東海、近畿の3エリアに新たなテスラストアがオープンする。これにより期間限定ストアと合わせて、全国23の拠点でテスラを体験できるようになる。また、いずれのストアも今年1月にフルモデルチェンジした新型モデルYとモデル3の2車種を展示予定だという。 各ストアのオープン日と所在地は次の通り。 ・テスラ神戸 6/14オープン 兵庫県神戸市兵庫区中之島2-1-1 ・テスラ茨城 6/21オープン 茨城県土浦市上高津367 ・テスラ名古屋則武 7/5オープン 愛知県名古屋市西区則武新町 3-1-17

TAG: #キャンペーン #テスラ #モデル3 #新店舗
TEXT:琴條孝詩
EV乗りにとって恐怖の電欠! EVオーナーが語る地獄を見ないための5箇条

最新のEVでも油断は禁物 電気自動車(EV)に乗るうえで気になるのが「電欠」だ。ガソリン車の「ガス欠」に相当し、とくに長距離ドライブや土地勘のない場所では不安になる。EVの航続距離は年々伸びているが、それでも油断は禁物だ。いざというときに慌てないためには、電欠時の対処法と事前の備えを知っておく必要がある。 <電欠直前ではとにかく停車!> ほとんどのEVユーザーは、電欠にそなえて早め早めの充電を心がけ、また急速充電器の場所を事前に調べていることだろう。しかし、予定していた急速充電器が故障中などで使用できなかったときに「その事態」は訪れる……。 通常、多くのEVはバッテリー残量が20〜10%を切ると、車両の警告が表示される。さらに残量が少なくなると、出力制限がかかるなど走行性能に影響が出る。そういう状態でアクセルの反応が鈍くなったと感じたら、すぐに停車を検討すべきだ。高速道路を走行中に電欠が迫った場合は、サービスエリアやパーキングエリア、または非常駐車帯にできるだけ早く退避する。一般道ではコンビニやスーパーの駐車場、公共施設の駐車場など、安全でほかの利用者の迷惑とならない場所を選ぶ。 電力が完全に尽きるとハザードランプも使用できなくなる可能性があるため、早めの判断が重要となる。 <ロードサービスやアプリを活用> 停車後は、保険会社のロードサービスやJAF、カーメーカーの緊急サービスセンターなどに連絡する。EVのなかには、車内からオペレーターに連絡できるボタンが備わっているものもある。事前に緊急時の電話番号も調べておくといい。 近年、JAFなどのロードサービスではEV対応を強化しており、EV専用の可搬型急速充電車やレッカーによる牽引が行なわれる。応急的に普通充電を行えるサービスもあり、数kmの移動に必要な電力を確保することも可能だ。

TAG: #対策 #電欠

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