急速充電ばかり使っていてはガソリン代と大差ない
ほかに、時間単位での従来方式では、急速充電器の出力によって分類されており、50kW以下の機器であれば、一般道が55円/分、高速道路のサービスエリアなどが77円/分とのことだ。90kWなど50~100kW以下の高性能な機器を利用した場合は、一般道が77円/分、高速道路が99円/分とある。

これらを使用した人の経験値では、70~80円/kWhほどになるのではないかとの情報がある。これを参考にすると、1kmにつき7.35~8.40円と計算できる。この例では、ガソリン代に近い数字になる。
以上のことから、いかに基礎充電と位置付けられる自宅や勤務先での普通充電(200V)が重要であるかが見えてくる。
急速充電器は、設置に1000万円前後の費用がかかる(機器と工事費)場合もあるとされる。安価な事例でも、数百万円とのことだ。これに対し、自宅などでの200Vの充電コンセントは、もっとも安価なもので5500円程度。これに分電盤からの配線工事を含め、10万円前後で設置できる。あとは、使った電気代だけなので、ガソリン代と比べ明らかに安上がりになる。しかし、公共の充電器は設置するだけで高額の投資になるので、充電する電気代に余分の額が上乗せになる。

上記のe-Mobility Powerの事例はビジター料金であり、会員制による充電カードでの充電方法もあるが、この場合は月々の会費を別途支払うことになるので、単純に充電の際の電気代だけでは代金を算定しがたい。ちなみに今回の急速充電の金額は、CHAdeMOの例である。
ところで、EVの魅力は経済性だけでない。EVであることによる静粛性はもちろん、振動の少なさや、乗り心地の落ち着いた感触、それにともなう高速道路での安定性の高さ、また加速や応答のよさなど利点が多々ある。軽EVでも使用中の満足度は、エンジン車の軽の比でない。エンジン車の登録車に乗る必要を感じさせないほど、軽EVは上級さと充実さを味わわせてくれる。

そもそもクルマの購入段階で登録車を選ばなくても軽自動車で十分となれば、ここで大きな節約になる。税金も安い。5ナンバー車の選択肢が限られるいま、軽自動車であれば路地を含めどのような道路でも運転しやすさが高まる。軽EVなら、高速道路での移動も快適だ。
ただし、乗車定員は4名になる。登録車の5名からひとり分少なくなる。それも、タクシーを利用することを考えれば、4人までしか乗れないので(運転手がいるので)、日常的に1~2名での利用であれば、大きなクルマである必要はないだろう。日々の利用で、手の内にある運転が軽EVでかなう。これまで、軽自動車を敬遠してきた人も、軽EVを試せば、その価値に頷くのではないか。
日本では、集合住宅や月極駐車場での基礎充電が難しい課題が十分に解決されていない。また、クルマ通勤が日常の地域では、勤務先の企業の普通充電設置の意識向上も求められる。通勤でのEV利用が実現すれば、ガソリン代より安い燃料代を実感する機会が広がる。通勤費用(交通費)を従業員に支払っている企業は、ガソリン代に代わる電気代として安く済む。

この先、燃料代に対し政府が行っている補助を見直す議論がある。企業活動においても、輸送代や原料代の高騰に頭を悩ませているだろう。そのとき、従業員へ支払う燃料代が電気代で済むようになれば、経費削減につながる。
そのために、従業員の駐車場に10万円ほどで200Vコンセントを設置するくらい、長い目で見ればわずかな先行投資ではないだろうか。通勤での疲労もEVで軽減される期待もあり、クルマ通勤が多い企業ほど、EV選択を従業員に推奨すべきである。

























































