2025年3月の販売台数は約1万1220台
日本国内における最直近の3月のEV販売動向が速報され、テスラの販売が絶好調だったものの、日本メーカー勢は深刻なEV販売低迷が続いている状況が判明しました。
まずこのグラフは、2018年以降のBEVとPHEVの合計販売台数を月間ベースで示したものです。最直近2025年3月の販売台数はおよそ1万1220台と、前年同月比でマイナス成長に留まってしまいました。2カ月連続で販売台数が前年割れという状況です。
ちなみに、商用軽EVである日産クリッパーEVとホンダN-Van e:の販売台数は4月末にならないと判明しないため、若干販売台数とシェア率は増加する見込みです。確定版となる2025年2月の販売実績は8400台となったものの、前年比マイナス21.1%という苦しい状況は変わりません。
次に、新車販売全体に占めるBEVとPHEVの販売台数の合計の比率を示したグラフを見てみると、直近の3月は速報値で2.45%と、前年同月に記録した3.17%と比較してもシェア率は大きく低下しています。数値が確定した2月度のEVシェア率は2.21%であり、前年同月の3.32%から急落している状況でもあります。
次に、そのなかでもとくにBEVの販売動向を詳細に確認していきましょう。このグラフは普通車セグメントの日本メーカーと輸入車メーカー、さらに軽自動車セグメントにわけて示したものです。白で示された輸入EVは3303台と、前年同月比で17.8%もの増加を記録。その一方で、ピンクで示された日本メーカーの普通車セグメントのBEV販売台数はたったの707台と、前年同月比でマイナス36.7%という落ち込み具合です。
また、すでにシェア率が確定している2月は1.42%というBEVシェア率でした。2024年2月が1.88%だったことを踏まえると、BEVシフトが後退している様子が見て取れます。
ちなみに、現在の日本のBEVの販売シェア率が世界の主要国と比較してどれほどの立ち位置であるのかを確認すると、日本はデータが確定した直近の2月において1.42%と低迷しています。その一方で、2月の世界全体のシェア率は13%に到達。2024年2月の世界全体のBEVシェア率は8%だったことから、世界のBEVシフトは着実に成長していることがわかります。
それでは、この日本国内においてどのようなEVが人気であるのかを確認していきたいと思います。まず初めに、2025年累計での主要自動車メーカー別のBEV販売台数の変遷を見てみると、やはり日産が頭ひとつ抜けた存在感を見せています。
日産は3カ月で7800台以上を発売したものの、2025年シーズンは2月と3月連続して前年比で販売台数を落としてしまっています。リーフやアリアだけでなくサクラも前年割れと低迷しており、2025年中のモデルチェンジに期待が集まります。もちろん年末までに発売される新型リーフがどれほどのコスト競争力を実現して、どれほど販売台数を復活させることができるのかにも注目です。