ミニバンタイプのEV「Zeekr MIX」が登場
中国ZeekrがミニバンタイプのZeekr MIXの正式発売をスタートしました。Bピラーレス構造を採用しながら衝突安全性を両立させた画期的なモデルについて解説します。
中国ジーリーのプレミアムEV専門ブランドであるZeekrは、すでにステーションワゴンのZeekr 001、そのハイパフォーマンスモデルとして0-100km/h加速2.02秒を実現するZeekr 001 FR、大型ミニバンのZeekr 009、コンパクトSUVのZeekr X、ミッドサイズセダンのZeekr 007、最新のミッドサイズSUVであるZeekr 7Xと、創業から3年間の間に複数のBEVを矢継ぎ早にラインアップしています。
とくに最新のZeekr 7Xは急速に販売台数を伸ばしており、10月は1.1万台超の販売台数を達成し、Zeekrの最人気モデルとなっています。また、フルモデルチェンジを果たした大型ミニバンのZeekr 009も人気が高く、日本円で900万円以上という高級車であることから、収益性の観点でもプラスに働くはずです。
そして今回、Zeekrが正式発売をスタートしてきたのが「Zeekr MIX」というミニバンEVです。すでにZeekrは009でミニバンをラインアップしているものの、Zeekr MIXは全長4688mm、全幅1995mmというコンパクトなミニバンとなります。ホイールベースが3008mm、空間利用率が93%という圧倒的な空間効率性を実現しています。ジーリーのEV専用プラットフォームであるSEAプラットフォームのなかでも、「SEA-M」というロボタクシーなどで採用される専用プラットフォームを初めて採用。よって、Bピラーレス構造を採用でき、スライドドア方式を採用する前後ドアを完全に開放すると、その乗車口のサイズが1480mmと、市販車最高水準の広さを実現できます。
その一方で、Zeekr MIXの最小回転半径は4.95mと、同じくミニバンEVであるフォルクスワーゲンID.Buzzの5.55m、トヨタ・アルファードの5.9mよりも優れた取りまわし性両立しています。
さらに、Zeekr MIXの目玉機能が、1列目シートを最大270度回転させることが可能であり、運転席と助手席を2列目シートと対面で配置することが可能になる点です。オプションのデスクを設置することで、テーブルゲームをしたり、向かい合って食事するなんてことも可能です。そのために車内コンセントを設置したり、冷暖庫を装備可能など、まさに車輪のついた家として機能します。
もちろんEV性能にもまったく抜かりがありません。Zeekr MIXではZeekr 7Xと同様にラインアップを極限までシンプル化。後輪駆動グレードのみをラインアップし、76kWhのGoldenバッテリーの第二世代、および102kWhのQilinバッテリーのみをラインアップ。そして、ハイエンドADASを含めて装備内容をほぼすべて統一しています。