「段積み・段ばらし」に対応
「CarriRO Fork」の最新モデルには、「ForkEye(フォークアイ)」をオプション設定した。
これは、パレットの位置ずれを補正するためのセンサー機能。
有人によるフォークリフトの操作では、パレットの位置が多少ずれていても、ドライバーが「熟練の技」によってケースバイケースで対応しているのが実態だ。
左右方向が20cm、奥行き方向が20cm、そして角度が10度で、パレットのずれに対応する。
パレットのずれに対応できることで、パレットに積んだ荷物の上に、もうひとつのパレットを積む「段積み」や、段積みした状態からパレットを移動させる「段ばらし」を可能とした。
こうした使用される現場の声を商品開発に活かすのは、CarriROシリーズでZMPが積み上げてきた知見によるものだ。
CarriROの歴史を振り返ると2016年から、台車ロボットを量産。人や他の台車の動きを検出したカルガモ走行を実現した。
次いで2018年には自律移動型、そして2019年からはパレットに対応するタイプでの搬送自動化を実現している。
ZMPのよれば、CarriROシリーズの導入実績は、ヤマト運輸、ソフトバンク、ビバホームなど約300社にも及ぶ。
強みは「Robo-HI」による統括的な制御
台車型、パレット対応型、そして無人フォークリフトなど、CarriROシリーズのモデルの多様化が進む中で、ZMP代表取締役社長の谷口 恒氏は「部分最適ではなく、全体最適への対応が、我々の強み」だと強調する。
全体最適を可能とするのは、ZMPが独自開発したクラウドベースのデータマネジメント・プラットフォーム「Robo-HI」だ。
Robo-HIが、在庫管理システム、品物や荷物のピッキングシステム、さらには倉庫の階を移動する垂直搬送機などの稼働データと、CarriROシリーズ各モデルとの動きをベストマッチングするのだ。
ZMPとしては、Robo-HIのシステム開発をさらに進め、次世代の物流DXへチャレンジしていく。