三菱 記事一覧

TEXT:TET 編集部
すでに三菱車の屋台骨に。三菱eKクロスEVの販売好調のワケを探ってみた

三菱自動車の軽EV「eKクロスEV」が売れているようだ。4月27日に同社が公表した今年3月の国内販売台数によると、eKクロスEVは1,544台で、三菱車としては「デリカD:5」(2,284台)に次ぎ2位に付けた。同社の3月国内販売は全体でも1万1,896台だから、三菱の販売した新車の10台に1台以上はeKクロスEVということになる。そこで今回は、eKクロスEVは何が評価されているのか検証してみたい。 補助金の利用により実質140万円台半ばで購入可 まず、あたり前のことだが、軽自動車であるeKクロスEVは他の電気自動車に比べ圧倒的に安い。例えば、トヨタの「bZ4X」や日産「アリア」といったSUV勢は500~600万円がスタート価格でおいそれと手が出ないし、コンパクトハッチバックの日産「リーフ」でも400万円オーバーだから日常の足としてはまだ高い。 その点、eKクロスEVは昨年12月に15万円ほど値上げされたとはいえエントリーグレード「G」なら254万6,500円となっており、リーフと比べて約150万円も安価なのだ。たしかに、eKクロスEVの航続距離(WLTCモード)は180kmと、リーフのエントリーグレードと比べても140km程短く、カタログ表記の約7割と言われる実走行可能距離にあてはめると、実質130km弱にとどまるが、そもそも軽自動車で一回のドライブで100km以上走行する機会はそれほど多くないだろう。 しかも、遅ればせながら政府がEVの普及に本腰を入れ始めたおかげで、今なら補助金も55万円と充実している。さらに例えば東京都民なら45万円の自治体独自補助も上乗せされるから、エコカー減税も加味すると、eKクロスEVは実質的に150万円台半ばで購入可能。これをベース車である内燃機関モデルの「eKクロス」と比べてみると、おおよそエントリーグレード「M」(146万3,000円)に近い価格帯になる。 しかも、eKクロスの「M」は、本革巻きステアリングホイールやタッチパネル式フルオートエアコンなどeKクロスEVの「G」に標準となる装備が装着されない。つまり、EVという点を一旦置いて、装備だけに注目しても、補助金が充実している今、eKクロスEVは「買い」と言える。ここに、ガソリン価格高騰中の今、燃料代がかからないというメリットが加わるのだから、まさに鬼に金棒状態なのだ。事実、エンジン車のeKクロスは兄弟車の「eKワゴン」と合わせても3月の販売台数が1,466台と、eKクロスEVに一歩届いておらず、既に主従逆転した感がある。 次ページ>>> eKクロスEVと日産サクラの違い

TAG: #eKクロスEV #サクラ #軽EV
TEXT:福田 雅敏
日本の新興ブランド「エイム」も新型スポーツEVを公開……写真で見るオートモビルカウンシルのEV時代[THE視点]

4月14日(金)〜16日(日)まで幕張メッセ(千葉県千葉市)にて開催された「オートモビルカウンシル2023」。ヘリテイジカーを中心に展示する本イベントだが、今回はEVの出展も目立っていた。 今回の目玉はマツダの「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」の日本初公開だが、それ以外にも多数のEVの出展が見られたので、写真とともにイベントの雰囲気をお伝えしたい。 元日産のエンジニアによるスポーツEV「エイム EV SPORTS 01 コンセプト」が初公開 「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」以外にもEVの出展が目立った。AIM(エイム)社が開発した「EV SPORTS 01 コンセプト」は本イベントが初公開の舞台となった。 車両デザインは、元日産のデザイナー中村史郎氏によるもの。自社製の駆動モーター「APM200」をリアに2基搭載する後輪駆動だ。このクルマはイベント後に英国に送られ、7月に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で走らせるという。 BYDのブースには、1月に発売されたばかりの「ATTO3」(アット3)と今年の末頃発売予定の「SEAL」(シール)の2台が展示されていたほか、さらに試乗車として「ATTO3」が2台用意されていた。今回試乗車を用意していたのはBYDだけだった。オートモービルカウンシルで試乗が出来るのは、筆者が知る限りBYDが初めて。BYDの意気込みが感じられた。 開発に携わった三菱のパイクスピークマシンに再会 三菱自動車のブースには、EV・PHEV合わせて5台が展示されていた。中でも注目を集めていたのは、2014年にアメリカの「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム・レース」に参戦し電気自動車改造クラスで優勝した「ミーブ・エボリューションⅢ」だ。 この「ミーブ・エボリューションⅢ」は、実は筆者も開発に参加した。そのおかげで、実際にパイクスピークにも行くことが出来たのだ。筆者にとって久し振りのご対面だった。EVではこのほか、量産EVの「eKクロスEV」が展示されていた。 日産自動車のブースには、中央に桜色の「サクラ」が展示されており、その横には、昨年レストアで話題となった俳優伊藤かずえさん所有の「シーマ」が提示されていた。トークショーも賑わっていた。 新旧のクルマの展示会となったオートモービルカウンシル、今回も2台のEVの発表の場となっただけに、今後もEVの展示は増えるのではないだろうか。新旧のクルマと触れ合う場所として大変興味深いイベントに感じた。

TAG: #THE視点 #エイム #オートモビルカウンシル
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
三菱ふそう、小型EVトラック「eキャンター」を発売……デイリーEVヘッドライン[2023.03.13]

車体価格は最高2,005万800円 中国CATL製のバッテリーを搭載 【THE 視点】三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は、昨年モデルチェンジした小型トラック「キャンター」に量産の電気自動車(EV)モデル「eキャンター」を追加し、3月9日より受注を開始したと発表した。 2017年に国内初の量産型小型EVトラックとして発売した「eキャンター」は、今回シャシーラインナップの大幅な拡大に加え、多様なビジネスケースに対応可能な航続距離を持つ新型モデルへと進化した。 モーターを後軸に統合したMFTBC独自開発のモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)を採用、ドライブトレインをコンパクトな構造にすることで、従来モデルの1型式から合計28型式のシャシーラインナップに展開が可能となった。 動力取り出し装置(ePTO)も新たに採用し、ダンプ/キャリアカー/脱着車/リアクレーン/ゴミ収集車といった架装にも対応する。またホイールベースの長さに応じてバッテリーを1個(41kWh)から最大3個(124kWh)まで搭載可能なモジュール式バッテリーを採用、車種に応じて99kmから最大324kmまでの航続距離を実現した。 価格も今回発表され、税込1,370万500円(41kWh)〜2,005万800円(124kWh)となる。先代の価格は発表されないままだったが、81kWhのバッテリーを搭載しおよそ2,000万円と伝えられていた。 今回、バッテリー販売数世界一の中国CATL社のバッテリーを採用したことは大きい。それゆえ車体の1/3がバッテリーのコストと言われるEVで、大幅なコストダウンが可能となったものと思われる。それでも価格はエンジン車のおよそ2倍と割高感はあり、補助金の設定額次第で販売台数に大きく影響しそうである。 先日発表の「いすゞエルフEV」の車両価格は発表されていない。ユーザーは、「エルフEV」の価格次第で、「eキャンター」とどちらにするか悩むことになるだろう。「eキャンター」は、これまでにグローバルで約450台、累計760万km以上を走行した実績を持ち強みになるかもしれない。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★三菱、今後5年間でEV9車種を含む16車種を投入と発表……2030年までに15GWhのバッテリーを調達 ★★ファルケン、欧州でEV専用タイヤ「e.ZIEX」を発売……転がり抵抗と騒音を低減[詳細はこちら<click>] ★コマツ、電動マイクロショベル「PC05E-1」をホンダと共同開発……着脱式バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」を採用、「第13回 国際スマートグリッドEXPO」(東京ビッグサイト(東京都江東区)/2023年3月15日(水)~3月17日(金))のホンダブースに出展予定 ★京都大学、高温超伝導モーターの室温運転に成功……イムラ・ジャパンや三菱重工と共同開発、小型・軽量の高効率モーター実用化へ道筋 ★ブレンボ、「オートアフターエクスポ2023」にEV用ブレーキを出展[詳細はこちら<click>] ★ステランティス、「STLA ラージ」プラットフォームを使用するEVの組み立てを、伊カッシーノ工場に割り当て……アルファロメオ「ジュリア」「ステルヴィオ」の製造工場 ★旭化成傘下のセルガード、米リチウムイオン・バッテリー企業C4Vと提携……次世代の高性能・高電圧バッテリーセルを開発 ★BMW、2022年の純利益が前年比49.1%増の1万8,582ユーロを達成……EVの販売台数は107.7%増加、納入台数の9%を占める ★日産、岐阜県岐阜市と連携協定……日産電動化アクション「ブルー・スイッチ」施策で連携、災害時にEVを電源車として提供するなど ★フォーミュラEチームのDSペンスキー、FIAの三ツ星環境認定を取得 ★成田空港で関係者向けEV・PHEVの試乗会を実施……「三菱・ミニキャブ・ミーブ」など7車種の用意のほかEVトラックも展示、3月16日(木)〜17日(金)に成田空港敷地内施設にて ★三井物産、ノルウェー水素タンク企業ヘキサゴンプルスに出資……燃料電池車「FCEV」の需要増を見据え転換社債を引受け

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TEXT:岩尾 信哉
ルノー・日産・三菱アライアンス、資本提携関係を見直し 日産、ルノーのEV子会社への出資を決定

変化するルノー・グループと日産の関係 ルノー・グループ、日産自動車株式会社、三菱自動車工業株式会社は2023年2月6日、英国ロンドンで会見を行い、ルノー・グループと日産の取締役会での承認を経て、3社のアライアンスをより高いレベルに引き上げることを目指す旨を発表した。 会見の内容として重要なのは、ルノー・グループと日産の資本比率がそれぞれ43%、15%から、どちらも15%に変更されたことだ。日産としては1999年のルノーとの資本提携から20年以上を経て、ようやく「不平等条約」の解消にこぎ着けたことになる。なかでも注目すべきは、ルノー・グループと日産が将来のEV開発に向けて、新たな取り組みを共同で実施するとしている。 世界市場での電動化モデル販売の拡大 今回のアライアンスの発表として、以下のような概要が明らかにされた。注力すべきマーケットとして、ラテンアメリカ、インドおよび欧州において、事業の拡大などのアライアンス強化を推進するとしている。 ラテンアメリカでは、ルノー・日産の協業によるアルゼンチンやメキシコでの新型車の投入を含むピックアップモデルの販売強化などを公表。メキシコでは、日産が20年ぶりにルノー・グループ向けに新型車を生産するとしている。EVに関しては、EV専用のCMF(コモン・モジュール・ファミリー)-AEVプラットフォームをベースとした、日産とルノー・グループの「手頃な」AセグメントのEVを2車種投入するとされる。 市場拡大が見込まれるインドでは、ルノー・グループと日産は、複数の新型車プロジェクトでの協業を検討しつつ、中南米地域と同様にAセグメントEVの導入を検討するという。 ルノー日産による次期B/CセグメントのEV開発 ルノー・グループの主要市場であるヨーロッパについて見てみると、詳細は未公表ながら、将来への取り組みの検討が公表されている。 2026年以降のEVのラインナップに関しては、ルノー・グループと日産は、次世代CセグメントEVにおける協業の可能性を模索するとされる。将来的に技術水準となるような充電時間を達成するために、ルノーと日産は共通の800Vアーキテクチャーの採用を検討するなど、欧州市場向けモデルにおける技術の共有を継続するとした。 具体的には、2026年からルノーのEV生産子会社であるフランスの「ルノー・エレクトリシティ」で生産を予定。従来のCMF-BEVプラットフォームをベースとした将来の日産のコンパクトEV (Bセグメント) など、既存のプロジェクトとともに開発等を推進していくという。 いっぽう、ルノー・グループと三菱自動車は、ルノーの「キャプチャー」「クリオ」の資産を活用し、CMF-Bプラットフォームをベースとした次世代「ASX」「コルト」の2車種の新型車を開発予定としているが、電動化に向けた動きは明らかにされていない。 このように将来的にはアライアンス内でのEVのA/Bカテゴリーはルノー、C/Dは日産がカバーするとしており、三菱に関しては検討中となっている。 既存の長期ビジョンとしては、日産の「Nissan Ambition 2030」やルノーの「Renaulution」が謳われている。これらに基づき、アライアンス・メンバー各社の事業計画を補完するよう立案された今回のビジネスプランは、「各社の持続可能な成長や脱炭素化に向けた目標の実現に向けて、共通性や投資機会の面から活用されます」としている。 具体的には、各社の新たな取り組みに関して、異業種のパートナーが参加可能となるようなビジネス戦略を展開する。電動化や低排出技術について既存の戦略に沿って進めるとともに、ビジネスのうえで付加価値が期待できるパートナー各社のプロジェクトに投資・協業することで合意したという。 前述のように、日産は2021年11月末に「Nissan Ambition 2030」を発表している。今後5年間で約2兆円を投資して電動化を加速するとして、2030年度までにEV15車種を含む23車種の新型EVを投入予定としている。日産はグローバルの「電動車」のモデルミックスを50%以上へ拡大。技術面では、次世代の高性能バッテリーとして注目される全固体電池を、2028年度に市場投入するなどとしている。

TAG: #ルノー #三菱 #日産
TEXT:TET編集部
大阪オートメッセ2023では「EVゾーン」に注目!

2023年2月10(金)〜12(日)にかけてインテックス大阪(大阪府)で実施される「大阪オートメッセ2023」には、昨今のトレンドであるEVの展示を集めた「EVゾーン」が設置される。開幕直後の風景をさっそくお届けしよう。 日系メーカー、海外メーカー、チューニングパーツメーカー、超小型EVメーカーと幅広いバラエティ 日系自動車メーカーでは三菱、マツダ、ニッサン。海外自動車メーカーではVW、BMW、BYD、ヒョンデがそれぞれ市販モデルを展示。BYDはEVゾーンに隣接して東京オートサロンに続き独自ブースを出展、新しいブランドの価値観を来場者に伝えるよう努めている。 総合チューニングパーツメーカーであるブリッツは「アリア」、車高調整式サスペンションを主に手がける自動車パーツブランドであるクスコおよび、テスラ車のメンテナンスに注力しオリジナル・パーツも提供するA PIT東雲は「テスラ・モデル3」を持ち込んだ。 独自の超小型EVを持ち込んだのは「KGモータース」と「EVランド」の2社。KGモータースの「ミニマムモビリティコンセプト」は東京オートサロンとは異なるイエローで、丸目仕様のヘッドライトが採用されていた。EVランドの「ジンマ」「ジンマプロ」は、中国生産ながらオリジナルの製品を開発。250cc以下の軽二輪という規格ながら3輪ということで、前者では3人、輸送用のトランクを備える後者では1人乗車となる。 開催概要はhttps://ev-times.com/2023/02/09/2752に詳しいが、日曜18時まで絶賛開催中なので関西地区のカーファン、とくにEVに注目する方々はぜひチェックしてほしい。 最新情報は公式ウェブサイト、SNS公式アカウントから 公式ウェブサイト https://www.automesse.jp/ [Facebook] https://www.facebook.com/OsakaAutomesse/ [Twitter] https://twitter.com/osakaautomesse [YouTube] https://www.youtube.com/user/AutomesseAssociation [Instagram]  https://www.instagram.com/osaka_automesse/

TAG: #BYD #ブリッツ #大阪オートメッセ2023
TEXT:TET編集部
大阪オートメッセ2023に「EVゾーン」開設 「BYD ATTO3(アット3)試乗体験」ほか各国の主要EVが勢揃い

「クルマのワクワク」をEVにも 2023年2月10日(金)から12日(日)までの3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪において「第26回 大阪オートメッセ2023」が開催される。クルマとカスタマイズの楽しさを題材にした「エンターテインメント・モーターショー」だ。1997年から毎年、開催されているこのショーは、500台以上の車両が展示され約25万人が集まる巨大イベントに成長した。 今年の注目は「EVゾーン」の設置と、つい先日発売されたばかりの「BYD ATTO3(アット3)」の試乗体験イベントだ。「EVゾーン」には国内外の主要EVメーカーの市販モデルに加えて、ブリッツやクスコといった著名ブランドによりカスタマイズされたEVや、新しいモビリティとして注目されるコンパクトEVが展示される。 関西地域で初めてBYDアット3の日本仕様に試乗できる 「BYD アット3」の試乗イベントは会場内の特設コースで実施される。関西地域では初めて試乗が可能になるイベントで、用意される車両も日本仕様であるところが注目点だ。 試乗イベントの参加には大阪オートメッセ2023の入場券が必要。下記URLから事前予約できるが、当日の受付も可能なので会場にて状況をチェックしたい。 https://byd.co.jp/e-life/event/ EVゾーン展示車両 ・三菱自動車  ekクロス EV ・マツダ    MX-30 EV ・日産自動車  サクラ、アリア ・フォルクスワーゲン ID.4 ・BMW     i7、i4 ・BYD      アット3 ・ヒョンデ    アイオニック5 ・ブリッツ    ブリッツ アリア ・クスコ     テスラ ・KGモータース ミニマムモビリティコンセプト ・A PIT     A PIT東雲オリジナルテスラモデル3 ・EVランド   ジンマ、ジンマプロ   CARトップ&EV TIMESブース ・ブレイズ   ネクストクルーザーEV、スマートEV、EVスクーター ・マセラティ  ギブリ ・マクラーレン アルトゥーラ ・マツダ    CX60 XD-HYBRID Premium Modern、CX60 BIO FUEL ・三菱自動車  エクリプスクロスPHEV ・ヒョンデ   i20 N WRC  Rally 1 大阪オートメッセは関西地域の自動車文化のパワーを集め、「クルマのワクワク」を満喫できるイベントとなっている。「水曜日のカンパネラ」「ナオト・インティライミ」ほか著名アーティストが集うライブイベントや、SUPER GTドライバーによるトークイベントなど催しも充実し、フードパークには全国の味覚が一同に会するなど、家族で楽しめる構成が組まれている。中学生以下入場無料、U-22特別優待チケットも若いカーファンにとって嬉しい設定だ。 前売チケットの販売は本日2月9日までだが、会期中も当日券を入手できる。詳細は下記を参照されたい。 開催概要 展示会名称 […]

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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