走れば感じる「親しみやすさ」
走り始めると、EVによくあるキュイーンという癖のあるサウンドは小さく、落ち着いた加速音が心地よい。ロードノイズも特に気にならずに、快適な移動空間へと変化する。また、今回試したのは、最上位グレードのLounge AWDで、「BOSEプレミアムサウンドシステム」が装備されており、心地よい移動空間の中を好きな音楽で車内を満たすことができる。
走行モードを、エコ、ノーマル、スポーツの3つから選択することによって、駆動方式、出力分配が変わり、車の動きをダイナミックに制御してくれる。車両重量が2,100kgでありながらも、その重量を忘れさせるような軽快な動きだ。
ただ、少し気になるのが、ステアリングが軽過ぎることだ。高速巡行中は特に、レーンキーピングアシストがなければ、ふらついてしまうのが気になった。もちろん、床下にバッテリーを敷き詰めているため、重心が低いこともあり、乗せられている分には気にならないが、自分で運転をしていると気になってしまった。
回生ブレーキの強さはパドル操作で選択することができ、ワンペダルドライビングが可能な「iペダル」モードもある。日産リーフのe-pedalほど回生ブレーキが強烈に効くわけではないが、完全停止することも可能である。
アイオニック5に乗ってみたい! そんなあなたに「エニカ」
ここまでの記事を読んでいたら、アイオニック5に乗ってみたい! と思われる方もいるだろう。ここでは、具体的にエニカを通して、どのようにアイニック5に乗れるのかを記していきたい。
エニカは、基本的に、個人間で車をシェアするプラットフォームを提供するサービスだ。しかし、それ以外にも同社が所有する車を利用(レンタル)することができる。その名も「Anyca Officia シェアカー」だ。免許証で施錠・解錠ができ、クルマの貸出・返却がスムーズにできる。これらはエニカのアプリ上で一括で検索することもソートすることもできる。
アイオニック5の料金は、1時間1200円、6時間パック6000円、12時間パック8000円などを展開している。今回、筆者は、6時間パックを利用して、約120km走った。
以下、使用方法を紹介する。
<貸し出し時>
その1 アプリで予約
予約開始の15分前から車に乗り込むことができる。
その2 免許証をカードリーダーにタッチ
リアウィンドウのセンサー部分に免許証をかざすと、車が開錠される。車内に乗り込んだのちにグローブボックス内にある車両の鍵を取り出す。
<返却時>
その1 鍵をグローブボックスに戻す
その2 免許証をカードリーダーにかざして、車を施錠する。最後は、ドアを閉める前に、充電口を開けておき、次回乗る人のためにステーションにある充電器で充電をしておく。
使い方は非常にシンプル。今回、筆者は阪急大阪梅田駅駐車場EV充電エリアで予約した車両を受け取ったが、今回の車両含め3台のアイオニック5が出番を待っていた。
エニカには「ドライバー友達キャンペーン」があり、エニカの登録ユーザーが招待コードを送ることで、両者に2500円分割引ポイントをゲットすることができる。周りの友人などにエニカの輪を広めるのもお得で楽しいかもしれない。
試乗よりも長く、心ゆくままに
今回は、一般道、高速道路や峠など多様な道を含めて120kmほど走ってみた。EVならではの加速感はクセになるものだ。また、静かな車内、快適装備の数々のおかげでロングドライブも楽になることは間違いない。
先述にもあったようにハンドルの操作力が軽過ぎることや、ナビゲーションがやや不便といったこともあったが、今後のマイナーチェンジ等でさらに仕上がりに磨きが加わるだろう。エニカのようなプログラムを活用して、ヒョンデをはじめ、これからも色々なEVに乗っていきたい。