ライバル比較でわかったモデルYの高いコスパ
一方、ロングレンジグレードについては、モデル3は最大85万円の補助金をフルで適用可能であり、よってモデルYよりも20.7万円も安価に購入することが可能です。また、航続距離についても、EPA基準で50kmほど長く走行することが可能です。
ただし、モデルYについては、最低地上高が172mm、モデル3よりも圧倒的に高いということ、収納性をはじめとする車内スペースの広さという点ではモデルYが明らかに優れているということ、そしてこれらによって雪国在住や寒冷地への遠出などについては、そもそもモデル3ではなくモデルYをチョイスするべきということを踏まえると、やはりロングレンジグレードについても、モデル3よりもモデルYを購入したほうがベターです。
どのグレードにおいても、モデル3よりもモデルYを購入したほうが、さまざまな観点で所有満足度が高くなる場合が多いと結論付けられそうです。
また、今回の値下げ措置を考慮に入れた上で、とくにモデルYの競合となる日産アリア、ヒョンデIONIQ 5、トヨタbZ4Xと比較したそのコスト競争力についてを確認していきましょう。
まず、航続距離については、EPA基準でいくと、アリアのみ350km以下という航続距離に留まるものの、それ以外の車種については400km程度の航続距離を実現しています。
充電性能については、テスラが独自ネットワークを整備していることから、車両側の充電性能以上に大きくリードしていることは間違いありません。
また、収納スペースという観点については、854リットルというトランクとともに、ボンネット下にも117リットルものフランクを装備していることから、比較にならないレベルの広大な収納スペースを確保できています。
そして、今回の値下げによって、モデルY RWDについては補助金を含めて実質468.7万円から購入可能となりました。たとえばアリアは補助金を含めても574万円と、ついにモデルYとの価格差は100万円オーバーとなり、モデルYの圧倒的なコスパのよさ、およびアリアのコスパの低下が顕著です。
また、IONIQ 5についても補助金込みで474万円と、モデルYのほうが安価に購入可能となっている状況で、これはトヨタbZ4Xと比較してもほとんど同じ値段設定すら実現しています。
いずれにしても、日本国内におけるファーストカーとして実用的に運用可能な電動SUVという点で考えると、今回の値下げによってテスラモデルYが極めてコスト競争力の高い一台であることが見て取れると思います。