ニュース
share:

ミラーとタイヤとホイールをとことん突き詰めたら600kmオーバー! アウディEV史上最長の航続距離を実現するパッケージが登場


TEXT:TET 編集部 PHOTO:アウディ
TAG:

ミラーは薄くホイールはフラットに

アウディの「e-tron」シリーズのフラッグシップにあたるフルサイズEVクーペSUV、アウディ Q8 スポーツバック e-tron クアトロの一充電走行距離が619km(WLTCモード)となるオプションパッケージ「レンジプラスパッケージ」が新設され、全国のアウディe-tron店(116店舗、2024年4月時点)で発売が開始された。

アウディQ8 e-tronに新設したレンジプラスパッケージは、実質的にQ8 e-tronの「スポーツバック55 e-tron クアトロSライン」に対する専用オプションとして用意され、他のQ8 e-tronでは選ぶことができないスペシャルパッケージになっている。

バーチャルエクステリアミラーやエアロホイール、転がり抵抗の少ないタイヤを採用し、それぞれ空気抵抗、路面摩擦抵抗を低減することで効率を最適化している。これによりアウディQ8 スポーツバック55 e-tron クアトロSラインの一充電走行距離は、ベースモデルよりも118km長い619km(WLTCモード)となり、アウディe-tornの歴史のなかでもっとも長い一充電走行距離を実現した。

このオプションパッケージの装着対象モデルであるアウディQ8 スポーツバック55 e-tron クアトロSラインは、先代モデルにさまざまな改良を加えたことで一充電走行距離が大幅に向上した。たとえば、従来のバッテリー製造工程で生まれる電極材の隙間を、「スタッキング方式」と呼ばれる折り重ねるように配置する方法に変更。電極材の隙間を極力なくしたことで、先代モデルからバッテリー寸法やモジュール数を変更しなくても、エネルギー密度の向上が可能になり、バッテリー容量が増加している。

また、セル内の化学物質の配合を変更し、さらなるエネルギー密度の向上を行ったほか、エネルギー回生効率を上げ、空力性能やモーターの効率も上がっている。このようなベースモデルの特徴と、今回発表の一充電走行距離を伸ばすオプション、「レンジプラスパッケージ」を組み合わせることで、e-tron史上最長の一充電航続距離619km(WLTCモード)を実現している。

アウディのEV「e-tron」史上、最も長い一充電航続距離619㎞を実現する「レンジプラスパッケージ」を装着したアウディQ8スポーツバック55 e-tron クアトロSライン

レンジプラスパッケージは、空力性能の煮詰めにより航続距離が伸長している。小型カメラシステムを搭載した薄型のバーチャルエクステリアミラーを採用することで、従来のミラーに比べて空気抵抗と風切り音を低減。また、車内のOLEDタッチディスプレイに後方の様子を映し出し、雨や雪などの悪天候時や夕暮れ時にも、周囲を鮮明な映像で確認できるメリットも生まれている。視界の位置や角度は近接センサー付きタッチディスプレイに触れることで調整が可能。駐車時、右左折時、高速走行時など、さまざまなシーンで高い視認性を提供してくれる。

ホイールも見逃せない。古くからモータースポーツシーンにおいては、燃費性能と最高速度の向上を目指し、ホイールの表面をフラットに仕上げたり、ホイールハウスを覆うようにカバーを取り付けるなどの整流対策が行われてきた。このレンジプラスパッケージ専用ホイールも、風の流れを最適化するフラットな形状のアルミホイール 「5アームエアロデザイン」を採用。 19×8.5Jのグラファイトグレーに彩られたホイールと、転がり抵抗の少ない255/55R19タイヤの組み合わせにより、それぞれ走行時の摩擦抵抗を低減と空気効率の最適化により、一充電距離の伸長を実現している。

これらの徹底的な煮詰めが行われたレンジプラスパッケージの希望小売価格は税込36万円となる。この内容とベースモデルに対しプラス118kmの航続距離が上乗せされるメリットを考えれば、車両本体価格が税込1317万円であっても決して高いオプションではない。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
過酷なダカールラリーで排気量998㏄の「水素小型エンジン」を鍛える! HySEが2025年の参戦を発表
コレクターズアイテムになること間違いなし! 「FIAT × ルパン三世」のクリスマスコラボプレゼントを実施中
more
コラム
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える
EVの走りはむしろ好き! エンジン車も同時に所有! それでもEVライフを終了した理由をオーナーが激白
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択