コラム
share:

まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:TET 編集部
TAG:

VtoH機器の補助金を使うとより安価に設置可能

費用は128万円といったが、これは機器の価格であり、ほかに設置のための工事費用が加わる。ただし、これは屋内の分電盤から駐車場所までの距離や配線の仕方などによって工事内容に差が出るので、一概には金額を具体的に示すことはできない。標準的な場合で、20万~30万円がひとつの目安ではないか。標準的でない場合とは、分電盤が建物の上層階にあるとか、分電盤とVtoH機器までの距離が遠いなどで、そうした場合は追加料金がかかる可能性がある。

そのうえで、EVの購入にあわせてVtoHを設置する際は、車両と別に、VtoH機器への補助金制度がある。

VtoHのイメージ

国の補助金は、上限が45万円だ。これは、全国を対象とする。加えて、東京都や埼玉県は、自治体での補助制度がある。

東京都はとくに優遇政策となっており、VtoH機器のみの場合は、工事費を含めて2分の1(ただし上限が50万円)、これに、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)の導入があわさると全額(ただし上限が100万円)となっている。

したがって、ニチコンの機器128万円に、工事代金が20万円と仮定すると、併せて148万円で、国から45万円、東京都から100万円の枠をそれぞれ一杯まで活用すれば、3万円が自己資金になる。

VtoHのイメージ

埼玉県は、EVまたはPHEVがある、または太陽光発電を設置している場合に、一律15万円の補助金額だ。

上記はいずれも、年度予算の範囲で施行される。期限は、東京都が来年3月31日まで、埼玉県は今年12月16日までだ。期間内でも予算を使い切れば終わるのは、EV購入と同じだ。そして、年度が改まれば、また改めての施策になるだろう。

VtoHの利点は、もちろん停電の際の電力供給にあるが、同時に、VtoHの充電コネクターは急速充電用を用いるため、コネクターが大がかりになり、やや重くはなるものの、標準的な200Vのコンセントから普通充電用の充電ケーブルをクルマから取り出し、充電するより手間を省ける。日々の充電操作は手軽になるだろう。

ちなみに、VtoHに対応しているのは、日本車のほかヒョンデ、BYD、メルセデス・ベンツ、BMWであり、テスラやほかの輸入車は対応していない。VtoHを希望するのであれば、EVの車種選びもある程度限定的にならざるを得ない。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
「BEVですか?」→「マルチパスウェイです」を徹底するトヨタ! EVにこだわらない姿勢で今後も世界で支持される予感がビンビンに伝わってきた【ジャパンモビリティショー2025】
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
more
コラム
EV時代はブレーキも多様化! 回生に加えて電動キャリパーやMR流体など新技術が続々検討されていた
期待度MAXの国産新型BEV2台! トヨタbZ4Xと日産リーフを比べてみた
EVシフトは先進国よりも新興国で進んでいた! 政府のあと押しによる驚くべき普及率!!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
見どころはスーパーワンプロトタイプだけじゃない! 全メーカー中でもっともモビリティショーしていたホンダは陸・海・空に加えて宇宙にも進出か【ジャパンモビリティショー2025】
スーパーオートバックスかしわ沼南に90台のEVとオーナーが集合してゆる〜く懇親! 「EV MEET 2025 AUTUMN」を開催
EVらしさをなるべく廃したスタイリングで乗り換えを自然に! スズキが軽EVコンセプトカー「Vision e-Sky」で考えたのはEVであることを気づかれないことだった【ジャパンモビリティショー2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択