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高いハードルを乗り越えた管理組合の取り組み
マンションでのEV普及は、充電設備の設置コストや住⺠の合意形成等も課題で、なかなか進まないなか、グレーシアパーク⼋王⼦みなみ野管理組合法人・長期修繕委員会の茂木氏は、複数回の住民説明会を実施。
当初、反対の声が過半数を超えているなかで、「補助⾦活⽤でインフラ投資負担の軽減」「全区画設置で住⺠全体の利便性を確保」「将来の資産価値の向上」という点を丁寧に説明し、最終的に過半数を超える住民の方々の合意を獲得されたのです。
「正直、まだ反対の意見をもっておられる方も少なくはありませんが、EV普及が進むなかで、少しずつ意識が変わっていかれるのではないかと考えています」とは茂木氏談。
普及のキーはEVの魅力体験
台風一過の晴天に恵まれた9月6日土曜日、会場となったマンションの駐車場には試乗車がずらり。トヨタ、ホンダ、ボルボの3社が最新EVを持ち込み、青空の下で体験会がスタートしました。EV試乗を終えた住民の方々は「出足が良い」「静かで快適」「もっと早く知りたかった」とお話されていました。
試乗会場の隣には、補助金や導入に関する相談が行える「クール・ネット東京」ブースも設置されていました。「実際にどのくらい補助金がもらえるの?」「PHEVでも申請できる?」といった質問に担当者が丁寧に答え、参加者は熱心に聞いておられました。
暮らしに直結する話題だからこそ、真剣に耳を傾ける人が多く、単なる展示イベントを超えた実用的な場になっていたのが印象的です。
マンションでもEVが身近になる
今回のイベントを取材して感じたのは、次の3つのポイントです。
1)暮らしの安心感:「自宅で充電できる」という日常の便利さの理解促進。
2)コミュニティの活性化:住民同士でEVや環境の話題を共有し合い、新しい交流を促進。
3)資産価値への期待:設備投資がマンションの魅力向上につながるという前向きな意識の醸成。
「グレーシアパーク八王子みなみ野」での成功は、今後のモデルケースになるはずです。東京都内はもちろん、全国のマンションでも「自宅でEV充電ができる」環境が整えば、EV普及のスピードは一気に加速するでしょう。
「マンションだから無理」とあきらめていたことが現実になり、住民が笑顔で試乗する。子どもたちが未来のクルマに目を輝かせる。そんな光景が広がった一日でした。楽しく豊かなEVライフがぐっと身近に感じられました。