ニュース
share:

“クルマ屋が作る新世代EV”を投入。新体制方針説明会で垣間見たトヨタの本気


TEXT:曽宮 岳大
TAG:

EVの航続距離を2倍に

「クルマ屋が作るEV」というのは、異業種から自動車業界に参入したメーカーでは作り得ない魅力を備えたクルマということだろう。その自信の裏にあるのは、「もっといいクルマ作り」を支える、ヘリテージやシャシー技術、サプライヤーならびに販売店との連携といった、老舗の強みを活かしたものづくりだ。

では「今までとはまったく異なる」とは、何を意味するのか。ここに新型車の特徴を示す何か重要なヒントが隠されているようにみえる。現状、その新型車について具体的な車種や技術は明かされていないものの、注目したいのは「電池を極限まで効率よく使い、航続距離を2倍に」という中嶋副社長の発言だ。

「航続距離2倍」が何を比較対象としているのか示されていないが、いずれにしても既存のモデルに比べて、大幅な航続距離の延長を実現できるなんらかの秘策があるのだろう。トヨタはかねてより、航続距離の大幅な延長を実現する全固体電池の開発を進めていることを公にしているが、今回は「電池を極限まで効率よく使う」と述べていることから、ヒミツはバッテリーではなく、モーターや駆動系、ならびにその制御などにあるのかもしれない。その辺りの真相は、今後徐々に明らかになっていくだろう。

このほか2024年に中国で現地開発モデル2車種を、2025年には北米で3列シートSUVを投入することを明らかにしたほか、「次世代バッテリーEV専任組織を新設する」など、EV開発を体制面から見直し、強化していく方針を示した。

折しも今回の発表は、EUが2035年以降も条件付きで内燃機関車の新車販売を認めるとの発表直後に開催され、トヨタが掲げるマルチパスウェイの正当性が改めて脚光をあびる格好となった。一方、EV開発についても今後さらに強化していく方針であることが改めて確認することができた。エンジンを熱効率の向上を追求し続けるようなトヨタの愚直なものづくりが、今後EV開発にもフルに発揮されていくことになりそうだ。

 

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
more
ニュース
来日するライバルチームを日本流でおもてなし! 日産フォーミュラEチームが東京大会に参戦する全チームに特注の着物を提供
建設機械のEV化が加速中! 好調な日本メーカーに舶来のボルボ・グループはどう挑むのか?
水素燃料電池車となってCR-Vが国内復活! 外部給電も充電もできる「ひと味違うFCEV」の姿を徹底解説
more
コラム
EV推進の急先鋒日産が欧州でリーフの販売を終了! BYDが勢いを増すなか欧州市場の戦略はどうなる?
50万円EVでお馴染みの「ウーリン」が500km走れるコンパクトEVを200万円でリリース! BYDも驚異の値下げでEV価格戦争が激化している
新たなEV購入補助金は「メーカーの充電設備充実度」「車両性能」などで異なる! 中韓EVはかなり厳しい結果に
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
more
イベント
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
全国約30カ所を巡る! BYDが展示&試乗イベント「Hello! BYD Caravan」を開催
ヒョンデの話題のEV「コナ」&「アイオニック5」に乗れる! 6都道府県で試乗会を開催
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択