試乗
share:

【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ


TEXT:中谷明彦 PHOTO:宮本賢二
TAG:

高速走行時には気になる点も

運転席に乗り込むと、ブラック基調のスポーティなインパネやインテリアに好感がもてる。インパネデザインやメーターパネルなどが質感高く仕上げられ、操作系は物理スイッチメインで走行中も操作しやすい。このあたりは最近流行りのEV車がすべてタッチパネル操作だったりするのとは一線を画していて、好感がもてるのだ。

その一因として、コナにはガソリンエンジン搭載車やハイブリッド(HV)仕様も設定されていることがある。それらは日本には導入されないが、世界中の多くの国で販売されているのだ。そのため安定性と実績のある物理スイッチが主体となっているのだろう。

BEV、ガソリン、HVでプラットフォームを共有することで開発費を抑え、さまざまなニーズに適合させることができるわけだ。

ヒョンデ・コナ N Lineのスイッチ

一方で、その弊害と思われる事象も感じられた。試乗の過程で市街地の低速走行域では好印象だった乗り心地だが、高速道路で路面の継ぎ目を通過する際のハーシュがきつく感じられたのだ。これは19インチタイヤの採用も影響しているかもしれないが、韓国製クムホ・エクスタPS 71タイヤは、低速では路面への当たりがソフトで快適だった。それが高速では強く跳ね返ってくるのはサスペンションマウントとバッテリーを抱きかかえるフロアの繋ぎ目に剛性の変化点があるためだ。

シャシーはタイヤからの振動や衝撃をサスペンションアームやマウント、車体フロアへと徐々に減衰させながら伝えることで乗員に不快感を与えないように仕上げることができる。しかし、BEVとなると基本骨格となるフロアには64.8kWhのリチウムイオンバッテリーをあらゆる衝撃から守るため堅牢に作り上げる必要がある。

また重量も大きく、明らかにガソリンやハイブリッド仕様のフロアと同じ減衰特性とすることに無理がある。そのため路面からのハーシュはバッテリーケース手前で跳ね返るように増幅され車体全体を築き上げてしまうと考えられる。

ヒョンデ・コナ N Lineの走り

同じことはハンドリングにも現れ、コーナリングの高G域ではバッテリーケースが捻りや曲げを拒み、そのぶんサスペンションマウントに負荷がかかる。前後サスペンションの連結性が途絶え、個別に捻りや曲げに耐えているようだ。加えて最大トルクが大きく駆動輪のトルク変動も過大だ。重量も大きいので、いくら低重心といっても無理な部分がある。

アイオニック5はBEV専用設計なので、こうした面では専用設計として有利にでき、過激なN仕様も成立したのだろう。

コナ N Lineは基本的にはスポーティな走りを追求したのではなく、Nのもつイメージを外見的に訴求したモデルだった。

ヒョンデ・コナ N Lineのスペック

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
ホワイトで統一されたアクセサリーがカワイイ!  フィアット600eの特別仕様車「600e La Prima White Package」が登場
more
コラム
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
そういや「スマートグリッド」ってドコいった? EVを蓄電池として利用する流れのいま
白ばっかりだったテスラだが今度はグレーだらけになるハズ! アメリカのEVテスラのボディカラーが偏るワケ
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択