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TEXT:岩尾 信哉
米テスラ、米国ネバダ州に2工場増設を発表。 EV用バッテリーとEVトラック「セミ」を生産

電気自動車(EV)専業メーカーである米テスラは、去る1月24日に米国ネバダ州リノ郊外の生産拠点である「ギガファクトリー・ネバダ」に2工場を新設すると発表した。それぞれEV向けバッテリーとEVトラック(トレーラーヘッド)である「セミ」を生産する。新工場新設への投資額は36億ドル(約4,690億円)を想定している。 EV用バッテリー生産を大幅増強  最近では戦略的といえる世界的な値下げ(モデル3とモデルY)で話題となったテスラだが、米国での追加の設備投資を発表することになった。新たに建設されるバッテリー工場では最新のリチウムイオン・バッテリーセル「4680」を生産し、生産能力は年間で小型車用として最大200万台分となる予定。「セミ」初の量産施設については、具体的な生産台数の見込みは示されなかった。 これまでテスラが62億ドル(約8,000億円)を投資してきた「ギガファクトリー・ネバダ」では、EV用のモーターやバッテリーパックのほか、家庭用バッテリー「パワーウォール」などをも生産してきた。ちなみに、2014年にテスラが設立した同工場で生産されたバッテリー総数は73億個(150万個のバッテリーパック)を数える。 今回、発表された新バッテリー工場の生産規模は100GWh(4,680バッテリー)に及ぶ。2030年までにバッテリー生産量を約100倍に引き上げ、バッテリーコストを半減するという目標達成をテスラは掲げている。従業員数は両工場合わせて約3,000人となるという。 EVトラックの量産を開始 テスラが2017年に発表した商用EVトラックである「セミ」は、約5年を経た2022年12月に世界的飲食品メーカーであるペプシコに、ようやく第1号車が納車されたばかりだ。 「セミ」では商用EVにふさわしいブレーキ周りの耐久性の高さやメインテナンスの容易さなどが謳われ、将来に向けて自動運転技術の採用を見据えている。走行性能に関しては、0―100km/h加速が5秒、車両総重量36トンの荷物満載状態で20秒。電費性能は「航続距離が500マイル(約800km)、燃料消費率2kWh/マイル」とのデータをテスラは公表しており、専用充電器「メガチャージャー」によって充電を行うとのことだ。

TAG: #テスラ #岩尾 信哉
TEXT:栁 蒼太
メタバース上でサステナブルな暮らしを体験?日産自動車が「NISSAN EV & Clean Energy World」を公開

日産自動車は、メタバース上でEVを活用し、サステナブルな暮らしを楽しむゲーム型コンテンツ「NISSAN EV & Clean Energy World」を公開した。 日産が提供する「EV」とは いち早く量産型のEVを発売した日産は、「EVを作る」ことだけではなく、「『EVのある暮らし』への追求」にも余念がない。 昨今、持続可能な未来のために、太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーの活用が注目されているが、これらのエネルギーは季節や天候、時刻などに影響されやすいため、電気を貯めて効率的に活用することも求められている。 日産は、大容量バッテリーを搭載するEVを電力系統に接続するなど、再生可能エネルギーを有効活用するための様々な研究にも取り組んでいる。また、EVに貯めた電気を家庭の電源として使用するためのV2H(Vehicle to Home)や、電気機器に給電するV2L(Vehicle to Load)などをあわせた、EVのある暮らしを提供してきた。

TAG: #日産
TEXT:栁 蒼太
[集合住宅にもEVを]日産自動車と積水ハウスがタッグ 「+e PROJECT」発足

集合住宅に暮らす、あるいは自宅は持ち家ではなく賃貸派の人々にとって、「自宅(集合住宅)で充電ができない」ケースが多いことは、EVの購入をためらわせる最も大きな要因だ。実際、日産が2022年12月に実施した調査によると、EV検討層の半数は住環境を理由にEV購入を断念しているという。そのような背景のなか、集合住宅でEVを普及させる環境を整えるべく、日産自動車と積水ハウスは共同で「+e PROJECT」を発足させた。  プロジェクト始動、まずはサイトのチェックから プロジェクトのスタートにあたって日産自動車は、神奈川県横浜市に積水ハウスが建築したゼロエネルギーの賃貸住宅「シャーメゾンZEH」において、集合住宅でEVと過ごす暮らしを体験するイベント「+e試住」を3月4日より実施する。「+e試住」では「食体験」「防災シミュレーション」「ペットとの暮らし」の3つのテーマを設定し、集合住宅にてEVのある暮らしを1泊2日で体験できる。 現在集合住宅で暮らしていて、集合住宅へのEV充電設備導入を検討している人に、具体的な方法をまとめた特設サイト(https://ev2.nissan.co.jp/PLUSEPROJECT/)も公開された。ここでは、プロジェクトに関する内容だけではなく、EVと暮らしにかかわるニュースや体験者の声などを定期的に配信するほか、「興味はあるけど、何から始めたらいいの?」という人のための『First Step診断』も設けられている。診断結果の中には充電サービス業者を紹介するページも用意され、設問に答えていくとEV導入に向けて、「初めの一歩」に何をしたら良いかが具体的に分かる仕様となっている。  *ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス):省エネと創エネを組み合わせ、快適な室内環境を実現しながら、年間の一次エネルギー消費収支をゼロにすることを目指す住宅のこと。

TAG: #日産 #積水ハウス
TEXT:岩尾 信哉
ポルシェ・マカンEV仕様の開発進行中。基本仕様はこうなる!

ポルシェは1月11日、EV仕様の新型マカンの開発状況を、雪上でのテスト風景などとともに明らかにした。ポルシェは2025年までに販売モデルの半数以上をEVもしくはプラグインハイブリッド・モデルとし、2030年までに80%以上の販売車種をEVとする目標を掲げている。ポルシェでは初めて新たなEV用プラットフォームを採用車種として現れる次期型マカンについて、限られた情報を確認しておく。 新プラットフォームが生み出す「電動マカン」 フォルクスワーゲン・グループ内で、アウディとポルシェはBEV(バッテリー電気自動車)用プラットフォームの開発を共同で進めており、新プラットフォームはPPE(Premium Platform Electric :プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)と呼ばれている。  フォルクスワーゲン・グループのEV用プラットフォームを確認しておくと、現状ではフォルクスワーゲンでは「ID.シリーズ」やアウディのコンパクトモデルである「Q4 e-tron」などには、中小型車用のMEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリックス)が使われている。「アウディe-tron GT」や「ポルシェ・タイカン」といったラージクラス用としては「J1パフォーマンスプラットフォーム」が存在する。グループ内のランボルギーニやベントレーといったプレミアム・ブランドへの採用も視野に入れたものだ。これらに加わるのが「PPE」となる。将来はフォルクスワーゲン・グループ内において、J1に代わって上級モデルの主力プラットフォームとして利用される予定だ。 新型マカンのEV仕様について明らかにされた内容を、電動パワートレインから追っていこう。永久磁石同期モーターを利用する駆動システムは、ポルシェが採用する800V高電圧システムと組み合わされ、約450kW(約610ps)の出力と、1,000Nmを超えるトルクに対応すべく開発されている。充電時間に関しては、80%を5~25分以下で充電可能という。フロア下部に搭載される総容量100kWhのリチウムイオン・バッテリーは12個のモジュールで構成。充電施設が400V対応の場合にも、バッテリー機能を2分割して切り替え可能とするなど、利便性に配慮した仕様となる予定だ。

TAG: #ポルシェ #マカン
TEXT:生方 聡
VWグループ、2022年のEV世界販売台数は57万2100台で26%増

フォルクスワーゲン・グループは、1月12日、2022年のEV販売台数が前年比26%増となる57万2100台に上ったと発表した。 フォルクスワーゲン・グループは、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレーといった乗用車ブランドに加えて、フォルクスワーゲンの商用車部門や、マン、スカニアといったトラック部門など、さまざまなブランドを傘下に擁している。 2022年のグループ全体の世界販売台数は、部品の供給不足や一時的な生産停止などの影響で、前年から6.9%減の8,262,800台に留まったが、EVの販売台数は452,8100台から26.3%増の572,120台に伸ばす結果になった。総販売台数に占めるEVの割合も、2021年の5.1%から6.9%に上昇している。   2022のEV販売台数 2021のEV販売台数 増減(%) フォルクスワーゲン(乗用車) 325,100 263,100 +23.6 シュコダ 53,700 49,100 +9.3 セアト/クプラ 31,400 13,000 +140.8 フォルクスワーゲン(商用車) 7,500 3,600 +109.0 アウディ 118,200 81,900 +44.3 ランボルギーニ/ベントレー 0 0 —— ポルシェ 34,800 41,300 -15.7 マン 900 800 +3.5 フォルクスワーゲン(トラック&バス) 0 0 —— スカニア 260 0 —— ナビスター 260 10 —— 合計 572,120 452,810 +26.3 […]

TAG: #ID.4 #VW #アウディ #ポルシェ #生方 聡
TEXT:岩尾 信哉
KGモーターズ、「ミニマムモビリティ」コンセプトを「東京オートサロン2023」にて発表。合わせてモニターの募集を開始

1月13~15日に開催された「東京オートサロン2023」において、KGモーターズ株式会社(本社:広島県東広島市、代表取締役CEO:楠 一成)が発表した、超小型モビリティの試作EVが「ミニマムモビリティ」コンセプト(以下、ミニマムモビリティ)だ。「YouTuberから世界に通用する自動車メーカーを目指す」という新興メーカーである同社は、将来の量産販売を見据えて2024年に実施予定のリース式モニターの募集を開始した。 量産目指す魅力的な超小型車 前後左右が共通のデザインが施された「ミニマムモビリティ」は、車両規格が第一種原動機付自転車、原付EVのいわゆるミニカー規格に当てはまる超小型車だ。フレーム+プレスパネルの構造を採るボディのサイズは全長×全幅が2,450×1,090×1,500mm。「80年代のポラロイドカメラ」をモチーフとしたエクステリアは、親しみに溢れた仕上がりを見せる。モーターのパワーは定格出力0.59kW(0.8ps)、最高出力5kW(6.8ps)。100V電源による充電機能を与えられ、5時間充電で100kmの航続距離を想定している。 KGモーターズは「ミニマムモビリティ」の発表と同時に、将来に向けてモニターリースの募集を開始した (hunfooli.jp/monitor)。2024年から実証実験の開始を予定しており、2025年の正式発売に向けて「モニターリースを通じてフィードバックをいただき、正式発売に向けて改良を重ねていく予定」とコメントしている。

TAG: #KGモータース #東京オートサロン2023
TEXT:生方 聡
HWエレクトロ、中型商用EVバン「エレモ-L」を発表。商用軽EV「エレモ-K」はカーコンビニ倶楽部でリース販売を開始

中型EVバン「エレモ-L」を2023年初夏発売 HWエレクトロは、1月13日、中型商用EVバン「エレモ-L」を発表した。 HWエレクトロは、大阪府出身で台湾国籍の蕭 偉城(ショウ ウェイチェン)代表取締役社長が立ち上げた、商用EVに的を絞ったファブレス(工場を持たない)自動車メーカーで、東京都江東区に本社を置く。海外製小型商用EVの「エレモ」シリーズを日本に導入し、2021年7月24日には小型EVトラックの「エレモ」を、同11月20には商用軽EVの「エレモ-K」をそれぞれ発売している。 今回発表した「エレモ-L」は、全長5.45×全幅1.85×全高2.05mの余裕あるサイズのボディに、幅1.69×高さ1.38×奥行2.89mの広い荷室を備えた中型商用EVバン。基本部分をアルミ製とするとともに、樹脂パネルを多用するなどして軽量化と高いリサイクル性を図った。駆動用バッテリー容量は43.5kWhで、270kmの航続距離を誇る。 普通充電に加えて、急速充電にも対応。充電に要する時間は、普通充電が8時間(0%から100%まで)、急速充電が30分(30%から80%まで)。 シンプルなデザインを採用するだけに、商用車としてはもちろんのこと、アウトドアやレジャー向けにも需要がありそうだ。 発売は2023年初夏を予定している。価格は未定。

TAG: #HWエレクトロ #エレモ
TEXT:曽宮 岳大
レクサス、EVの楽しみの幅を広げるコンセプトカー「RZスポーツ・コンセプト」や、アウトドア向けコンセプトカー群を披露

脚光を浴びるバッテリーEVの高性能化 レクサスは「東京オートサロン2023」で、同ブランド初のバッテリーEV専用モデル「RZ」をベースにカスタマイズを施し、走りの楽しさや所有感を高めたコンセプトカー「RZスポーツ・コンセプト」を展示。このほか、“クルマ×アウトドア”の新たなコンセプトを訴求する出展も行なった。 レクサスは2020年に初のバッテリーEV「UX300e」を発売し、2021年12月には大規模なバッテリーEV戦略を発表。翌2022年4月にバッテリーEV専用モデルとなる「RZ」の導入を発表するなど、バッテリーEVのラインアップを強化中だ。またこれと並行して、バッテリーEVの楽しさを高めるモデルの企画・開発も進行している。今回の「RZスポーツ・コンセプト」も、カーボンニュートラルの実現を目指しつつ、走りやカスタマイズの楽しみを高め、クルマ本来の魅力を訴えるモデルに仕上がっている。 モーターは前後に150kWの高出力モーターを搭載する。ベースとなるRZではフロントが150kW、リアは80kWで、これに対してリアモーターの出力を大幅に強化したかたちだ。 さらに専用エアロパーツや35mmの車高ダウン、295/35R21というワイドタイヤの採用のほか、ボディ自体も全幅が90mmワイド化されるなど、レーシーな佇まいに仕上げられている。室内には4座バケットシートも採用している。開発にはSUPER GTやスーパー耐久で活躍し、RZの開発にも携わった佐々木雅弘選手が関わったとのことだ。

TAG: #アウトドア #レクサス
TEXT:生方 聡
ジープ・アベンジャーが欧州カー・オブ・ザ・イヤー2023を受賞

欧州カー・オブ・ザ・イヤー組織委員会は、1月13日、ベルギーで開催中のブリュッセル・モーターショーにおいて授賞式を開き、ジープ・アベンジャーが欧州カー・オブ・ザ・イヤー2023を受賞した。 今年60回目を迎えた欧州カー・オブ・ザ・イヤー(以下、欧州COTY)には、27台がノミネートし、ジープ・アベンジャー、日産アリア、ルノー・オーストラル、フォルクスワーゲンID.Buzz、起亜ニロ、プジョー408、スバル・ソルテラ/トヨタbZ4Xの7台が最終審査に残った。 23ヵ国、59名の自動車評論家の投票で決まる欧州COTY2023は、21名の審査員が1位票を投じたジープ・アベンジャーが328ポイントを獲得し、堂々の1位に輝いた。ジープが欧州COTYを獲得するのはこれがはじめて。 コンパクトSUVのアベンジャーはジープ初のバッテリーEVであり、115kWの電気モーターと54kWのバッテリーによりWLTPモードで400kmの航続距離を達成する。 2位は“ワーゲンバス”の再来といわれるフォルクスワーゲンID.Buzz、3位は日産アリアとなった。 投票の結果は次のとおり。 1位 328点 ジープ・アベンジャー 2位 241点 フォルクスワーゲンID.Buzz 3位 211点 日産アリア 4位 200点 起亜ニロ 5位 163点 ルノー・オーストラル 6位 149点 プジョー408 7位 133点 スバル・ソルテラ/トヨタbZ4X  

TEXT:曽宮 岳大
トヨタ車体、小型EVの参考出展車やランクルのカスタムカーをオートサロンで発表

年に一度のカスタムカーの祭典、「東京オートサロン2023」が1月13日(金)、幕を開けた。東京オートサロンでは、市販車をベースとしたカスタムカーのほか、往年の名車のレストア車や、市販化を視野に入れたコンセプトカーならびに参考出展車も顔を並べる。ここで紹介するトヨタ車体の出展車も、いわゆるチューニング系のカスタムカーではなく、メーカーが将来の商品企画を示唆するものとして、あるいは技術発表の場として展示する参考出展車だ。 トヨタ車体は、トヨタ自動車の系列会社。企画から生産までを手掛ける完成車両メーカーで、タフさで定評のある「ランドクルーザー」や「ハイエース」も同社の工場から生まれている。 オートサロンでは、ランドクルーザーの祖先であり、ジープのような古典的な佇まいで定評のある「40系」のボディと、現代の技術でタフネスに磨きがかけられたオフロードモデル「70系」のシャシーを組み合わせた参考出展車「ランドクルーザー40×ランドクルーザー70」を出展。いずれもマニア垂涎の名車だが、諸寸法の異なる両車を完全にマッチングさせたその完成度の高さは、生みの親ならではの仕事ぶりを感じさせるところ。 今回の作例では、現代技術が生んだ70系の耐久性・走破性の高さと、過去の秀作「40系」のスタイリングを蘇らせた。メーカーの技術がこうした分野に発揮されれば、カスタマイズの可能性が広がるのは間違いない。そんな期待を抱かせる参考出展車だ。

TAG: #トヨタ車体 #東京オートサロン2023
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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