#EVカート
TEXT:TET 編集部
イオンモールの駐車場で合法的にタイムアタック! 柏の「インディカート」に電動カートが登場

スピード制御機能で子どもや初心者も安心 サーキットというと騒音や土地取得の問題から、どうしても郊外に建てられがちだ。しかし、インディアナカートジャパンが運営する「インディカート」は、そんな常識を覆し、千葉県のイオンモール柏の6階屋内駐車場を使って「街なかのサーキット」を実現させている。 オープンしたのは2023年7月で、広大なショッピングモールという特性を活かして環境問題をクリアしつつ、遊休区画を使用することで施設の有効活用にもつなげている。一般的な駐車場内は徐行が求められるし、タイヤのスキール音を豪快に鳴らしてコーナリングするなんてご法度だ。しかし、ここはカート専用区画として使用していることから、合法的に思う存分駐車場内を疾走することができる。 イオンモール柏の買い物客はもちろんのこと、団体による貸切イベントや個人レジャーでの利用など、屋内駐車場だから天候を気にすることもなくカートを心底楽しめるとあって人気の施設となっている。 そんなインディカートに電動カートが2024年7月6日から登場することとなった。使用するマシンはトライバルが取り扱うSegway-Ninebotブランドの「Ninebot Gokart PRO(ナインボット ゴーカートプロ)」だ。 インディカートで現在使用しているエンジンカートは、車体に取り付けられたセンサーとコース監視用のWifiがリンクし、スピードが出過ぎないように制御する機能を有している。今回導入される電動カートでも同様の仕組みが搭載され、子ども向けの8km/hから最高速度37km/hまで、搭乗者のレベルに合わせて4段階のスピード設定が可能だという。したがって、カート未経験者や子ども連れでも安心してカートを楽しめるというわけだ。 電動カート「Ninebot Gokart PRO」は、インディカートで使用中のエンジンカートに比べると車体がコンパクトなため、コーナリングは小まわりの利いた独特なフィーリングが得られるという。また、エンジンカートも引き続き営業中だから、両車の走行フィールを比較試乗するというマニアックな楽しみ方もできる。 また、先ほどのスピード制御機能だけでなく、小さな子どもでも電動カートが楽しめるようにキッズ専用コースも設置されている。年齢に関係なくイオンモール柏で友人たちと買い物や食事のついでにタイムアタックしてみたり、母と娘がショッピングしている間に父と息子はカートへ、なんていう時間の使い方も可能だ。もちろんカートを体験するにあたって必要となるヘルメットやキッズ用のプロテクター類は、店舗で貸し出しているから手ぶらで訪れても問題ない。 屋内駐車場の柱をぬって駆け抜けるコースは1周約250m。1回4分間のタイムアタック走行が土日祝日は1700円、平日なら1600円で楽しめる。一度体験して虜になったら、割引率の大きい複数回分の走行券を買って走り込んでみるのがおすすめだ。 ぜひ、エンジン車とEVの違いをインディカートで体験してもらいたい。

TAG: #EVカート #イオンモール #モータースポーツ #レジャー施設
TEXT:斎藤 充生
現役SF/GTドライバーに注目のF1育成ドライバーも参戦決定! 2024全日本カート選手権EV部門のドラフト会議が開催

いよいよ開幕の2024全日本カート選手権EV部門 6月15日(土)・16日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで2024年シーズンの開幕を迎えた全日本カート選手権EV部門。それに先立ち、5月30日には東京都のシティーカート東京ベイで、チーム参戦体制の発表と一風変わった選手の最終選考会が行われた。 別の記事でも取り上げている通り、今シーズンの全日本カート選手権EV部門は、テスト的な位置づけであった過去2シーズンを経て、年間5レースから成る初の本格的なシーズンへと変貌した。開幕戦と第2戦はスポーツランドSUGO、残りの3戦はシティーカート東京ベイでの開催だ。 全車がトムス製作によるEVカート「TOM’S EVK22」を使用するワンメイクレースで、各チームに供給されるマシンは、「トムスセンターコントロール型メンテナンス」と呼ばれる方式で製作元のトムスがメンテ・管理を行い、メカニックを務めマシンのコンディションが一定に保たれる。 そのマシンを使用して参戦するチームは全6チーム。1チームあたり2台参戦するため、毎レース12台による戦いとなる。全5レース中、獲得ポイントの多い4レース分の合計ポイントでチャンピオンシップを争う有効ポイント制度が採用されている。各大会の優勝者には、トムスが実施しているフォーミュラカレッジ初級コース参加権、年間王者には若手の登竜門として行われているFIA-F4のルーキーテスト参加権利が授与される。この辺りはシリーズが目指す若手育成を意識した賞典の設定だ。 参戦チームと選抜選手 チームの内訳は以下のとおり。国内四輪レースのトップカテゴリー「スーパーフォーミュラ」と「スーパーGT」に参戦するチームや、女性のためのワンメイクレースとして人気の「KYOJO CUP」参戦チームなど、顔ぶれは豪華だ。チーム代表にも鈴木亜久里氏、舘 信秀氏、近藤真彦氏などのビッグネームが揃う。 CVSTOS×AGURI EV Kart Racing Team 代表:鈴木亜久里 REALIZE KONDO EV Kart Racing Team 代表:近藤真彦 ANEST IWATA EV KartRacing Team 代表:武田克己 HIGHSPEED Étoile Racing EV Kart Team 代表:中川隆太郎 KNC EV Kart Racing Team 代表:子安英樹 TOM’S EV Kart Racing Team 代表:舘 信秀 一方で、それらチームの所属選手はどうかというと、四輪モータースポーツ好きではあるが、カートまではフォローしきれていない筆者が見ても、魅力のあるラインアップが完成したと感じるレベルだ。 全日本カート選手権EV部門では、事前オーディションを経て最終選考に残った12名のドライバーがドラフト会議にかけられ、所属チームが決定する仕組みを今シーズンから採用した。ただし、各チームは所属選手2名のうち1名だけ「選抜選手」としてドラフト外からも起用することができるため、最終選考の12名がいずれかのチームから必ずレースに出場することが確約されているわけではないことも興味深いし、選抜選手として誰を起用してくるのかも興味の対象となる。 選抜選手を用意してきたのは4チーム。鈴木亜久里氏が率いるCVSTOS×AGURI EV Kart Racing Teamは、スーパーGTでも鈴木氏が代表を務めるARTAから参戦している佐藤蓮選手を起用。今シーズンから最高峰GT500クラスに参戦し、第3戦鈴鹿では早くも3位表彰台を獲得。全日本スーパーフォーミュラ選手権では中嶋 悟氏が率いるPONOS NAKAJIMA Racingから3シーズン目を戦っているところだ。カートに関しても全日本カート選手権OKクラスを2年連続で制するなど、非常に能力の高い選手と言える。 近藤真彦氏が代表を務めるREALIZE KONDO […]

TAG: #EVカート #トムス #モータースポーツ
TEXT:斎藤 充生
マッチも亜久里もチームを率いて参戦! なぜトムスは「EVカート」に本気なのか?

モータースポーツ業界の起爆剤として期待 違和感を覚えたトムスのEVカート開発 トヨタ車のカスタマイズ・チューニングパーツの開発販売と、国内屈指の強豪レーシングチームを運営するトムスが、ここまでEVカートに熱心だったとは恐れ入った。 遡ること2年前。突如トムスがEVカートの開発ならびに全日本カート選手権にEVクラスを新設すると発表した。それまでレーシングフィールドで培った技術を、市販乗用車向けパーツに還元する形でその開発・技術力を証明してきていたものの、それがレーシングカートとなると少々畑違いな気がした。 それが、2024年5月30日にシティーサーキット東京ベイで行われた全日本カート選手権EV部門の参戦ドライバー最終選考会議、およびチーム体制発表会を取材して、考えが180度変わった。この取り組みに対し、ひとりのモータースポーツファンとして大いに応援したい気持ちになった理由を報告したい。 トムスのEVカートは「TOM’S EVK22」と呼ばれ、出力24kW、最大トルク100Nm、最高速度125km、0-100km/h加速は4.0秒という性能を持つ。これがどのぐらいの性能なのかというと、新東京サーキットでのラップタイムは全日本カート選手権の最高峰クラス「OKクラス」のわずか2秒落ち、入門カテゴリーの「KTクラス」に比べると5秒ほど速く、レーシングカートとして必要十分な性能を持つ。 今回の発表会は、前半が大会の概要説明、後半が2024年度の全日本カート選手権EV部門の各チーム参戦体制発表、ならびに参戦ドライバーのドラフト会議といった構成で行われた。 本稿では、前半の大会概要説明の部分について触れていきたいが、重要なのは開催に至る背景と取り組み方で、それこそが180度考えが変わった点だ。なので、そこにフォーカスして以下お伝えしたいと思う。 カートを取り巻く現状 大会概要説明はトムス代表取締役社長の谷本勲氏から行われ、モータースポーツにおいてのカートの立ち位置から話が始まった。サーキット四輪レースを頂点とした場合、本来カートは身近な存在であり、だれもが気軽に体験できるモータースポーツの入口ではないかと谷本氏は説く。 事実、現在国内外で活躍するトップドライバーの多くは幼いころからレーシングカートで経験を積み、四輪レースへと昇格している。また、成人であっても趣味としてカートを楽しむ方は多く、スポーツとして見た場合の対象年齢は幅広い。野球で例えるなら、軒先でのキャッチボールに始まり、地域の少年野球団から高校野球を経てプロ野球に入団するステップアップの面もあれば、社会人になってから趣味で草野球に参加するのも、野球というスポーツを楽しむひとつの在り方で、カートもそうなっていなければならないということだ。それだけにカートはモータースポーツ業界全体にとって入口であり重要だ。 しかし、カート競技に出場するためのライセンス発給数は、1995年の9703人をピークに、2023年には4863人まで減少しているという。 この統計変化について谷本氏は、1980年代末から1990年代前半までの第1次F1ブームを例に挙げた。選手に憧れてカートを始めたり、F1ブームにあやかったテレビ番組やコンテンツに影響されて始めたりといった背景が大きく影響したのではないかと分析する。 かくいう私も、小学生の頃、お昼の人気番組にアイルトン・セナや片山右京がゲスト出演したのを見たし、他番組では星野一義、鈴木亜久里、近藤真彦といった国内のトップドライバーが芸能人とカート勝負をして番組を盛り上げ、カートの魅力に引き込まれた記憶がある。それが直接的なきっかけかは記憶が定かではないものの、同級生を誘っていまは無き多摩テックや自転車で行ける範囲にあったレンタルカート場に、なけなしの小遣いで通ったりもした。 しかし、いまはどうだろう。地上波テレビ番組はおろか、Youtubeをはじめとしたインフルエンサーマーケティング、動画コンテンツにおいては、有名人の自動車カスタムや経営者層が乗る高級スポーツカーの自慢大会こそあれども、自動車レースの原体験的なカートを取り上げたコンテンツは非常に少ない印象だ。 加えて全国に約80箇所あるカートコースは売上がピーク時の5分の1にまで減少し、ライセンス発給数以上にカートを体験する人数が減少し、市場がシュリンクしているではないかと谷本氏は現状を憂いている。それは競技会の開催数も同様で減少の一途だ。 この現状を打破し、モータースポーツ業界全体の活性化につなげたいということで、奮い立ったのがトムスでありEVカートなのだ。

TAG: #EVカート #トムス
SDGs 氷上電気カート競技会 ERK on ICE(photo=日本EVクラブ)
TEXT:福田 雅敏
EVカートでアイスダンス……氷上EVカート競技「ERK on ICE」の申込みが9月9日まで

腕に関係なく参加が可能 日本EVクラブは、新感覚のEVモータースポーツ「第4回SDGs氷上電気カート競技会 ERK on ICE」を開催する。 筆者は第1回からこの「ERK on ICE」にスタッフとして参加している。「ERK on ICE」は、普段モータースポーツとは無縁のアイススケートリンクを使用し、電動レーシングカート(ERK)を滑るように走らせるイベント。普段味わうことができないクルマの挙動の面白さを体験できる唯一無二の機会である。 レース経験やテクニックに応じたクラス分けをしているため、経験を問わず気軽に申し込め、無理なく楽しめる内容となっている。3回目の開催となった昨年は、小学生や障害を持った方も参加し、氷上での新しいEVモータースポーツへの関心の高まりと同時に、裾野の広がりを感じた。

TAG: #EVカート #イベント #モータースポーツ
「シティサーキット東京ベイ」のイメージ(photo=トムス)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
お台場にクルマのテーマパークが復活……トムスが「メガウェブ」跡地にてEVカート場を運営[2023.08.18]

「メガウェブ」がEVカート専用のサーキットにパワーアップして事実上の復活 「静か」「臭くない」EVゆえに可能なモータースポーツの新しい世界 【THE 視点】レーシングチームを運営するトムスは8月15日、モータースポーツのエンターテインメント施設「シティサーキット東京ベイ」<東京都江東区>を、2023年10月下旬に開業予定と発表した。国内最大級のEVレーシングカート用の本格サーキットがお台場に誕生する。 トムスは、「全日本カート選手権」のEV部門の車両開発を手掛けている。この施設ではそのノウハウを活かし、一般人がEVカートを中心にモータースポーツを手軽に体験できるエンターテイメント施設となるという。 屋外と屋内にコースを設置し、実車はもちろんVRによるe-モータースポーツの体験コンテンツも用意する。特に屋内コースでは、プロジェクション・マッピングなどの演出を取り入れたコースになるという。また、キッチンカーによるフードサービスやラウンジ/サウナといった施設も併設する計画もあるとのこと。 施設は、複合施設「パレットタウン」の跡地の一部を利用する形となる。自動車ファンならご存じだろうが、ここはかつてトヨタが運営していたクルマのテーマパーク「メガウェブ」があった場所だ。東京臨海高速鉄道「りんかい線」の「東京テレポート駅」が目の前なので、アクセスは抜群である。 EVカートは、「静音」「排出ガス無し」「デジタル制御」という特性を持つ。これにより騒音の軽減/環境負荷の低減/安全性の向上を実現でき、これまでは郊外に限られていたサーキットを都市部に作ることが可能となった。夜間の営業も可能となり、インバウンド観光や夜間観光(ナイトライフ観光)の促進も期待できる。 EVカートは静かでクリーンということで、実は十数年前に日本EVクラブがこのベイエリアにてEVカートのナイトイベントを行なったことがある。筆者も参加し、EVでしかできないモータースポーツの世界があると実感したものだ。 昨年も、このベイエリアにてEVカートのイベントが行われている。さらに来年は、「フォーミュラE」もお台場を中心にコースが設定される予定だ。今まで一般の人から忌み嫌われていた過剰な「音」と「匂い」などがなくなるからこそ実現につながったと言える。 トムスは今年の「オートサロン」にて、レンタルカート用をはじめ3種類のEVカートを展示していた。その時点で計画がスタートしていたのかもしれないし、筆者も「EVカートなら23区内にサーキットを作れる」「燃料代や整備費も浮くからカートレースに参加しやすくなるかも」などと仲間と話し盛り上がっていた。 「シティサーキット東京ベイ」は、今後の日本のモータースポーツの方向性を示す一つのお手本ではないだろうか。オープンしたら、筆者も仲間と一度競り合ってみたいものである。 ちなみにトムスはトヨタと非常に縁の深いレーシングチームであり、トヨタ公認のカスタムパーツメーカーでもある。「メガウェブ」が、誰もが気軽にモータースポーツの魅力を体感できる施設にパワーアップして帰ってきたと言って良いだろう。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★GLM、軽自動車規格の小型EV「ミモス」を日本に導入……行政や企業向けに販売(リースを含む)、航続距離139km ★★HWエレクトロ、運転者の体調急変時に緊急の自動運転機能を実装へ……メディロム・マザーラボと協業、マザーラボの活動量計にて体調を計測 ★パワーエックス、シリーズBラウンドにて計46.2億円を新規調達……バッテリーの大規模工場「パワーベース」の製造設備導入費などに充当 ★GM、AIによるバッテリー素材メーカー「Mitra Chem」へ投資……低価格EVの量産・販売を目指す ★凸版印刷、水素エネルギー事業へ参入……水素燃料電池用の「触媒層付き電解質膜」と「膜電極接合体」の生産設備を高知工場<南国市>に導入、印刷技術を活用し量産 デイリーEVヘッドライン[2023.08.18]

TAG: #EVカート #THE視点 #モータースポーツ

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