英ケータハムは5月24日(現地時間)、純粋に走りを追求したオープン2シーター、ケータハム・セブンを電動化したコンセプトカー「EVセブン」を発表した。 サーキット走行を視野に入れたEVスポーツ イギリスのピュアスポーツブランド、ケータハム。今年創立50周年を迎えたライトウェイトスポーツ・メーカーは現在、電動化に向けた開発投資を積極的に進めているようだ。 今回、発表された「EVセブン」は外観こそ既存のセブンとほぼ同じだが、パワートレインにはエンジンに代わり、スウィンドン・パワートレイン社製E Axleの専用バージョンを採用。スペックは最高出力240bhp/9,000rpm、瞬間最大トルク250Nmで、0-60mph(約97km/h)加速のタイムはおよそ4.0秒と見込まれる。もちろん、軽量スポーツというセブンの美点は電動化されても不変で、車重はベースとなる市販のセブンからわずか70kg増(総重量700kg弱)に抑えられている。 ケータハムでは、公道でもサーキットでも使えることをセブンの必須要件としており、特にサーキットでは、20分間サーキットを走行、15分間で次の走行に十分なエネルギーを充電し、さらに20分間走行できるサイクルが追求されている。こうした急速な充放電に対応するため、EVセブンが採用しているのが液浸冷却式バッテリーで、長年の技術パートナーであるMOTUL(モチュール)が供給する誘電性流体を使用し、その流体をセルに直接接触させることで、最適な熱管理により充電速度の向上とバッテリー寿命の延長を実現しているという。 51kWhの液浸冷却式バッテリーは、エンジンルームとトランスミッション・トンネルに収納され、最大152kWのDC急速充電が可能。実用可能な容量は約40kWhとなるが、サーキットでの過酷な使用や急速充電でも劣化することはないという。液浸冷却は、電気自動車用としては最先端の技術で、膨大な熱量を発生するスーパーコンピューターの冷却などに使われてきた技術。EVセブンは見た目こそクラシカルな2シータースポーツだが、中身は最新テクノロジーの塊なのだ。 >>>次ページ 内燃機関モデルと同等の性能を追求