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ここからは公開された写真から見えた、デザインの特徴を編集部の視点で記す。
bZ Sport Crossover Conceptのインテリア
ステアリングホイールは上端が直線のD形状の2本スポーク、スポーク上にタッチスイッチがある。ステアリングホイールの奥の左右のレバーがスポークの位置よりも下に伸びてきているのが特徴的だ。シフト操作はセンターコンソールのボタンかレバーで行うようだ。
センターディスプレイとドライバー用のメーターディスプレイはどちらも下1/3ほどが湾曲しており、ディスプレイの大きさを確保しつつ、ディスプレイの上端はダッシュボードよりも上に飛び出さない配置とし、ドライバーの視界も邪魔しないよう工夫されていそうだ。ディスプレイを曲げられるということで有機ELを採用しているのかもしれない。ブラックとワインレッドを使い分けた色使いは車名の通りスポーティーだ。
bZ FlexSpace Conceptのインテリア
ステアリングホイールは下端が直線のD形状の2本スポーク、スポーク上にタッチスイッチがある。ステアリングホイール奥の左側のレバーはウインカーのようだが、右側のレバーには「D」の文字が見えるので、シフトを操作するレバーのようだ。
センターディスプレイとドライバー用のメーターディスプレイはどちらも半透明で奥が透けて見える面白い特徴を持っている。ドライバー側のそれはHUD(ヘッドアップディスプレイ)の機能も兼ね備えている。薄いモスグリーンとグレーホワイトの室内からは「安らぎ」や「落ち着き」を感じる。ダッシュボードに見える「芝生」がユニークだ。
2台のエクステリア
両車ともにボディサイドのプレスラインに「Z」字が表現されている。特にbZ Sport Crossover ConceptはCH-Rの躍動的なデザインを直線を使ってより力強く表現している。ここまで直線を多用したトヨタ車は初めての例ではないだろうか。
ヘッドライトもプリウスやクラウンのように、下辺を左右でつなぎ、両端からボンネット方向に折り返すデザインとなっている。これがトヨタの「これからの顔」になるのかもしれない。折り返したそのヘッドライトのラインは、大胆に盛り上がったボンネットに続き、そのままベルトラインとなり、リアドア後端でキックアップし、ブラックアウトされたDピラーに終着している。bZ Sport Crossover Conceptのルーフの前端にはLiDARと思わしき出っ張りも確認できる。
トヨタの反撃の狼煙
両車ともに、排気管やプロペラシャフトが無いBEVなのに、センターコンソールが太く前席の乗員を完全に隔てているのは少しもったいない気がする。特にbZ FlexSpace Conceptは家族で利用することがイメージできるので、充電中などに車内での移動がしやすければ、より楽しい時間を共有できて良さそうだと想像した。
とはいえ、これまではICEベースの車をBEVにしてきた感があり、BEVならではデザインの優位性を100%発揮できていなかった気がするが、この2台はその呪縛を打ち破りトヨタ製BEVの新しいチャプターを開いたように思える。当然両車ともに「コンセプト」なので、市販版がどこまで「落ち着いた」デザインになるかは不明だが、来年のデビューと日本に導入されるのかがとても気になるクルマだ。