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こういうのがいいんだよ! ヤマハが送る「グリスロ」が交通過疎地域を救う!!


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:ヤマハ/TET編集部
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グリスロは日本の道路にベストマッチ!

グリーンスローモビリティ(通称グリスロ)は、ヤマハ発動機が開発した公道を走れる電動カートだ。
最高時速は20kmまでで、自動運転だと時速12kmとなる。

3車種あるが、車体は基本的に同じつくりで、乗車定員数によって全長に違いがある。乗車定員は、4人、5人、7人の3種類だ。

ヤマハ AR07

車体の全幅は1354mで、軽自動車の1480mより狭い。全長は、乗車定員の数によって、3150~3955mになる。もっとも短い4人乗りは、軽自動規格内におさまる。5~7人乗りは小型自動車の扱いだ。充電は、200Vの普通充電で行う。

車載のリチウムイオンバッテリーは、約8.2kWhだ。軽EVの日産サクラや三菱eKクロスEVの4割ほどになる。軽EVの20kWhでも日常の移動に十分な能力を備えるので、最高時速20kmで地域内の移動などに使うぶんには適切なバッテリー容量といえるだろう。

ヤマハ ARシリーズの活用イメージ

軽自動車枠となる4人乗りは、入り組んだ路地などのある地域に適している。5人乗り以上になると、世帯数の多い地域での送迎や、観光の足、広い駐車場内での移動などに使える。

いずれの車種も、車体全高が1.8m以上あり、かつ低床のつくりなので、老若男女を問わず乗り降りもしやすいだろう。追加の注文装備として、雨から乗員を守るカバーや、荷物を載せるカゴなどがある。

ヤマハ ARシリーズの床

自動運転は、2種類の方式がある。いずれも、決まった道筋を走ることになるが、誘導の仕方に違いがある。

電磁誘導式は、通路下に埋設したマグネット式の誘導線から磁力を検知し、道筋をたどる。また、後続車に対しては追突防止機能を備え、後続車はその信号を検知すると停止する仕掛けだ。約80m離れた場所からのリモート操作もできる。

ヤマハ ARシリーズの運転席

もうひとつは、ステレオカメラを屋根の前端に装備し、前方の様子を認識する。そのうえで、RFID(無線を使った識別)を路上に設置し、そこからの情報を読み取りながら道筋をたどる。ゴルフ場のカートなどでの利用を前提に、すれ違いもできる機能になっている。

ヤマハ effi-visionのイメージ

地域によっては人口減少により、公共交通機関の存続が厳しさを増している。同時にまた、高齢者に対する運転免許証補返納などの施策によって、日々の移動が難しくなる事例が増えている。

そうしたなか、時速20kmまでという低速でも、歩かずに安全に移動できる手段の検討はこの先益々必要になっていくだろう。ヤマハは、2024年から全国の100地域以上で実証実験や本格導入を支援しているとのことだ。

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