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「もうガソリン車には戻れない」テスラ・モデル3オーナー、石井さんに聞くEVライフの実際のところ


TEXT:曽宮 岳大 PHOTO:曽宮 岳大
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EVユーザーのクルマの楽しみ方

航続距離についてメーカー公表値と実際に走れる距離には乖離があると思いますけど、実際は何割くらい落ちますか?

「高速道路を走ると電費の落ち込みは大きくなりますね。実際はそうですね、2割減ぐらいですかね」

 

エンジン車の場合だと、一般路より高速道路を走る方が燃費は良くなりますけど、EVは速度が上がるほど電費が低下するということですね?

「そうですね。高速道路では落ち込みは大きくなりますね。東名高速など制限速度が120km/hの区間もありますが、110km/hを超えてくるとやはり減りが早い印象で、100km/hぐらいだと落ち込みはそれほど気にならないですね。以前に東京から島根の出雲大社まで行きましたけど、途中2回充電しました。浜松のスーパーチャージャー(テスラ専用の急速充電器)で一度、京都で宿泊してもう一度充電し、そこから一気に出雲大社まで行って、向こうの道の駅で充電しました。往復で3泊4日のトリップでしたけど、あまり不便は感じませんでした」

話は変わりますが電気自動車って、カスタマイズされた車両が少ない印象があります。

「これ、テスラユーザーがそうなのかEVユーザーがそうなのかはわかりませんが、EVはクルマ好きというより、ガジェット好きの方に選ばれている印象があります。なので皆さん、ノーマルで乗る方が多いのかもしれません。ガジェット好きの方はアルミホイールだとかエアロパーツだとか、そういうパーツにはあまり興味を持たないようで。これは面白い傾向だなと思います。まあ、僕の場合は元々クルマ好きですので、スポイラーを付けたりホイールを換えていますが(笑)」

 

他にはEVならではの使い方というところで何か特徴はありますか?

「テスラに限らず電気自動車はエンジンをかけないで車内で過ごしたり泊まれたりするので、車中泊を楽しむ方は結構多いですね。日産アリアやテスラのモデルY、あとヒョンデのIONIQ 5(アイオニック5)に乗られている方などは車中泊を楽しんでいる方が結構多いですね。テスラの場合だとクルマから電気を取り出すことはできませんが、アリアやアイオニック5などの場合はそれができますので、電熱器で料理するなどEVキャンプを楽しんでいる方の投稿が目立ちますね。“EVキャンプ”はおそらく今後、人気が増すと思いますよ」

 

充電についてお聞きします。充電ステーションが周りになくて不便を感じることはないですか?

「これはEVに乗ってみて気づいたのですが、充電スポットって思っていたよりも意外に多いんですよ。EVに乗ってみるとあの青色の看板をよく目にします。ただ、EVやPHVの数も増えてきていますので、サービスエリアなど需要が集中するところでは、他のクルマが利用していて待たないといけない場面も目にします。まあそんな時には『EVごはん』を楽しめば良いのですが(笑)。とはいえそれを踏まえると、フラットにEVを選ぼうとしたときに、やはり『スーパーチャージャー』という専用の急速充電器を各地に配備しているテスラの強みはオーナーとして実感していますね。他からどんなに良いEVが出てきても、スーパーチャージャーがあるという安心感でテスラを選ぶ人は多い気がします。スーパーチャージャーがない場合でも、CHAdeMOアダプターを使うことで(充電速度は50kWhに落ちてしまいますけど)一般的な急速充電器を使用することが可能です。充電面ではやはりテスラが一歩リードしていると思います」

 >>>次ページ EVは環境にいいから選ばれているわけではない

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