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歴代主査たちの思い
本コースで行われたパレードでは、「787B」が四世代のロードスターを引き連れて走行した。
NAのステアリングを毛籠勝弘社長が握ったほか、マツダの役員や、現役社員であるロードスター歴代主査ふたりも参加した。
時計の針を少し戻すと、2023年5月のロードスター・軽井沢ミーティングで、二代目・三代目主査の貴島孝雄氏、四代目の歴代主査の山本修弘氏と中山雅氏、そして現行主査の齋藤茂樹氏とロードスターの未来について意見交換した。
その際、複数の歴代主査から「NEはBEVにするのが妥当」という意見が出た。
理由としては、将来的に燃費や排気ガス規制、さらに電動化に係わる規制をクリアするには、マイルドハイブリッドなど中途半端な電動化で重量増になり、クルマ全体の重量バランスが壊れるくらいなら、搭載電池容量を制限してでもBEV化することが、ライトウエイトスポーツカーとしての使命を全うできる、という考え方だ。
あくまでも、これは歴代主査の個人的な思いを言葉にしたものであり、マツダからの正式コメントではない。
そうとはいえ、ロードスターを創り上げてきたエンジニアたちにとって、「ロードスター憲法」とマツダ社内で称される、マツダのロードスターに対する基本姿勢を重視すると、結果的に五代目NEがBEV化することは間違いない、ということだ。
話を、今回のマツダファンフェスタ in 富士スピードウェイに戻すと、カスタマイズ関連ブースの中に、東京マツダが出展したNBベースのBEVがあった。
同車は2010年代初めに製作したもの。ドライブシャフトなど駆動系の一部をNBオリジナル部品を流用し、エンジンからモーター(最高出力75kW)に換え、リチウムイオン電池(電池容量16.79kWh)を搭載している。
車体を末永く保ちたいという発想での、EVコンバートである。
果たして、NEはBEV化するのか?
2020年代後半から2030年代にかけて、その姿が現れることだろう。