コラム
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EVが静かすぎて歩行者に気付かれない問題! 簡単に解決できるのに法が邪魔をするってどういうこと?


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:日産/TET 編集部
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日本ではふたつ以上のホーンを装備できない

私は、静かなEVであるからこそ、窓ガラスを開けて「クルマが通ります」と、歩行者へ話しかけるようにしている。これこそが、クルマと歩行者の親近感や信頼感を高める最良の方法だと思う。

そのうえで、1990年に米国カリフォルニア州でZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)法が施行されて間もなく、ゼネラルモーターズ(GM)が試作したインパクト(のちにEV1として発売)は、通常のクラクションのビーッという警告音と別に、パフパフゥ~という軽妙な音色のホーンを設け、歩行者などへ接近を知らせる手立てとしていた。その際は同時にハザードランプも点滅させ、見た目にもわかりやすくしていた。この音色には、思わず笑みがこぼれるようなおかしさがあり、これを、日本を含め世界的に活用したらいいのではないかと思った。

GM EV1

ところが日本では、かつて暴走族が3連ホーンを鳴らしながら街を走った際の取り締まりの理由として、ふたつ以上のホーンを装備してはならないという車両規則があるようだ。このため、EVやモーター走行するクルマのために、GMのインパクトで用いられたような第2のホーンを装備することができないというのである。

そんなバカげた話があるだろうか。

たとえ法改正までしなくても、EVやモーター走行するクルマのためとした特例を設け、実現すれば、みなが幸せになれる。

杓子定規とはまさにこのことだろう。法律ありきで現場や現実を知らない役所仕事が、消費者の快適な暮らしを圧迫する一例といえるのではないか。

EVのイメージ

それから、各自動車メーカーが独自に趣向を凝らした人工音を作り、通報音としている現実にも疑問がある。

もともと通報音は、もっとも危険や不安を感じやすい目の不自由な人のために設けられた経緯がある。目の不自由な人にとって、さまざまな音色があったのでは、どれが通報音であるか区別がつきにくくなる。本末転倒なことを、自動車メーカーは国内外ともに平気でやっているのである。

個性ある通報音などいらない。世界共通の通報音であることによって、はじめて、本来の目的が達せられるはずだ。

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