コラム
share:

新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
TAG:

高いオフロード性能を実現!

メルセデス・ベンツが日本国内でGクラスのEVバージョンの正式発売をスタート。さらにパワーXとタッグを組んで、日本国内に急速充電ネットワークを整備する方針も表明するなど、メルセデス・ベンツの最新動向を解説します。

まず、今回日本国内でも正式発売がスタートしたGクラスのEVバージョンは、すでにEQGとしてコンセプトモデルが発表されており、市販車バージョンの発売に大きな期待が集まっていたという背景が存在します。

「G580 with EQ Technology」のテスト車両

※2024年2月に北海道北見市街にてG580のテスト車両を偶然撮影

そして今回、日本国内でも、G 580 with EQ Technologyという正式名称で発売がスタートしました。

じつは現在、メルセデス・ベンツはEV販売で失速している状況です。そして、EQシリーズ全体で問題視されていたのが、EQSやEQE SUVなどの命名のせいで、EVであることをユーザーが気にし過ぎてしまって、EQシリーズを購入検討から除外してしまっているのではないかという懸念です。よって、次世代EV専用プラットフォームを採用して開発されるCLAのEVバージョン以降は、EQの名を冠さない別の命名規則を採用する方針を示しています。今回のGクラスのEVも、もともと想定されていたEQGという命名ではなく、G 580 with EQ Technologyと、あくまでもGクラスの1グレードというような命名を行なってきました。

「G580 with EQ Technology」

まず、G 580のパワートレインは、すべての駆動輪に対してそれぞれモーターを搭載するというクアッドモーターシステムを採用しています。よって、より緻密な電子制御を行うことが可能となり、タンクターンすらも可能となります。

また、Gクラスのオフロード性能という点で、その最大渡河性能が最大850mmと、ディーゼルモデルのG 450 dの700mmを上まわる走破性能を実現しています。

「G580 with EQ Technology」

そして、EV性能については、まずバッテリー容量がグロスで122kWh、ネットで116kWhを搭載しており、航続距離は、日本市場で採用されるWLTCモードクラス2で最大530kmと、オフロード走行車という点を踏まえるとやや物足りない印象です。

ちなみにもっとも厳しいEPA基準の場合、日本国内では導入されない、より電費を稼げる18インチ装着のグレードで386kmです。よって高速道路を巡行する際は、満充電あたり350km走れるかどうかとイメージしておくのがいいでしょう。

「G580 with EQ Technology」

※Gクラスのボクシーな形状を踏襲することで、Cd値は0.44と、EVのなかでは空力がかなり悪い部類に分類

また、オフロードSUVとして、車両底面に搭載されるバッテリーパックを守るために、カーボンを含む厚さ26mmの専用素材でアンダーボディを構成。バッテリーに対する物理的な損傷を強固に保護しながら、重さも57.6kgと、スチール性のアンダーカバーと比較しても3分の1という軽量化を実現しています。そして、車両重量が3120kgと、たとえばG 450 dが2560kgであることを踏まえると、内燃機関モデルよりも560kgも重くなっています。

また、車両サイズは、全長4730mm、全幅1985mm、全高1990mm、ホイールベースが2890mmと、内燃機関モデルと大差はありません。

「G580 with EQ Technology」のスペック

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
トルク増大でより俊敏なパフォーマンスを発揮! アウディ「Q4 e-tron」が大幅アップグレード
0-100km/h加速3.8秒の俊足セダンが「実質500万円未満」ってもはや価格崩壊!? 補助金増額で「BYD SEAL AWD」がさらに安く買える!
小さくても安全は揺るがない! ボルボ最小のSUV「EX30」がユーロNCAP安全性テストで最高評価を獲得
more
コラム
太いし重いしぶっちゃけ重労働! EVの急速充電ケーブルはもっと「細くて軽量」にできないのか?
急速充電器はさまざまな規格が乱立状態! EVの普及を目指すなか充電器事情はこの先どうなる?
EVってやっぱり不便そう……の不安はほぼ杞憂に終わる! EVを乗り継ぐ人の言い分とは
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択