世界最大級のカスタムカー・イベント「東京オートサロン2023」(以下、オートサロン)が1月13日から15日まで幕張メッセで開催された。本稿では、自動車に高い関心のあるインターン生(現役大学生)がEV関連で気になった車をレポートする。 モータースポーツの新境地へ 乗用車のEV化に注目が集まりがちだが、モータースポーツ業界でもEV化が着々と進んでいる。国内屈指のレーシングチームTOM’Sを運営する株式会社トムスは、オートサロンにて自社開発のEVカートを出品していた。 トムスでは、EVカートシリーズとして「大人用のレンタルカート」「子供用のジュニアカート」「2人乗り用タンデムカート」の計3種類を販売、リースしている。カーボンニュートラルを基軸とした自動車業界の大きな変革の中、モータースポーツの新たな時代を開拓し、EVカートは全日本カート選手権 EV部門の公式車両としてモータースポーツの新たな可能性を追求するとしている。 初めまして、モータースポーツ レーシングカートは、モータースポーツの入門として大人だけでなく子供にも親しまれてきた。しかし騒音や排気の問題、莫大な費用がかかるという障壁によって、興味関心があっても実際にハンドルを握るのを諦めた人も多かった。 これらの問題を解決するのが、EVカートであるという。電動のため排気ガスを出さず、静粛性も高いため、都心や屋内でも堪能できるレーシングカーとなっている。また、リースやレンタルにも対応することによって、より多くの人に親しみやすくなっている。 静か、パワフル、ジョイフル。 抜群の疾走感に加えて、静粛性を兼ね備えるEVカート。それは、モータースポーツ業界自体を盛り上げる可能性も秘めている。2022年11月には、お台場にて国内最大級のEVカートイベント「にゃんこ大戦争 Presented シティ・サーキット ODAIBA2022」が行われた。そこでは、選手レベルの一流ドライバーの走行だけではなく、車に触れたことがない子供にも走行の機会が設けられ、数多くの人の運転の楽しさを引き出した。また、静粛性を生かしたナイトレースも行われた。都心近郊にいながら、そのようなイベントを開催できるのもモータースポーツに関心を向ける人の獲得につながるだろう。