惜しげもなくJCWらしさを表現したエクステリア
エクステリアはこの新型MINIシリーズのデザイン言語である「カリスマティック・シンプリシティー」に基づき、ミニマルなデザインを採用しつつも空力性能の向上に努めている。
アンダーボディとグリルは完全に閉じられ、空気抵抗を大幅に抑制。フロントバンパーとリヤスポイラーが生み出すダウンフォースは、車体を路面にしっかりと密着させ、抜群の安定感を実現しているのだという。リヤディフューザーは空気抵抗の低減だけでなく、JCWカラーに彩られ手が込んでいる。
フルクローズドグリルには新デザインのJCWチェッカーフラッグのエンブレムがあしらわれ、迫力あるフロントリップと鮮烈なチリレッドのアクセント、さらには赤のソリッドカラーで描かれたボンネットストライプで、精悍かつサーキットにインスパイアされた独特の外観を作り上げている。
むろん、ホイールやブレーキもジョン・クーパー・ワークスは専用のものが奢られ、徹底した高性能化が図られている。
また、新型MINIのアイコンともいえるアダプティブ・ライト、ハイビーム・アシスタントが標準装備されたLEDヘッドライトと、3種類の点灯方法が選択できるLEDシグニチャーライトは、このジョンクーパーワークスモデルにも継承されている。
サスティナビリティとスポーツを両立した内装
インテリアに目を移しても、Eブースト・パドル付JCWスポーツステアリングや電動のJCWスポーツシートが、ハイパフォーマンスモデルらしいエッセンスとなって印象的な空間を作り上げている。
緩やかなカーブを描くダッシュボードには、布地を連想させる新しい素材を初めて採用している。リサイクル・ポリエステルを使用したこの新素材は、特別に開発された編み物を作るような製造プロセスにより、手入れが簡単な構造になっており、温かみのある新素材によって作られている。
また、その表面にはブラックとレッドのデザインパターンが施され、スポーツマインドを掻き立てるのにひと役買っている。
ステアリングの背後に通常は備わるメーターパネルは基準車と同じく廃止され、直系240mmの有機EL大型円形センターディスプレイがその役目を担う。ほかの最新モデルと同様に、このMINIでもエアコンやAR機能付きナビなど各種設定もこのディスプレイが実施する。
また、ヘッドアップディスプレイに運転に必要な情報を映し出すことが可能で、これらの相乗効果により前方の視界が開け、広々とした室内空間を手に入れている。
先進安全機能は基準車でも充実しており、高い評価を得ているが、ジョン・クーパー・ワークスモデルでもそれらは引き継がれているから、安心感を持ってこのスポーツモデルの手綱を握れるはずだ。
EVならではの低重心と、MINIならではの「ゴーカートフィーリング」と呼ばれる軽快な走りの組み合わせ、これが面白くないはずはない。納車は2025年第二四半期以降を予定しているということだが、いまからそのステアリングを握るのが楽しみでならない1台だ。
メーカー希望小売価格は、MINIジョンクーパーワークスEが616万円、MINIジョンクーパーワークス エースマンEが641万円に設定されている。