コラム
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毎日そんなに長距離乗るか? 根拠なきEVへの「航続距離の不安」は正しい知識で見直すべき


TEXT:琴條孝詩
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自分のライフスタイルに合ったクルマ選びを

<潜在的なリスクへの備え、心の余裕が重要>

日常生活では十分な航続可能距離をもつEVでも、いざというときのために「もう少し余裕がほしい」と考えるのは自然な心理だ。たとえば、急な遠出や災害など、予期せぬ事態を想定すると、航続可能距離の短さが足かせになるのではないかという懸念が生じる。

また、EVの充電インフラが、まだ十分に整備されていない地域も存在する。とくに地方や山間部などでは、充電スポットの数が少なく、充電待ちが発生する可能性もある。このような充電インフラの偏在も、航続可能距離への不安を助長する要因となる。

充電スポットのイメージ

さらに、バッテリーの劣化も無視できない。EVのバッテリーは、使用年数や充電方法によって徐々に劣化していく。劣化が進むと、航続可能距離が短くなり、性能も低下する。このバッテリー劣化に対する懸念も、EVの購入を躊躇させる要因のひとつとなっている。

とはいえ、筆者が所有するテスラ・モデルYは、2022年購入時の満充電航続可能距離が435kmだったが、現在は417kmと、約2万km走ったあとでも5%以下の減少だ。テスラのバッテリーマネジメントシステムには定評があり、最初の数年で10%程度最大充電量が減ったあとはそのまま安定するといわれている。

<航続可能距離への不安を解消するために>

EVの航続可能距離に対する不安を解消するためには、まず自身のライフスタイルを見つめ直すことが重要だ。日々の走行距離や移動パターンを把握し、本当に必要な航続可能距離を見極める。その上で、十分な航続可能距離をもつEVを選べば、過度な不安を抱く必要はない。

EVのイメージ

また、充電インフラの整備状況やバッテリー保証についても確認しておきたい。自宅に充電設備を設置したり、近隣の充電スポットを把握しておくことで、充電に関する不安を軽減できる。バッテリー保証が充実していれば、万が一のバッテリー劣化にも安心して対応できる。

EVは、日々のメンテナンスコストなども低く、経済的な移動手段として、また環境的にも今後ますます普及していくことが予想される。航続可能距離に対する不安を解消し、EVのメリットを最大限に享受するためにも、正しい知識をもち、自分に合ったEV選びをすることが重要だ。

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