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まだCO2うんぬんじゃない80年前にEVが走っていた! 日産リーフのご先祖「たま」が想像よりスゴイクルマだった


TEXT:山本晋也 PHOTO:山本晋也/日産/TET 編集部
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性能試験では航続距離96kmを達成

ボディサイズは全長3035mm・全幅1230mm・全高1618mm、ホイールベース2000mmというもので、現在の軽自動車よりも小さな寸法となっています。

ちなみに、日産の軽EV「サクラ」のサイズは全長3395mm・全幅1475mm・全高1655mm。見比べてみると全長はさておき、「たま」の全幅がかなり狭いことがわかります。筆者は「たま」の後席に乗って試乗した経験がありますが、たしかに最新の軽自動車とは比べるべくもないキャビンで、遊園地のアトラクション的な乗りもの感覚だったと記憶しています。

日産サクラのフロントスタイリング

それもそのはず、「たま」の性能は、いまの視点からすると公道を走っていたことが信じられないほど貧弱なのです。

後輪を駆動するモーターの定格出力は3.3kW(約4.5馬力)で、カタログスペックの最高速度は35km/h。バッテリーを有効に使える経済速度は28km/hとなっています。つまり、性能的には50ccエンジンのミニカー相当であったといえるレベルなのです。

カタログスペックでの一充電航続距離は65kmとなっていますが、伝え聞くところによると当時の公的な性能試験において96kmの航続距離を達成したといいますから、その点においては、意外に実用的だったといえそうです。

たまの走り

「たま」が積んでいたバッテリーは、もちろん鉛電池。スペックは40V・162Ahと発表されています。ここからバッテリー総電力量を計算すると約6.48kWhとなります。SAKURAのバッテリーが20kWhですからだいぶ小さいバッテリーであったことがわかります。それでもリアルワールド的なテストで96kmも走ったというのは驚きでしょう。

そして、「たま」のバッテリーが、2Vタイプのユニットを20個積むという設計となっている点は、最新のEVに通じるものがあります。搭載位置が床下であるのも、現在と共通。ある意味、EVの基本パッケージは70年以上前から変わっていないといえるかもしれませんね。

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