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中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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L6を競合車と比較! Lightyearグレードは地球上最高のコスパ

それでは、今回のL6がどれほどのコスト競争力を実現することができているのかを、競合となるシャオミSU7、ファーウェイLuxeed S7、Zeekr 007、およびテスラ・モデル3パフォーマンスと比較していきたいと思います。

※シャオミSU7

まず注目するべきは、その電費性能という観点です。L6のAWDパフォーマンスについては、100kWhバッテリーを搭載して、航続距離は最大780kmを実現。そして、注目の電費性能は13.8kWh/100kmを実現しています。この電費性能がどれほど優れているのかというと、これまで最高のAWDの効率性を実現していたシャオミSU7 Maxが13.7kWh/100kmという電費性能であったことから、その最高性能を実現するシャオミSU7と同等クラスの電費性能を実現しているわけです。

他方で、これまで電費性能のベンチマークであったテスラ・モデル3は、とくにパフォーマンスグレードの電費性能は14.4kWh/100kmと、今回のL6やSU7、さらにはファーウェイLuxeed S7に負け越してしまっている状況です。

※Luxeed S7

また、パフォーマンス性能についても、モデル3は0-100km/h加速が3.1秒と、SU7の2.78秒であったり、L6の2.74秒の後塵を排してしまっている状況です。よって、パフォーマンス性能でも劣っているにもかかわらず、テスラのお家芸でもあった電費性能でも劣っているという点は、テスラに期待していた両方の観点で期待外れなわけです。

パフォーマンス性能比較

また、充電性能という点では、L6については最大396kWという充電出力に対応。15分間で最大560km分の航続距離を回復可能です。これは、SU7 Maxの15分間510kmであったり、Luxeed S7 Max RSの315kmなどと比較しても明らかに優れた充電性能です。やはり、EV性能、動力性能という観点で、IM L6はシャオミSU7と肩を並べるベンチマーク的な存在であることが見て取れます。

また、L6の最小回転半径は4.99mと、競合とは比較にならない操作性を実現しています。縦列駐車の機能性も含めて、L6の大きなアピールポイントとなることは間違いありません。

そして、値段設定について、L6 Maxパフォーマンスの場合、日本円で616万円と、競合となるSU7やZeekr 007と比較しても、さらに安価な値段設定を実現。モデル3パフォーマンスと比較すると、その値段差は100万円以上にも達しています。

IMモーターL6の内装

また、そのコスト競争力の高さを比較するために、値段設定と航続距離との相関関係を示したグラフを見てみましょう。左上に行けば行くほど、コスト競争力が高いことを示します。

この通り、グリーンで示しているL6については、コスパ最強の称号を獲得しているZeekr 007と比較してもほぼ同等クラスを実現しながら、シャオミSU7とも同等水準のコスパを実現している様子が見て取れます。

何よりも固体電池を搭載したLightyearグレードについては、航続距離1000km以上を実現しながら、日本円で702万円から購入可能であり、航続距離に対するコストパフォーマンスという観点では、間違いなく地球上最高のコスパを実現しています。

IMモーターL6の内装

ちなみに、その標準装備内容の充実度合いについて、L6 Maxパフォーマンスに関しては、

・車両一面に広がる26.3インチ、および助手席側まで伸びる15.5インチの超横長のタッチスクリーン、車両中央に位置する10.5インチのタッチスクリーンというトリプルスクリーンシステムを標準で装備

・USB Cポートは60Wと急速充電化。スマホのワイヤレス充電も強制空冷式をふたつ完備し、50Wと急速充電化

・シート1列目についてはシートヒーターとシートクーラーを標準装備

・2列目についても背もたれ調整が可能、ミッドサイズセダンとしてはゆとりの空間を確保

・ワンペダル走行が可能であり、256色のアンビエントライトも標準装備

・サッシュレスドア、隠しドアハンドル、リヤウインドウに至るまで全面のラミネートガラスを採用

・ロードノイズキャンセリング機能を標準装備することで、10dBほどキャビン内の静粛性を高めることが可能

・WANOS製の21スピーカーシステムが標準装備

IMモーターL6の内装

・標準装備ではないものの、CDC付きエアサスペンションが8万円ほどで装備可能

・冷蔵庫が装備

・Nvidia Drive Orin-Xが装備されていることで、高速道路と共に市街地におけるNOAにも対応

・最大6.6kWのV2L機能にも対応

・車両保証が5年15万km、バッテリー保証も8年24万kmと、極めて手厚い保証内容

IMモーターL6のリヤスタイリング

そして、L6の売れ行きを占ううえで注目するべきは、プレミアムEVセダンセグメントの週間登録台数のデータです。黄色のラインで示されたモデル3については、ハイランドへのモデルチェンジが行われたものの、Q2に突入して以降登録台数が上がってきていない状況です。これはZeekr 001、007、ファーウェイLuxeed S7、シャオミS7といった競合のEVセダンによる圧力が高まっていることを示している可能性があります。

果たして、今回のIMモーターL6が投入されることでどれほどの販売台数を実現できるのか。正式発売後1週間で1万台以上の確定注文を獲得したと発表されたものの、モデル3包囲網というレッドオーシャンのなかで、激しい戦いが幕を開けようとしています。

IMモーターL6と購入者

この中国でもっともホットなミッドサイズEVセダンの販売動向については今後も注目していきたいと思います。

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