パワーXとのタッグで100の充電ステーションを設置
そして、充電性能は、日本国内では150kWに対応し、充電残量10%から80%まで41分を要します。
また、4つのモーターによって最高出力が432kW、最大トルクも1164Nmを発揮。0-100km/h加速も4.7秒と、3トンオーバーのSUVとしては俊敏な加速性能を実現しています。ちなみにAMG G 63は、V 8エンジンを搭載して最高出力が430kW、最大トルクが850Nmを発揮。0-100km/h加速が4.4秒と、G 580はAMGよりもわずかに遅いイメージです。
そして、日本国内では、まず初回生産グレードの「Edition 1」のみをラインアップし、値段設定が2635万円からのスタート。G 450 dが2110万円、AMG G 63が3080万円からのスタートであることを踏まえると、概ね想定通りの値段設定であることが見て取れます。
そしてメルセデス・ベンツは、日本国内のEV販売台数をテコ入れするために、急速充電ネットワークを整備する方針を表明しました。具体的にはパワーXとタッグを組んで、大都市圏を中心に商業施設等において、一拠点あたり4口を基本とした公共の充電ステーションを設置。今後2年間で25拠点・100口を設置する計画です。
これらのステーションでは、メルセデス・ベンツのEVオーナー向けの「Mercedes me Charge」というアプリで決済可能となります。さらに、その他ブランドのEVオーナーも、Power Xのアプリを通じて充電可能です。設置する充電ステーションは、候補地の選定から運営までをPower Xが引き受けることから、充電ネットワーク構築に精通したPower Xに充電ステーション事業を委託する格好です。
いずれにしても、このメルセデス・ベンツの人気車種であるGクラスに対して、ついに初のバッテリーEVが設定されたことによって、さらにEVのバリエーションが増え、EVシフトが進んでいくことに期待することができるでしょう。
その一方で現状のメルセデス・ベンツは、EVシフトの勢いが減速しているということ。また、GクラスのEVバージョンも、その絶対的なEV性能がやや不足している感が否めず、果たしてどれほどのGクラス購入検討者が、EVバージョンを購入するのか、販売動向に注視する必要がありそうです。
ちなみに個人的には、このGクラスにこそ、より高性能なPHEVを導入するべきなのではないかと感じます。とくにメルセデス・ベンツの主力マーケットである中国市場では現在、高級オフロードSUVに対してPHEVをラインアップ中です。BYDのYangwangからはU8、Fang cheg baoからもBao8などを導入。どちらも50kWh級のバッテリーを搭載しながら、最大航続距離を1000km確保しており、現時点では、まだバッテリーEVとしての満足な性能を満たすことが難しいことから、BEVへの繋ぎとしてPHEVに注力している状況です。
グローバルでGクラスのEVがどこまで売れるのか、日本だけでなく中国や北米などの販売動向にも注目です。