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電池コストを下げるのが難しい
だが、メーカー各社によるEV導入の経緯を振り返ってみると、EV固有の技術要素や部品、製造方法などが、ガソリン車やハイブリッド車に比べて高価であり、クルマとしての原価がかなり高いという状況が続いた。
そして、やはりキーポイントは電池だ。近年はかなりコストが下がったが、一時はEV原価の半分から3分の1は電池コストといわれてきた。
リチウムイオン二次電池のコストは、電池セルから電池モジュール、そして電池パックとした状態でkWhを米ドル換算して算出されることが多い。2000年代後半には500ドル以上だったものが、近年は100ドルを切るレベルまでになっている。
それでも電池コストが大きく下がらないのは、電池容量の大型化がEV市場で常識になってきたからだといえよう。
初期日産リーフのバッテリーは24kWhだったが、最近はCセグメントEVでも70kWh前後が当たり前になっており、高級EVでは100kWh超えという状況も珍しくない。
今後については、自動車メーカー各社が全固体電池などさらにコスト高な新技術の導入を計画している一方で、リン酸鉄系電池についてもコストメリットを優先した仕様の量産計画も同時進行させている。
さらに、EVの「所有から共有」が進み、モビリティの需要予測が的確に行えれば、、需要量が多いEVについては電池容量が適正化され、結果的に電池コストが下がることも考えられるだろう。
そのほかにはEVのリセールバリュー(再販価格)も気になるところだ。EV本格普及に向けて、まずは新車価格抑制に期待したい。
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