日本のEV販売は明らかに減速している
日本では「EVは失敗」だとか「EVの販売は減速」といったニュースやコラムのタイトルを見かけることも多く、EVはオワコンであり、販売台数は減っているという認識が広まっている印象もある。
はたして、EV販売のファクトはどうなっているのだろうか。国策としてEV推しの中国を除き、日米欧のEVセールス状況を調査、2024年と2023年のデータを比べてみることにした。
まずは、我が日本における状況から見てみよう。結論をいえば、日本のEV販売は明らかに失速している。
2024年の乗用車(登録車・軽自動車)のEV販売台数は5万9487台。2023年は8万8152台だったので、3割以上も減っていることになる。
※自販連・全軽自協の公表データをもとに筆者が集計した値。輸入車含む
とくに軽EVの減速が目立つ。2023年には4万4161台も売れていたのに、2024年は2万5430台と、ほぼ半減しているイメージなのだ。ただし、軽EVの乗用モデルは日産サクラと三菱eKクロスEVという姉妹車(つまり性能的には同一)しか選択肢がなく、この性能の軽EVを求めるユーザーに行き渡ってしまったという見方もできそうだ。
欧州(EU圏)のEV販売状況はどうなっているのか。ここではACEAの発表値をもとに考察してみたい。そして欧州においてもEV販売は失速していた。とはいえ、2024年の販売規模は前年比マイナス5.9%と微減で、日本ほど激減しているわけではない。
しかも、EUについては2025年に入ってからEVが元気を取り戻している。1~2月のEV販売台数は25万台を超え、前年同期比28.4%増となっている。このあたりの数値は各国におけるEV補助政策の影響もあるので単純に販売状況=ユーザーニーズといえない部分もあるが、欧州については2024年に失速したEVが2025年に盛り返しているといえそうだ。