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ガソリン車よりも安くね? ジーリーの6人乗り大型SUVのEV「M9」のコスパが「嘘だろ」レベル


TEXT:高橋 優 PHOTO:吉利汽車/EV Native
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驚愕の高コスパを実現したラージSUVが登場

中国ジーリーが新型大型電動SUVであるM9のワールドプレミアを開催しました。日本円で300万円台という驚きのコスト競争力を実現することによって、先行発売開始24時間で4万台以上の注文を獲得しています。

ジーリーの大衆EV専門ブランドであるギャラクシーは、2023年に立ち上がってからジーリーの開発する大衆セグメントのEVを矢継ぎ早に投入中です。Galaxyブランドの売れ筋はXingyuanというコンパクトEVです。私自身Xingyuanの実車をレビューしたこともありますが、日本円で140万円程度のBEVとは思えないほどに完成度が高く、実際にBYDシーガルやテスラモデルYを上まわり、2025年中国でもっとも売れている自動車に君臨しています。

Galaxyの基幹車種Xingyuan

そして、Galaxyの最新動向として、8月下旬にワールドプレミアされたのが、フルサイズSUVであるM9です。M9は全長5205mm、全幅1999mm、全高1800mm、ホイールベース3030mmというフルサイズSUVセグメントに該当します。

M9で特筆するべきは、ジーリーの最新PHEVエンジン「Thor EM-p」の第二世代を搭載してきているという点でしょう。このPHEV専用エンジンは熱効率47.26%を実現しながら、さらに統合化された電動パワートレイン、Cd値0.285の達成などによって燃費性能を大幅に改善しており、CLTC基準で4.8L/100kmを実現。EV航続距離を含めた最大航続距離も1500km以上を確保しています。

Galaxy M9のフロントスタイリング

AWDグレードは3つのモーターを搭載するトライモーター仕様で、システム最高出力640kW、最大トルク1165Nmを実現し、0-100km/h加速は4.5秒、最高速も210km/hを実現します。タンクターンや縦列駐車における横スライド駐車にも対応可能。エルクテストでも83km/hをクリアするなど、大型SUVとして優れた動力性能を実現しています。

さらに、インテリアも極めて洗練されています。車載OSは子会社化しているMeizuのFlyme Autoの第二世代を初採用しながら、車載チップはQualcomm Snapdragon 8295Pを搭載。ハイエンドADASも高速道路上だけでなく市街地を含めた追い越しや分岐対応、障害物に対する回避挙動、右左折、ラウンドアバウト、転回などに対応するシティNOA「G-Pilot H5」を採用。デュアルチャンバーエアサスペンションも搭載しています。

Galaxy M9のインテリア

そして今回、中国メディアをざわつかせてきたのが先行発売時の値段設定です。なんと19.38万元(日本円で398万円)からという、大型SUVとしては異例となる低価格を実現してきたのです。9月中に正式発売される際にはさらに値下げして発売されるのが慣例であり、おそらく18.38万元(日本円で380万円)程度から発売される見通しです。

まさか3列シートの大型SUVが20万元を遥かに下まわる値段設定を実現してきたということに対して、明らかに業界全体に動揺が広がっているのです。

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