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現役SF/GTドライバーに注目のF1育成ドライバーも参戦決定! 2024全日本カート選手権EV部門のドラフト会議が開催


TEXT:斎藤 充生 PHOTO:トムス/斎藤 充生/TET編集部
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いよいよ開幕の2024全日本カート選手権EV部門

6月15日(土)・16日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで2024年シーズンの開幕を迎えた全日本カート選手権EV部門。それに先立ち、5月30日には東京都のシティーカート東京ベイで、チーム参戦体制の発表と一風変わった選手の最終選考会が行われた。

別の記事でも取り上げている通り、今シーズンの全日本カート選手権EV部門は、テスト的な位置づけであった過去2シーズンを経て、年間5レースから成る初の本格的なシーズンへと変貌した。開幕戦と第2戦はスポーツランドSUGO、残りの3戦はシティーカート東京ベイでの開催だ。

2024全日本カート選手権EV部門の開催日程

全車がトムス製作によるEVカート「TOM’S EVK22」を使用するワンメイクレースで、各チームに供給されるマシンは、「トムスセンターコントロール型メンテナンス」と呼ばれる方式で製作元のトムスがメンテ・管理を行い、メカニックを務めマシンのコンディションが一定に保たれる。

全日本カート選手権EV部門に使用されるEVカート「TOM'S EVK22」

そのマシンを使用して参戦するチームは全6チーム。1チームあたり2台参戦するため、毎レース12台による戦いとなる。全5レース中、獲得ポイントの多い4レース分の合計ポイントでチャンピオンシップを争う有効ポイント制度が採用されている。各大会の優勝者には、トムスが実施しているフォーミュラカレッジ初級コース参加権、年間王者には若手の登竜門として行われているFIA-F4のルーキーテスト参加権利が授与される。この辺りはシリーズが目指す若手育成を意識した賞典の設定だ。

2024全日本カート選手権EV部門のポイントシステムと賞典

参戦チームと選抜選手

チームの内訳は以下のとおり。国内四輪レースのトップカテゴリー「スーパーフォーミュラ」と「スーパーGT」に参戦するチームや、女性のためのワンメイクレースとして人気の「KYOJO CUP」参戦チームなど、顔ぶれは豪華だ。チーム代表にも鈴木亜久里氏、舘 信秀氏、近藤真彦氏などのビッグネームが揃う。

CVSTOS×AGURI EV Kart Racing Team 代表:鈴木亜久里
REALIZE KONDO EV Kart Racing Team 代表:近藤真彦
ANEST IWATA EV KartRacing Team 代表:武田克己
HIGHSPEED Étoile Racing EV Kart Team 代表:中川隆太郎
KNC EV Kart Racing Team 代表:子安英樹
TOM’S EV Kart Racing Team 代表:舘 信秀

一方で、それらチームの所属選手はどうかというと、四輪モータースポーツ好きではあるが、カートまではフォローしきれていない筆者が見ても、魅力のあるラインアップが完成したと感じるレベルだ。

全日本カート選手権EV部門では、事前オーディションを経て最終選考に残った12名のドライバーがドラフト会議にかけられ、所属チームが決定する仕組みを今シーズンから採用した。ただし、各チームは所属選手2名のうち1名だけ「選抜選手」としてドラフト外からも起用することができるため、最終選考の12名がいずれかのチームから必ずレースに出場することが確約されているわけではないことも興味深いし、選抜選手として誰を起用してくるのかも興味の対象となる。

2024全日本カート選手権EV部門 ドラフト会議の仕組み

選抜選手を用意してきたのは4チーム。鈴木亜久里氏が率いるCVSTOS×AGURI EV Kart Racing Teamは、スーパーGTでも鈴木氏が代表を務めるARTAから参戦している佐藤蓮選手を起用。今シーズンから最高峰GT500クラスに参戦し、第3戦鈴鹿では早くも3位表彰台を獲得。全日本スーパーフォーミュラ選手権では中嶋 悟氏が率いるPONOS NAKAJIMA Racingから3シーズン目を戦っているところだ。カートに関しても全日本カート選手権OKクラスを2年連続で制するなど、非常に能力の高い選手と言える。

2024全日本カート選手権EV部門に参戦する佐藤蓮選手がスーパーGTでドライブする16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R

近藤真彦氏が代表を務めるREALIZE KONDO EV Kart Racing Teamも、チームの母体であるKONDO Racingから全日本スーパーフォーミュラに参戦中の小高一斗選手を選抜選手として起用する。F1に参戦中の角田裕毅選手とは親交が深く、今年4月には共同主催でカートイベントを開催したほか、角田の帰国時にはたびたびSNSに登場するなど、何かとそちらで注目されがちだが、2022年のスーパーフォーミュラライツ選手権覇者であり、スーパーGT300クラスでも速さを見せており、実力は折り紙付きだ。

ほかにも、スーパーGT300クラスに参戦中のANEST IWATA EV KartRacing Teamは、スーパーフォーミュラライツやGT300に参戦中のイゴール・フラガ選手を選抜起用。彼はレーシングシミュレーターゲーム「グランツーリスモ」の2018年ワールドシリーズ王者でもあるので、リアルレーサーとeスポーツ選手の二刀流レーサーという異色の存在。

また、舘 信秀氏が率い、過去10年でスーパーフォーミュラのドライバータイトルを3回、チームタイトルを3回、スーパーGT GT500クラスでもドライバータイトルを3回、チームタイトルを4回制覇している強豪チーム「トムス」を母体とするTOM’S EV Kart Racing Teamは、全日本ジュニアカート選手権をはじめとした舞台で実績を残している女性ドライバーの金本きれい選手を選抜選手として指名している。

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