ヒョンデ 記事一覧

TEXT:TET 編集部
ヒョンデ、熊本でカーシェアリング「MOCEAN」をテスト運用……デイリーEVヘッドライン[2023.02.07]

ヒョンデ、熊本でカーシェアリング「MOCEAN」をテスト運用 【THE 視点】ヒョンデは、三菱商事エネルギー株式会社(MCE)と業務提携し、東光グループ(MCE特約店)が運営するカフェ&ダイニング「STAND(スタンド)」で、ヒョンデのカーシェアリングサービスを含めたモビリティサービスのテスト運用を2月6日から開始すると発表した。  両社は「スタンド」を拠点に約3ヵ月間のテスト運用を経て、日本国内の地方部におけるヒョンデのZEV体験スペースの拡大を図るという。  このテスト運用拠点では、ヒョンデのEV「アイオニック5」をカーシェアリングサービス「MOCEAN」を通じて体験ができ、充電等のサービスも提供する。その後、MCEの関連会社のサービスステーション約5,000店のネットワークを活用したEVの展示、試乗、カーシェアリングサービス、購入相談、納車、洗車・コーティング、充電等、幅広いモビリティサービスを提供する予定。  ヒョンデは、横浜から主要都市へのショールーム展開を進めているが、よりスピード感を高めて顧客への試乗やサービスに対応するには、既存のサービスステーションを通じて行うのが早いと判断したのだと思う。やはり「実車を一度は見てみたい」「試乗してみたい」というユーザーは多いはず。ライバルであるBYDの展開スピードの速さも、今回のサービス開始に少なからず影響しているのではないだろうか。  「日産リーフ」が発売された頃の話だが、1台売るための営業マンの労力はエンジン車の数倍かかると聞いた。購入希望者の自宅に実車を持ち込み、コンセントの位置や充電ケーブルの長さなど、設備面でのサポートをしなければ売れなかったようだ。  現在はそこまで手厚くフォローする必要はないとは思うが、充電器設置の話などはネット販売だけではわからない部分が多く不安は拭えない。  やはり専門のスタッフと対面で相談できるのは心強いはず。今後は、ネット販売が主流となると言われているが、こういった駆け込み寺的な存在は必要だと感じる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★ルノー・日産・三菱のアライアンスがEVの新戦略を発表……ルノー・グループと日産がラテンアメリカにAセグメントのEV2車種を投入、インドも検討[詳細はこちら<click>] ★横浜市でゼロエミッション車の試乗会「Zero Carbon Yokohama 次世代自動車試乗会 in みなとみらい」を開催(2月23日、10時〜16時)……「トヨタbZ4X」「ミライ」「日産サクラ」「ヒョンデ・アイオニック5」などを用意 ・EV充電サービスのパワーエックス、7.5億円を新たに調達……建設中のバッテリー工場「Power Base」(岡山県玉野市)の立ち上げや研究開発に充当 ・EV充電サービスのエネチェンジ、ゴルフ場へのEV充電器設置を推進……「ゴルフダイジェスト・オンライン」と協業

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TEXT:栁 蒼太
京都でヒョンデのZEVを体験―Hyundai Mobility Lounge 京都四条―

ヒョンデはオートバックス・グループのフラッグシップ店舗「A PIT AUTOBACS KYOTO SHIJO」において、同社のZEVを体験できるスペース「Hyundai Mobility Lounge 京都四条」を2023年2月4日(土)よりオープンする。  PIT INだけではないトータルサポートを提供 同施設では、ヒョンデが展開するZEV※、電気自動車(EV)「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」と燃料電池自動車(FCEV)「NEXO(ネッソ)」が体験できる。展示、試乗はもちろん、購入相談を実施し、専用の納車空間も設置している。 さらにヒョンデは、「A PITオートバックス京都四条」とZEV整備の技術提携しており、ヒョンデ車両の点検整備・保証整備・他メインテナンスを実施することで、購入から納車、アフターサービスの顧客ケアも用意している。 ※ZEV(Zero Emission Vehicle):走行時に⼆酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCEV)の総称

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TEXT:嶋田 智之
[ヒョンデ IONIQ5 試乗記]いつの間に!? ヒョンデの高い実力 その5

力強い走り アイオニック5は、ワインディングロードでもなかなか爽快なドライブを楽しませてくれた。そう、まさに爽快、という言葉が似つかわしい。スポーツカーのようにとまでいうつもりはないけれど、気持ちが綺麗にすっきりするくらいにはスポーティに走ってくれる。 後輪駆動モデルと四輪駆動モデルのどちらにも共通しているのは、まずアップダウンの多い山坂道の登りでも、“力不足”という言葉さえ思い浮かばないことだ。多少勾配がきつかったとしても、涼しい顔をしてグングンと駆け上がっていく。いうまでもなく四輪駆動モデルの方は225kW(305ps)に605Nmとパワーもトルクもある分だけ余裕はあるけれど、後輪駆動モデルの160kW(217ps)と350Nmだってじれったい想いをすることはない。勾配などモノともせずにあっさり前に進んで行ってくれるのだ。 それに350Nmといえば、内燃機関ならちょっと前だと3.5L V6自然吸気、今どきなら2.0L直4のダウンサイジング系ターボの数値。いずれもスポーツ系のモデルに多用された構成だ。けれど、いかに内燃機関で350Nmのトルクがあったとしても、アクセルペダルを踏み込んだ瞬間に有効なトルクが立ち上がるモーター駆動のレスポンスには敵わない。加速の立ち上がりの強力さはEVの独壇場ともいえる大きな武器なのだ。だからちょっと元気よく走らせてみると、コーナーからの立ち上がりの素早さに思わずニンマリさせられるほど。四輪駆動モデルではフロントのモーターが効き目を示してくれたりもするから、なおさらだ。両車それぞれ、なかなかいいパフォーマンスを見せてくれるのである。 それに、よく曲がる。快く曲がる。どちらも基本は安定志向の落ち着いた曲がりっぷりではあるのだが、だからといってつまらないモノになってないのが嬉しいところ。重心が低く鼻先が軽く、だからよっぽど物理の法則を無視したようなドライビングでもしない限り、あらゆる場面でノーズは気持ちよく自然にインへと向かっていく。ちょっとやそっと追い込んだくらいでは、後輪がグリップを放棄したりクルマの姿勢が乱れたりすることはない。後輪駆動モデルではしっかりとした後輪のトラクションを感じさせながら、四輪駆動モデルではときに前輪からの引っ張りをも感じさせながら、力強く路面を後ろに蹴り出してコーナーを脱出していく。 今どきのメーカー謹製EVのほとんどは、ワインディングロードを苦手としないフットワークのよさを見せる。アイオニック5もまったく同じで、後輪駆動モデルでは1,870〜1,990kg、四輪駆動モデルでは2,100kgという重量がブレーキに与える影響を常に気に留めておく必要はあるが、楽しく気持ちよく減速→旋回→加速のサイクルを味わえる。そしてそれは元気よく走ってるときのみならず、たとえばワンペダルドライブでコーナーの連続をリズミカルにクリアしているようなときでもまったく同じだったりする。

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TEXT:嶋田 智之
[ヒョンデ IONIQ5 試乗記]いつの間に!? ヒョンデの高い実力 その4

ストレスフリーの運転感覚 アイオニック5の日本に導入されているグレードは4つ。バッテリー容量が58.0kWhの後輪駆動、同じく72.6kWhの後輪駆動が装備違いで2つ、そして72.6kWhの四輪駆動となる。58.0kWhのベーシックモデルは125kW(170ps)と350Nm、72.6kWhの中間グレードと上級グレードが160kW(217ps)と350Nm、同じく72.6kWhのAWDがシステム合計で225kW(305ps)と605Nmだ。僕が試乗できたのは、72.6kWhの後輪駆動の上級グレードである「ラウンジ」と、72.6kWhの後輪駆動の「ラウンジAWD」だった。 まずは後輪駆動のモデルに乗り込んで駐車場から一般道に左折すべくウィンカーレバーを操作したら、メーターパネルの表示が変化した。パネルの左側にポッカリと丸く、ボディ左サイドの死角になっている部分が映し出されたのだ。次の交差点で右折をしようとしたら、右側に円形の死角映像が表示される。これは車線変更などのときにも同様で、そのたびにウィンカーと連動して死角を映し出してくれる。もちろんそれだけ注視していれば安全というわけではないけれど、大いに助けになることはたしかだ。ほかのデジタル仕掛けのクルマたちもこうしたらいいのに、と思った。 メーターパネルそのものも、情報量はそれなり多いが、シンプルに整理されて表示されているから、欲しい情報を瞬時につかみやすい。くわえてフロントウィンドーに投影されるヘッドアップディスプレイが備わっているので、走行中に本当に必要な情報をチェックするのも容易だ。視界はいいし車体の四隅もつかみやすい部類だから、それらが走らせやすさにつながっている。

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TEXT:嶋田 智之
[ヒョンデ IONIQ5 試乗記]いつの間に!? ヒョンデの高い実力 その3

広く快適な室内 サイドから見たときのビックリするくらいのホイールベースの長さは、いうまでもなく室内のスペースを広くとることに貢献している。アイオニック5のドライバーズシートに座って自分のドライビングポジションを作り、ふとルームミラーを見てみると、リアシートがずいぶん遠くにある。そのままリアシートに移ってみると、足が組めるくらいのゆとりがある。車体がワイドな分だけ横方向にも窮屈さはまったくなく、どのシートに座っても快適だ。シートの座り心地も、リアルレザーシート、フェイクレザーシートともに良好だ。 フロントシートにはちょっとした仕掛けがあって、電動で後ろにリクライニングさせていくと、背もたれが倒れるとともにヒップポイントが沈み、いい具合にリラックスした姿勢で休むことができる。しかも運転席にも助手席にもオットマンが備わっている。そのうえ上級グレードには「ビジョンルーフ」と呼ばれるガラスルーフが全面に広がっていて空を眺めることができるし、電動式のルーフブラインドを閉めて光を遮ることもできる。つまり充電の待ち時間にゆったりと身体と心を休められるように、ということだ。もちろんサービスエリアで仮眠、なんていうときにもありがたい。充電インフラが今ひとつ整っていない現在は、充電の待ち時間だけじゃなく、場合によっては充電できるポジションに繰り上がるまでの待ち時間というのもあるわけで、嬉しい限りだ。グローブボックスが大容量の引き出し式になっていたり、メーターパネルの右端にマグネットで何かを留められるようになっていたりするのも、待ち時間を楽しく過ごすために考え出されたんじゃないかと思えてくる。 そうした心配りともいえる仕掛けはほかにもある。たとえば左右のフロントシートの間にあるセンターコンソールは前後に140mmスライドさせることができるから、リアシートから物入れやUSBポートなどにアクセスしやすい。さらにシフトのセレクターがコンソールに配されていないため、最も後方に動かしておけば左右間を行き来するのも容易いから、片側のドアが壁などに阻まれて開けられないときでも、逆側のドアからアクロバティックな動きなしに乗り降りすることができる。どうでもいいようなことと思われるかもしれないが、住環境によっては、これはとても便利なのだ。

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TEXT:嶋田 智之
[ヒョンデ IONIQ5 試乗記]いつの間に!? ヒョンデの高い実力 その2

アイオニック5は大小とりまぜていろいろとトピックの多いクルマなのだが、まずはプラットフォームについて触れることからはじめよう。E-GMPと呼ばれるヒョンデのEV専用プラットフォームで、EV専用であることは今どき珍しくもないのだけれど、ヒョンデのそれはリアアクスルに一体型のモーターを配置した後輪駆動が基本とされている。基本というのは、フロントアクスルにも一体型モーターを配した四輪駆動のモデルもラインナップされているからだ。 車格や価格などを考えると、トヨタbZ4X/スバル・ソルテラ、日産アリア、そしてフォルクスワーゲンID.4あたりが日本におけるライバルというか近似値にあるといえるが、日本勢はすべて前輪駆動とそれをベースにした四輪駆動。ヒョンデとフォルクスワーゲンは後輪駆動とそれをベースにした四輪駆動。ヒョンデもジェネシス・ブランドが後輪駆動であることを除けば前輪駆動ベースのクルマばかりだし、フォルクスワーゲンにいたってはすべてが前輪駆動ベースだ。なのにEVということになると、どちらも後輪駆動ベースを採っているところが興味深い。 写真で見るより大きい 車体のサイズは全長4,635mm、全幅1,890mm、全高1,645mm。わかりやすそうなところで比較してみるなら、bZ4Xよりも60mm短く、40mm幅広く、10mm低い数値だ。まだbZ4Xを街で見かけることはほとんどないだろうからわかりやすいともいえないのだが、サイズとしては小さめのDセグメントといったところ。いずれにしても写真などで見かけるイメージほど小さいクルマではない、ということだ。 実際に走らせてみても、アイオニック5のほうが少しワイドだが感覚的にはトヨタ・ハリアーとかマツダCX-5をドライブしているときに近い。街中の細い裏路地やタイトなワインディングロードでは、持て余すとまではいかないものの、気持ちがやや引き締まる感じだ。にも関わらずアイオニック5がコンパクトに見えるのは、ほかのライバルたちがSUVスタイルを採用しているのに対し、ハッチバックのようなスタイリングデザインとされているからにほかならないだろう。ヒョンデはこれをCUV(Crossover Utility Vehicle)スタイルとカタログの中で謳っているが、これはクロスオーバーなどではなく、どう見ても5ドアのハッチバックだ。それも──まぁ好みはあるだろうけれど──かなり見栄えのいいハッチバックだと思う。

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TEXT:嶋田 智之
[ヒョンデ IONIQ5 試乗記]いつの間に!? ヒョンデの高い実力 その1

史上初のインポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞EV 2022年の自動車業界にまつわる代表的なトピックのひとつは、「2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」と「2022-2023 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」の受賞車がどちらもBEVだった、ということだろう。EVとしては2011年に日産リーフがイヤーカーを受賞していてこれが2度目となるが、インポート部門でEVが受賞したのは初めてのことだった。 ちなみに今回は、全エントリー49車種のうち11車種が、EV“専用”モデルだった。リーフが受賞した年は55車種中1車種のみ、以降、2014年が38車種中1車種、2015年が45車種中1車種、2019年が35車種中2車種、2020年が33車種中2車種、2021年が29車種中2車種、といった具合。それ以外にも既存モデルに内燃機関搭載車と並行して設定されたEVもあるわけだが、そんなところからもここにきてEV「専用」モデルが急速に増えてきたことが判る。今やそういう時代なのだな、とあらためて思わせられたものだ。 話をもとに戻すと、「2022-2023 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を勝ち得たのは、ヒョンデ・アイオニック5だった。その受賞理由を、日本カー・オブ・ザ・イヤーの公式ウェブサイトではこう記している。 「革新的なエクステリア/インテリアデザインとともにバッテリーEVとして、498km~618km(WLTCモード)という実用的な航続距離や卓越した動力性能のほか、充実した快適装備や安全装備、V2Hや室内/外V2Lにも対応している点などが評価された。さらに、ステアリングのパドルシフトレバーで回生制動量を変更できる点も、走りの楽しさを高めてくれるポイントとして指摘する声が多かった」 捲土重来 ヒョンデが最初に日本市場へ参入したのは2001年のこと。当時は「ヒュンダイ」を名乗っていた。1967年に創立され、1975年に韓国初のいわゆる国産車をデビューさせたヒュンダイは、1980年代半ばから1990年代にかけてカナダや北米などでコストパフォーマンスに優れるという点から評価が高く、売れ行きも好調で、満を持しての日本上陸だった。 が、そう上手くはいかなかった。日本には数多くの自動車メーカーが存在し、この国の地の利も活かしたコストパフォーマンスに優れたクルマは山ほどあって、サービス網も整備されている。輸入車ということでは古くから参入している欧米のメーカーたちが根ざしていて、バブル期にさらに深く広く浸透して地位を固めた直後のことだった。難問が山積みだったのだ。結局、販売が思わしくなかったうえに原材料高騰などに起因する値上げがさらに脚を引っ張るかたちになり……という悪循環から脱することができず、2008年に日本市場での販売をやめることが発表され、2010年をもって乗用車の日本での販売から完全に撤退、となった。 と、あまり歴史的な事柄に関心のない人にとってはどうでもいいかもしれない話を連ねたのだが、それには僕なりの理由がある。

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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