TEXT:小川フミオ
「2025年にBEVの新車販売比率を50パーセントに」EX30で切り開いていくボルボ・カー・ジャパン不動社長のビジョンとは
「達成、あるいは越えることも」とBEV販売拡大に自信を深める不動奈緒美社長の言葉を聞いた小川フミオは、その理由を問いかけていく。 日本によりフィットしたEX30への期待 2023年8月に、小型ピュアEV「ボルボEX30」を日本で発表した、ボルボ・カー・ジャパン。 「欧州での発表から、間を置かず日本でEX30を発表できることを嬉しく思います。これは、日本市場に対するボルボ本社の高い期待の表れです」 そうプレスリリースで述べているのが、23年8月にボルボ・カー・ジャパン株式会社の代表取締役に就任した不動奈緒美氏だ。 容量は69kwhの高効率なNMCバッテリーを搭載し、1充電あたりの航続距離は最大480キロ(欧州参考値)という、日本導入モデル。 最大充電電力量は153kWh。日本でこのスペックの充電器の数は限られているが、仮にこれで充電した場合、26分強で、10パーセントから80パーセントまで充電が可能という。 −−日本市場向けに、たとえばボディ外寸とか、本社がさまざまな協力をしてくれたというEX30ですが、海外でのじっさいの販売状況はどうでしょうか。 「(23年6月のミラノにおける)グローバルローンチから、北米でもプリオーダーをとっているのですけれども、すでに9,000台超えてるそうです。北米はあのサイズ(全長4,235mm、全幅1,835mm、全高1,550mm)だから(ちょっとコンパクトすぎて)そんなに売れないんじゃないかっていうのが予想でした。ところが、それに反して、すごく反応がよいんですね。もちろん、ヨーロッパも反応がよいです」 −−ボルボの目標は2025年までに、新車販売におけるBEVの比率を50パーセントにすることですね。 「チャレンジかもしれません。でもいまの様子をみていると、ひょっとしたら達成、あるいはそれを超えるかもしれないと思っています」 −−それは日本法人のがんばりしだいで(笑) 「はい(笑)。日本ではどんな需要があるのか。それを実際に検証するために、本国から担当者が来日して、確認しています。我々も前から立体駐車場の問題等も提起していましたので。今回のEX30は日本のニーズがぴったり合ったと思います。意外なことに日本だけではなく、さきほど申し上げたとおり、あの北米市場でもしっかりユーザーの心をつかまえたようですし」 ニーズをあげるために −−電気自動車の利便性など、BEVのニーズをあげるために取り組んでいくことを教えていただけますか。 「いろいろなところでデジタルによるサービスを増やしていくつもりです。オンラインとオフライン、さまざまなお客様に選択していただけるようにして、オファーやサービスを提供していきたいと考えています」 −−提供される充電環境はどうでしょうか。 「ボルボのネットワークは全国に100店舗以上あります。そのうち85パーセントの店舗で急速充電器が設置されています。さらに、今年の年末までには100パーセントになります。できるところから取り組んでいきます」 −−店舗の急速充電の出力は? 「ほとんどが50キロワットです。将来的には徐々にさらに高出力のものに変えていきたいと思っています」 <Vol.3へ続く>
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