メーカー自身が儲からないとこぼす「Zeekr 001」
それでは実際に、その装備内容についてを、とくにZeekr 001のガチンコの競合となるであろう、テスラモデルY、Xpeng G6、およびMモーターLS6と比較してみると、
そもそも001については、エントリーグレードにおいても、100kWhのQilin Batteryを搭載することで、航続距離は750kmを確保しており、モデルY RWDとはかなりの差がついていながら、じつは値段設定ではほとんど変わらないレベルとなっています。
15.05インチの有機ELディスプレイを中央に配置しながら、リヤにも6インチのタッチスクリーン、35.5インチのARヘッドアップディスプレイも搭載。
シート調整についてもレッグレストを新たに追加しながら、シートマッサージ機能まですべて標準装備。リヤシートについても、シートヒーターだけでなく、電動で背もたれ調整が可能です。
ワンペダル走行可能、アンビエントライトも搭載、バッテリーのプレコンディショニング機能付きヒートポンプシステムも標準装備。
唯一、窓ガラスの二重化のみ採用されていないため、その遮音性能だけが気になる部分であるものの、ガラスルーフやフレグランス機能、YAMAHA製28スピーカーシステム、最大6kWのV2L機能、市街地も含めた自動運転支援機能まですべて標準装備です。
また、車両保証についても6年15万km、バッテリー保証も8年20万kmと、この装備内容を競合と比較してみれば、テスラモデルYはおろか、これまで驚異的なコストパフォーマンスであったはずのG6やLS6ですらも霞むような、尋常ではないコスト競争力を有していることが見て取れると思います。
何と言っても、今回の001に関しては26万9000元、日本円で563万円からと、先代モデルと比較しても60万円以上の大幅値下げを行ってきています。
Zeekr側については、今回のアップデートによって、なんと100万円分もの生産コスト上昇につながっているとしながら、それでいて大幅値下げを行ってきていることで、001の販売による大きな利益を生み出すことができないとも認めています。現在極限レベルに達している中国EV戦争を勝ち抜くためには、大きな利益を出しているフェーズではないと判断したと説明しています(先代モデルと比較しても60万円以上の大幅値下げ)。
現時点で中国全土に348ものサービスストアを有しながら、2024年中にその数を527地点にまで大幅拡充する方針も表明し、サービス体制と販売体制の拡充を急ぎます。
その上、当初の計画では2023年末に正式発売した007は2024年の前半、今回の001のアップデートバージョンは2024年後半に登場させる予定だったものの、これも現在の中国EV戦争の現状を鑑みて、タイムラインを大幅に早めてきたとも説明。さらに2024年後半にも新型EVを追加で投入するとも発表されました。
まさに、中国EV戦争を生き残るために、Zeekrを筆頭として、ジーリーグループ全体で戦い抜く姿勢を改めて強調してきているわけです。
果たして、3月1日から納車がスタートする、フルモデルチェンジバージョンのZeekr 001が、どれほどの販売台数を実現してくるのか。とくに競合であるモデルYなどを筆頭として、販売台数で大きな影響が出てくることは間違いないことから、その競合EVの販売動向についても注目です。
そしてZeekr全体の販売台数に関しても、納車が急ピッチで進む007も含めて、その動向にはますます目が離せません。