健康的かつ経済的
仮に内燃機関のクルマのテイストをコークだとかサイダーに例えるとしたら、アイオニック5のそれは上質なミネラルウォーターのよう、といえばいいか。何だかスキッとキレがいい。だから爽快に感じられる。だから自然と無意識に飲みたい欲求にかられる。試乗を終えて、そんなふうなことを考えるでもなく考えた。有り体にいうなら、僕は気に入ったのだ。
ちなみにアイオニック5の航続可能距離は、後輪駆動モデルがWLTCモードで618km、四輪駆動モデルで577km。その数値どおりにいくことはまずないけれど、今回の箱根往復ではまったく余裕だった。自宅に200Vの充電環境がある人にとっては、結構実用的であろうと思う。もちろんCHAdeMOによる急速充電にも対応していて、90kWの急速充電器を使った場合、32分で10%から80%までの充電が可能だという。充電インフラが早くもっともっと整ってくれたらいいのに、と願う人がさらに増えそうだ。
ほかにもV2LやV2Hが可能だったりADASが充実していたりスマートキーで操作できる自動駐車システムが備わっていたりと、見どころはまだまだたくさんあるのだが、やはり大きな説得力となるのは価格だろう。58kWhのベーシックモデルは479万円、72.6kWhの中間グレード「ヴォヤージュ」が519万円、上級グレードの「ラウンジ」が549万円、四輪駆動モデルの「ラウンジAWD」が589万円である。なんとコスパに優れることか! 昔のヒュンダイ時代のクルマもたしかに安かったけれど、ぶっちゃけ、クルマそのものに大きな魅力があるとはいいがたかった。けれどアイオニック5は、様々な魅力をたっぷり持った出来映えの素晴らしいクルマ。だからこそ2021年にはドイツとイギリスのカー・オブ・ザ・イヤーを、2022年には日本のインポート・カー・オブ・ザ・イヤー、さらにはワールド・カー・オブ・ザ・イヤー/ワールドEVオブ・ザ・イヤー/ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを独占する快挙も成し遂げている。
新横浜のカスタマーエクスペリエンスセンターをはじめとするいくつかの拠点は誰でもウェルカムで、アイオニック5についての詳しい説明をエキスパートに求めることもできるし、もちろんテストドライブだってできる。あなたがEVに関心を持っておられるのだとしたら、ヒョンデの公式ウェブサイトから最寄りのところを探すか、あるいはエニカのシェアカーでぜひとも体験してみるべきだと思う。きっといろいろな意味で嬉しい驚きを感じることになるはずだから。
Hyundai IONIQ5 Lounge AWD スペック