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バッテリーの安全性もアピール
次に、搭載モーターの最高回転数が2万5100rpmと、競合を大きく上まわる性能を実現しました。テスラ・モデルS Plaidのモーターよりも12%も最高回転数が高いとアピールされています。また、モーターを始めとして、合計14ものコンポーネントを一括でまとめた「14-in-1」のパワートレインを開発することによって、その高さは325mmと業界最高レベルのコンパクトさを実現。よって、スペース効率を向上させることができます。
また、バッテリーについて、日産はプレーリージョイEVと日産リーフを開発してきたことによる長年の実績を活かして、とくに安全性を強調してきました。4つの針をバッテリーに刺すという釘刺し試験においても、SOC100%状態において72時間が経過した後でも発火しないという驚異の安全性を披露しました。
さらにそのうえ、日産は超急速充電性能として、電池の冷却性能を最大12kWにまで高めながら、電池セル間の温度差を4℃以上広げないように均一冷却に成功。よって400Vシステムを採用した場合、400km分の航続距離を19分間で充電可能。そして800Vシステムを採用した場合は、400km分の航続距離を7分間で充電を実現。Cレートで6Cと、これも業界最高水準の充電性能を実現しています。
そして、EV性能とともに重要となるソフトウェアについて、新オペレーティングシステムのNissan OSを初採用しました。これはファーウェイと共同開発されており、15.6インチ、2.5Kの解像度を誇るセンタースクリーン。また、60TOPSの演算能力を誇るクアルコムSnapDragon8295Pの採用も相まって、シームレスで直感的な動作が可能となります。
そのうえDeepSeekとの統合によって、ユーザーの好みを学習しながら対話機能することで、乗員との高度なコミュニケーションが可能となります。
自動運転システムについて、日産はモメンタと共同開発することによって、高速道路上における追い越しや分岐、場合によってはカラーコーンに対する回避挙動にまで対応する「ハイウェイNOA」に対応。さらに、市街地における信号や右左折、ラウンドアバウト、場合によっては転回、障害物に対する回避挙動を含めた「シティNOA」にも対応。そのうえ、さまざまな駐車枠、およびバレーパーキングに対応する高度駐車機能にも対応するなど高度な自動運転システムを実装します。
また、ファミリー向けの快適性を追求するために、シートを1から再設計しました。シートマッサージを完備するという豪華装備に加えて、そのシートの素材も高級クッションをふんだんに採用するなどによって、日産ユーザー100人によるブラインドテストの結果、メルセデス・ベンツSクラスをも上まわる座り心地を実現したと豪語しています。
そして、この最新プラットフォームや最新テクノロジーを詰め込んだEV第一弾であるN7は、5月中に発売見込みであり、すでに一部のEV性能が公開されています。
具体的には、58kWhと73kWhという2種類のLFPバッテリーをラインアップしながら、今後はRWDグレードだけでなくAWDグレードもラインアップする見込みです。全長4930mm、全幅1895mm、全高1487mm、ホイールベースが2915mmというミッドサイズセダンセグメントに該当します。
N7の競合としては、とくにXpeng P7+やXpeng Mona M03というEVセダンが挙げられます。もちろん日本勢もマツダEZ-6とトヨタbZ3などをラインアップしているものの、極めて競争が激しいセダンEVセグメントでは苦戦を強いられています。
果たして苦戦が続く中国市場で、N7をはじめとする新型EV攻勢を仕かけることによって、日産がEV時代を生き抜くことができるのか。とくにN7の正式発売時の値段設定やさらなる新型EVの最新動向にも注目です。