同時公開予定の「イプシロン」にも注目
なお、今回の発表では、ランチアが3月28日から31日まで開催される「メタバース・ファッションウィーク」に出展することが発表された。メタバース・ファッションウィークとは、2022年に第一回が開催されたメタバース(仮想空間)上のデジタルファッションイベント。著名なラグジュアリーファッションブランドも数多く参加し、昨年は世界中から10万人もの人々が参加したという。
この集客効果の多い仮想イベント内で、ランチアは新たなコーポレートアイデンティティ(CI)をまとったバーシャールショールームを披露し、そこで「イプシロン」と先に紹介したコンセプトカーのお披露目を予定している。メタバース上では、デジタルやファッション感度の高い顧客層にブランドをアピールできるという狙いだろう。コンセプトカーは、4月15日に予定されるお披露目イベントまでは、バーシャール上においてもベールを被った状態が維持されるようだ。
なお発表資料では、ここで披露されるイプシロンが“新型”と謳われているわけではないが、先の10年計画内ではランチアは2024年前半にEV化された新型イプシロンを発売すると発表済み。したがって、次期イプシロンはコンセプトカーより先に市販化を遂げることになりそうだ。またランチアは新たなCIを採用したショールームをイタリア国内、および欧州の主要70都市に順次展開し、2023年内にイタリア国内ディーラーの半分を新CIに、新型イプシロンの発売までにはイタリア内のすべてのショールームを新CIで統一するとしている。
これらの発表から、ランチアのブランド再生の第1段階では、現在イタリア国内で販売している現行イプシロンに代わる次期型のローンチと、新CIへの統一化が優先され、それにより新生ランチアの下地を整えた後に、4月15日にコンセプトカーとして披露されるニューモデル(=ストラトス?)の市販化を計画しているのではないだろうか。
いずれにしても4月15日にコンセプトカーが発表された暁には、その内容をご報告したい。