高級ミニバンのような快適性を実現
航続距離もCLTC基準で702kmと、ミニバンEVとして十分な航続距離を確保しながら、充電性能も470kW級に対応させることで、SOC80%まで10.5分で充電完了と、Zeekr 007や7Xと同じく、量産車最速の充電性能を実現しています。
値段設定も27.99万元、日本円で600万円弱という値段設定とコスト競争力が高いです。
そして注目するべきは装備内容の充実度合いでしょう。車両中央には15.05インチのチルト可能なセンターディスプレイとARヘッドアップディスプレイ、それを駆動するプロセッサーは最新のQualcomm Snapdragon 8295を採用。電動テールゲートはメモリー機能とハンズフリーに対応。セントリーモードも標準搭載です。
目玉機能のシート調整も270度の回転調整をはじめとして、シートヒーター、シートクーラー、シートマッサージを完備。後席シートも背もたれと前後の電動調整とレッグレスト機能を搭載。さらに、オプション設定としてフットレストも装着可能です。シートヒーター、クーラー、マッサージを後席も完備しており、高級ミニバンのような快適性を実現しています。
さらに、電動ステアリング調整とハンドルヒーター、ワンペダルドライブとアンビエントライト、ヒートポンプシステムとバッテリーのプレコンディショニング機能も装備。前後のスライドドア方式とともに、前席側の窓ガラスは2重ガラス化することで静粛性を向上。ガラスルーフは2.13平方mとクラス最大級の大きさを確保しながら電動サンシェードも装備。フレグランス機能や、オプション設定として10.9リットルもの冷暖庫を装備可能です。
そして、ハイエンドADASも、Nvidia Drive Orin Xプロセッサーをふたつ搭載することで演算能力も508TOPSを実現。高速NOAだけでなく市街地NOAにまで対応。車内に220Vコンセントを搭載しながら、充電口から3.3kWのV2L機能と60kWのV2V機能にも対応しています。
音響性能もZeekr Sound Proと名付けられた、最大出力2160W、7.1.4のドルビーアトモスに対応する21スピーカーシステムを採用。エアサスペンションの搭載はないものの、電子制御サスペンションは標準装備です。
そして、Bピラーレス構造のミニバンという安全性への懸念を払拭するために、60km/hの側方衝突テストを実施しながら、さらにその衝突テスト後すぐに、頭上から重さ2.2トン級の重量物を落下させるという追加の負荷テストを実施。それでもなお、車体が潰されることなく車内の乗員をしっかりと保護することに成功しています。
これはBピラーレス構造ながら、前後スライドドアに対してそれぞれ2000MPaもの強固な梁を採用することで、ドアが閉まるとそれぞれの梁がBピラーの代わりを果たすという「隠しBピラー構造」となっています。高張力鋼とアルミニウム合金の配合割合も90%オーバーと堅牢であり、乗員保護のために7つものエアバッグを搭載するなど、とにかく衝突安全性の確保に努めています。また、車両とバッテリー保証もZeekr全車両と同じく6年15万kmの車両保証、およびバッテリーの無制限保証と手厚さもアピールされています。
このZeekr MIXの競合は、現状プレミアムファミリーミニバンとして、トヨタ・シエナやホンダ・オデッセイ、ビュイックのGL8 PHEVなどが挙げられます。とくに日本勢の稼ぎどころでもあるミニバンの販売競争が激化していくでしょう。
このZeekr MIXの販売動向をはじめとして、さらに2025年中に投入されていくZeekr 007のステーションワゴンタイプと中大型SUVとして注目されているコードネームDX1EとEX1Eなど、Zeekrが2025年中の採用を表明したEREVの性能も含めて、Zeekrの最新動向からはますます目が離せません。