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無人運転可能な「ロボタクシー」をたった「450万円」で2026年に一般販売するってマジ!? いまテスラから目が離せない!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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多人数乗車が可能なロボバンも登場

次に、テスラはロボタクシーに加えて、ロボバンと名付けられた、バスのような車両も発表しました。このロボバンには、最大20人ほどの人間が乗車することが可能であり、ロボタクシーのように運転席やステアリングは一切存在せずに、完全自動で目的地に人間を連れていってくれます。もちろん、あえてバンと名付けていることから、バスのような人間の輸送だけではなく、商用配送車両として、バンのように運用することも可能です。

ロボバン

運転席を考慮する必要がなく、もちろん巨大な内燃エンジンを搭載しないというEVの特性を存分に活かすことによって、配送車両として積載量に全振りした設計が可能です。

ロボバン

※輸送車両だけではなく、テスラのサービスカーとしての用途も示唆。

他方で、ロボバンに関する、発売までのタイムラインや値段設定は示されることがありませんでした。おそらく2030年までという中期的に、新たな輸送ビジネスに対して、この大人数を一括で輸送可能なロボバンで参入しようとする公算です。

そして、すでに発表していた人型ロボットのテスラボットも最新バージョンを発表しました。とくに今回は、音楽に合わせてダンスをしたり、人間とコミュニケーションを図りながらコップにドリンクを注いで人間に提供するという、サーバーの仕事をかなり滑らかに行なっています。少なくとも、テスラボットの手先の動きの滑らかさなどは、明らかに進歩しているように見えました。

テスラボット

イーロン・マスクは、テスラボットの値段設定を2万〜3万ドル程度と、ロボタクシーよりも安価な値段設定という見通しを表明したものの、具体的な量産時期は公開しませんでした。これは、実際に量産するとなると、越えなければならない高いハードルがいくつも存在することを示唆しているのではないかと感じます。

テスラボット

プロトタイプを作成することは難しくないものの、問題はイーロン・マスクが示した通り、1体2万〜3万ドルという値段設定で利益が出るように生産コストを抑制しながら、大量生産体制を構築しなければならないという点でしょう。このテスラボットの進捗は、今後の最新動向に期待したい部分です。

テスラボット

※ちなみに自動運転タクシー、自動運転配送車両、人型ロボットは2004年に公開された「I, Robot」でも登場。今イベントの「WE, ROBOT」もここから来ている?

いずれにしても、今回のテスラの発表会「WE, ROBOT」では、ロボタクシーとロボバン、テスラボットに至るまで、テスラの最新プロダクトが公開され、どれも自動車ビジネスの枠を超えるモビリティサービスであり、今後テスラがEV販売だけでないビジネスチャンスのポテンシャルを示す発表会となったと思います。

最後に、そのモビリティサービスの一例としてテスラが発表会に差し込んだ映像を見てみましょう。

1)旅行バッグに荷物を詰め込んでいる女性が、

発表会の映像

2)ロボタクシーをスマホアプリで呼び出し、

発表会の映像

3)センターコンソールにコーヒーが置かれ、

発表会の映像

4)到着したロボタクシーに乗り込む

発表会の映像

という一連の様子が描かれています。とくに2)のスマホをよく見てみると、女性の自宅に向かうまでのルートにカフェのマークが表示されています。そして、3)ではコーヒーが置かれているわけです。つまり、これはロボタクシーが女性の要望であらかじめカフェに立ち寄って、コーヒーをテイクアウトしてから女性の自宅に向かっていることを示唆しているわけです。

まさにこれこそ、自動運転によるモビリティサービスの一例であり、無数のビジネスチャンスにつながるポテンシャルを秘めているわけです。そしてその中心にいるのが、ロボタクシービジネスを運営するテスラなわけです。

実際のロボタクシーのサービス開始時期はまだ数年先になることは間違いないでしょうが、まさにモビリティの未来を実現するために、革新的な製造技術、ロボタクシーEVとしての最適な車両性能、そしてロボタクシーを実現する自動運転システムの開発は着実に進んでいることを実感できる発表会だったのではないかと思います。

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