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あと数年でモータースポーツからエンジンは消える? 本格EV時代を占う


TEXT:桃田健史 PHOTO:日産/トヨタ/マツダ/TET 編集部
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最注目はジムカーナ!

最近、EVシフトが「踊り場」ともいわれる。だが、自動車メーカー各社は、「2030年代になるとEV本格普及が始まる」という見解で一致している。

そうなると、ユーザーにとっては日常生活のなかだけではなく、参加型モータースポーツでもEVを使う時代がやってくるはずだ。なかでも注目したいのが、ジムカーナだ。

ジムカーナのイメージ

舗装路面にパイロンを立てコースをつくり、1台ずつコースインしてタイムアタックするわけだが、EVの加速のよさ、トルクの立ち上がりの速さから、リーズナブルな価格帯のEVでもかなり高いパフォーマンスを見せるのではないだろうか。

走行時間も短いので、電池の消耗があまり気にならないのもよし、エンジン排気音がないので市街地に比較的近い場所での実施も可能かもしれない。

では、サーキットでのレースについてはどうか?

現状では、トップカテゴリーとしてのフォーミュラEがあり、また量産車を基本としたEV専門レースシリーズも開催されている。耐久レースでも近年、電動化の波が押し寄せているところだ。

フォーミュラEのイメージ

ただし、F1、WRC、WEC、スーパーGT、インディカー、NASCARといった既存モータースポーツが2030年代になるとすべてがEV化するとはいい切れないはずだ。エキゾーストノートによる空気や地面の振動を感じるエンタメとして、長きに渡りファンの身体と頭に刻み込まれているからだ。

スーパーGTのイメージ

むろん、社会事情や国の政策などにより、大規模イベントとしてのモータースポーツが生き延びるためには、EV化を選択せざるを得ない時が来るのかもしれない。その場合、これまでのマシンにモーターや電池を搭載するような、コンバージョンのような発想ではなく、EVの特徴を活かしたまったく新しいモータースポーツシリーズへと進化するべきだろう。

別の視点で注目されるのが、近年急速に存在感を増しているeスポーツだ。モータースポーツ関連でも、eスポーツは老若男女が気軽に楽しめる。また、eスポーツのトッププレイヤーたちの実車に対する対応能力の高さは驚くべきものがある。

マツダ・スピリット・レーシングのイメージ

たとえば、マツダが実施しているマツダ・スピリット・レーシングとしての、eスポーツからロードスター実車走行実習、さらにパーティレース、マツダ耐久レース、そしてスーパー耐久というステップアップボードのなかで、すでにeスポーツ出身者が実績を積み上げているところだ。そうしたeスポーツと、EVを使ったモータースポーツの親和性は高いように感じる。

2030年代、EVモータースポーツの姿を想像しながら、現行モータースポーツの行方を見守っていきたい。

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